2010年3月4日木曜日

公共交通


性化とともに、喫緊の課題として取り組むとした重要項目です。
 一昨年12月と昨年5月、多くの委員さんをお願いして「地域公
共交通活性化・再生法」に基づく二つの協議会を立ち上げ、実態調
査、アンケート、そして議論を重ねて、このたびようやく市内の公
共交通機関の活性化に向けた総合連携計画が、それぞれまとまる運
びになりました。
 今月中にこの計画に基づく事業計画を国へ申請し、来年度以降3
年間、補助事業として国の支援を受けながら、実証実験などに取り
組む予定です。

 取り組む柱は二つ、長野市全域のバス交通と長野電鉄屋代線の活
性化です。自家用車の隆盛、人口減少などの結果として乗客が減り、
なっているわけですから、これを再生するには難しい問題がたくさ
んあります。市民の皆さん、沿線の皆さん、ぜひ「乗って残す」こ
とにご協力いただきますようお願いします。

 以下、平成22~24年度に取り組むことにしている施策を列記
します。
計画」に掲げた施策の概要です。“人と環境にやさしく地域の生活
に使える「都市の装置」に変ぼうする”という基本理念の下に、全
33事業があります。

(1)「生活を支える」バスに
  ・市街地バス路線網の再構築
  ・中心市街地循環バスの充実
  ・地域拠点や生活拠点を循環するバスの導入
  ・交通空白地域における乗合タクシーなどの再編、導入
  ・中山間地域輸送システムの再編、導入 など

(2)「使いやすい」バスに
  ・ICカードの導入
  ・100円ゾーンの見直しや乗継割引制度などの整理、充実
  ・上限頭打運賃制度の導入に向けた検討
  ・増便、終発の繰り下げ、休日便の増発
  ・ハイグレードバス停の整備
  ・「パーク・アンド・バスライド」の実施
  ・「サイクル・アンド・バスライド」の実施
  ・ノンステップバス車両の充実 など

(3)「分かりやすい」バスに
  ・バスロケーションシステムの導入
  ・路線図、時刻表などを掲載したバスガイドブックの全戸配布
  ・観光用バスマップ、時刻表の作成
  ・WEB/携帯による案内システムの導入
  ・バス路線のイメージカラーの設定 など

(4)「利用してみようかな」と思えるバスに
  ・ノーマイカーデーの実施
  ・「モビリティ・マネジメント」の実施
  ・さわやかエコパークの実施
  ・低公害バス車両の導入 など

 以上、大きく区分すると4つの施策です。いずれも実施に当たっ
ては、お金もかかりますし、時間もかかります。しかし、「公共交
通は都市のインフラである」と主張してきた私としては、ぜひ実現
したい施策です。持続可能なシステムにできるかどうか、実証実験
などに取り組む3年間の試行期間が大切です。

 次に、「長野電鉄屋代線総合連携計画」に掲げた施策の概要です。
“地域みんなで支え育てることで、地域を支える持続可能な公共交
通機関として再生する”という基本理念の下に、全27事業があり
ます。

(1)日常の生活行動で抵抗なく使えるサービス水準の向上
 ア.移動時間の短縮
  ・運行頻度の増加(現有施設での増便、バスによる増便)
  ・しなの鉄道との接続改善、直通運転
  ・長野電鉄長野線との接続改善 など
 イ.アクセス利便性の向上
  ・「パーク・アンド・ライド」駐車場の整備
  ・「サイクル・アンド・ライド」駐輪場の整備
  ・昼間時のサイクルトレイン
  ・バスとの接続改善
 ウ.運賃の割高感の軽減
  ・持参人式通勤定期および年間通学定期の販売
 エ.移動可能時間帯の拡大
  ・最終便の繰り下げ
 オ.快適性・安全性の向上
  ・トイレの改良、駅周辺における夜間照明の強化
 カ.利用者ニーズに対応した継続的なサービス向上
  ・利用者モニター制度によるサービスの維持、向上 など
 キ.情報提供の充実
  ・駅および列車内の案内表示の充実、時刻表の配布

(2)屋代線を活用した人の動きの創出
 ア.観光客の沿線への誘導
  ・屋代線を利用する周遊割引切符の販売
  ・イベント列車の運行
  ・地域文化を生かした駅舎の改良やイベントの実施
  ・地域文化を反映したデザインによる車両のシンボル化
  ・自動車利用観光客向けの「パーク・アンド・ライド」と割引
  切符
  ・観光軸の形成に向けた上田、軽井沢、小布施との一体的PR
  (観光直通列車の復活) など

(3)地域が一体となった鉄道を支える仕組みづくり
  ・通常より割り引いた回数券を家庭や企業へ配布
  ・住民組織による地域ボランティア活動の促進(美化活動など)
  ・学校教育などにおける活用促進 など

 バス交通の計画に比べ、なかなか重いプロジェクトですが、屋代
線の長い歴史を思い、何とか再生する方法がないかと、みんなで知
恵を絞った方法論です。いろいろなアイデアが盛り込まれています
ので、よくお読みください。そして、この仕組みをどの程度利用し
ていただけるか、試行期間が重要になるでしょう。

りない利便性、自由度にどんどん押されてきた結果でしょう。
 しかし、そんなにスピードは要らない、のんびりでいいのだとい
う人にとって、あるいは、車の運転ができない人にとって、バスや
鉄道は必需品ですよね。今や、過疎化や高齢化の進行により、公共
交通機関が無ければ生きていくことすら危ぶまれる、という社会情
勢だって生まれています。

すれば、乗る、乗らないに関係なく、存在しなくてはならないもの、
ということになるのですが・・・やはり限界もあるでしょうね。

 また、環境問題の重要性から、ガソリンを大量に使う自家用車の
使用をあまり増やすべきでない、ということもすでに一般的な考え
方になりました。乗ってさえいただければ、鉄道やバスによる大量
輸送は、一人当たりの化石燃料を使う率がかなり低いわけです。今
こそ、鉄道の良さ、バスの良さをあらためて見直すべき時期だと言
われています。
 過去に私が訪問した高知市や長崎市、松山市、富山市などでは、
路面電車を廃止しなかったおかげで便利に使われているだけでなく、
素晴らしい観光資源にもなっている、そんな印象を受けました。真
正念場を迎えています。

各計画の詳細は、こちらをご覧ください。
  http://www.city.nagano.nagano.jp/pcp_portal/contents?CONTENTS_ID=19580
・長野電鉄屋代線総合連携計画(素案):
  http://www.city.nagano.nagano.jp/upload/1/kotuseisaku_nagaden-soan.pd