2010年5月20日木曜日

長野商工会議所が創立110周年


 5月14日、長野商工会議所110周年記念式典に参加させてい
ただきました。
 110周年といえば、長野市の市制施行110周年が3年前です
から、長野商工会議所の誕生は長野市の3年後・・・まさに長野市
の歴史と共に歩んできた団体です。明治33年の創立とのことです
から、長野市内にあるいろいろな団体の中で、一番古いと言っても
間違いないでしょう。

 商工会議所というのは、商工会議所法に基づいた団体ですから、
例えば日本経団連とか経済同友会などの民間任意団体とは違い、特
別法に基づく認可法人という扱いになります。
 地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一
般の福祉の増進に資する、というのが商工会議所法に記された目的
です。そのために、行政などへの意見具申、調査研究、証明、鑑定、
検査、講演会や講習会の開催、技術や技能の普及・検定、相談や指
導の実施、観光事業の改善など、さまざまな事業を行うのが商工会
議所です。
 そして、私とすれば、市長に立候補するまでは、長野商工会議所
の副会頭を務めさせていただいていたものですから、とても思い出
深い団体でもあります。

 式典では、“行動する会頭”という評判通り、加藤会頭から、長
野市のまちづくり・活性化に向けて不景気を吹っ飛ばし、元気を出
そうという、全経営者に向けてのメッセージが込められた式辞があ
りました。
 長野商工会議所は、創立以来、常に商工業者の先頭に立ち、幾多
の社会経済の変革、苦難を乗り越え、商工・観光の振興のみならず、
地域の発展に多大な業績を残してこられたと言っていいでしょう。
そのことは、会頭に続いて登壇した来賓(高原経済産業省関東経済
産業局長、腰原長野県副知事、栗原日本商工会議所流通・地域振興
部長、井上長野県商工会議所連合会副会長、そして長野市長)の祝
辞からも、皆さんに理解していただけたと思っています。
 このほか式典では、長い間役員を務められた方、市内で100年
以上続いている企業、市内企業に永年勤続しておられる方々に対す
る表彰も行われました。

 長野商工会議所は、市内の6,300事業所会員によって成り立
っています。その役員として、会頭や副会頭、理事、監事のほか、
議員がいます。
 商工会議所の議員について、多くの人が誤解していると思われる
ことがあります。議員という名前が付いているのは、国会議員、県
議会議員、市議会議員といろいろありますが、これらの皆さんは、
基本的に議員歳費や議員報酬を受けています。
 しかし、商工会議所の議員は歳費や報酬のたぐいを受けていませ
ん。それどころか、会議所の会員はすべて会費を払っているのです
が、議員は普通の会員の何十倍もの会費を払っていますし、正副会
頭や委員長、部会長はさらに多くの会費を払っているのです。
 すなわち、ボランティアというより、自分(会社)の身銭を切っ
て商工会議所活動に貢献していただいているのです。自ら会費を払
って仕事をさせていただく・・・得られるのは、満足感と名誉だけ
と言っては言い過ぎでしょうか(もちろん、まちが元気になること
で、回りまわって自分の会社にも何らかのプラスになることを期待
していることは事実でしょうが)。

 会費だけではありません。長野びんずる、長野えびす講煙火大会、
善光寺御開帳の時の奉賛会などは、特別寄付金が求められます。ま
た、長野オリンピックの時に文化プログラムとして開催された「な
がの-アスペン ミュージックフェスティバル」などは、行政の支
援だけでは足りなくて、商工会議所を中心に寄付金集めをしたこと
で運営資金を賄うことができたのです。
 そういえば、環境メッセージを携えてノルウェーのリレハンメル
から長野へ向けて出発した犬ぞり隊(国際環境使節団)が資金不足
により途中で止まってしまい、急きょ、商工会議所で資金を集めて
送ったことも思い出されます。
 長野オリンピック招致費用の協力を得る際にも、商工会議所が招
致委員会に協力して企業回りをしてきました。

 これらは、決して無駄なことではないと思います。商工会議所が
行政に協力して、あるいは補完して活動していただくことによって、
社会を動かし、まちに活気が生まれ、元気が出るのです。市長の立
場からは、商工会議所の長野市を思う心が何よりありがたいと思っ
ています。

 長野のまちに活気を取り戻すために、長野商工会議所ではさまざ
まな取り組みを行っています。ここ最近のことを列記してみますと、
株式会社まちづくり長野を設立し、「TOMATO(とまと)食品
館」、「ぱてぃお大門 蔵楽庭(くらにわ)」をオープンしたほか、
長野・篠ノ井・松代の3商工会議所の合併、緊急経済対策、入札・
契約制度の改善、商店街活性化に関する条例の制定などの政策提言
・要望活動、善光寺東庭園にホタルを復活させる活動や「善光寺表
参道に灯籠(とうろう)を復元建立する会」の事業への協力、「信
州おやきブランド化事業」の推進などなど、大変精力的な事業展開
です。

 また、昨年からは、少子化対策としてマリッジサポートセンター
「こんぴあNAGANO」を設立して結婚支援事業も行っています。
成果として、たくさんの出会いが生まれつつあるようですが、商工
会議所では、さらに登録メンバーを増やしたいと考えているそうで
す。関心がある方は、ぜひ問い合わせてみてください。この事業の
今後の展開も期待したいと思っています。