新しい懇話会を創設しました。10月12日夜、そのスタートに
先立ち「長野市の未来を語ろう『みんなでトーク2010・ながの』」
のキックオフ・トークを開催しました。
この「みんなでトーク2010・ながの」という新しい懇話会は、
今後の長野市をデザインするために、あらゆる年代の皆さんに長野
市の将来にどんな夢を描くのか、自分が市長だったらこんな市にし
たい、といったことを自由に語ってほしいという思いから創設した
ものです。懇話会には、公募に応じていただいた皆さんのほか、市
の職員も加わり、夢を語り合うことにしています。
私が若いころ、と言っても30歳代前半、故柳原市長さんのころ
ですが、私が所属していた長野青年会議所のメンバーと市の若手職
員が、朝食会を開催して意見交換をしたことがあります。お互い初
対面でしたが、市職員とのコミュニケーションは随分楽しかったで
すし、お互いに勉強になったと感じました。何回続いたか記憶は定
かではありませんが、今回の新しい懇話会はそのときのことを思い
出して、私から提案したものです。
ただ、今回のメンバーは、青年会議所ではなく、公募した市民の
皆さんと市の職員ですので、あのころの趣旨とは少し違うものにな
っています。
キックオフ・トークでは、フリーパーソナリティーの武田徹さん
にコーディネーターをお願いして、パネルディスカッションをしま
した。パネリストは、ゲストとしてお迎えした「ふるさとNAGA
NO応援団」のメンバーの幡野保裕さん、フリースタイルスキー・
モーグル選手の上村愛子さん、主婦で、以前、放送局のディレクタ
ーをされていた上條麻美さんの3人と私です。
キックオフ・トークですから、懇話会のメンバーの方はもちろん
ですが、トークは公開で行い、メンバー以外の皆さんにも一緒にお
聴きいただきました。
最初に、コーディネーターの武田さんから私に、今回の「みんな
でトーク2010・ながの」の趣旨についてお尋ねがありましたの
で、あいさつを兼ねて次のような話をさせていただきました。
これまで、市内各地区で開催している「元気なまちづくり市民会
議」をはじめとして、中山間地域、国際交流、女性など、テーマや
対象者別の市民会議の開催や、現場へ出掛けての「移動市長室」な
どを行っている。
これらは、市民のご意見・ご要望などをお聴きする場として大変
重要な会議ではあるが、会議のテーマは、例えば、それぞれの地域
の「当面の課題」や、部分的な「個別・具体の話」に限られ、長い
年月を見据えた長野市全体についての議論は少ない。10年後、
20年後を見据え、「これから先、長野市はこうあるべきだ」とい
うような、ある意味「大きな議論」が必要だと感じている。
このようなことから、創設した「みんなでトーク2010・なが
の」では、18~29歳、30~49歳、50歳以上というように、
年代別の懇話会を設け、メンバーの皆さんとひざを交えて、長野市
の将来をどのように考えるか、長野市は今後何を目指していくべき
かを議論し、一緒に考え、長野市のこれからの「旗印」を探してい
きたい。
そのスタートに先立ち、本日はゲストの皆さんから「外から見た
長野市」をテーマの中心としてお話をお聴きし、今後の懇話会を進
めていく上での参考にさせていただきたいと思っている。
こんな趣旨で話させていただきました。
今回パネリストをお願いしたゲストの皆さんは、長野市にかかわ
りを持ちながら、世界、国内、県内をよくご存じの皆さんです。デ
ィスカッションでは、武田さんの素晴らしいコーディネートにより、
さまざまなお話をお聴きすることができました。
幡野さんは、高校時代を長野で過ごされ、柔道のインターハイ県
代表選手としても活躍。大学卒業後は、日本郵船株式会社に就職し、
平成8年から15年まで豪華客船「飛鳥」の船長をされた方です。
世界中の港町を回った経験からお話を伺うことができました。
**********
印象に残っている町は、ニュージーランドのクライストチャーチ。
この町の売りはガーデニングで、道から庭が見えるデザインになっ
ており、住民が自宅の庭を一生懸命奇麗にしている。また、町の中
心には大きな公園・運河があり、ボートで巡ることができる。ボー
トの中で求愛すると成功するという伝説を上手に使い、町をPRし
ている。
地球温暖化について考えている都市も印象深い。サンフランシス
コのベイエリアは、電気自動車の普及を目指すモデルとして、パワ
ーステーション(充電スタンド)の設置を進めている。フランスの
ラ・ロシェルは、映画祭と音楽祭で売っている町。それに加えて最
近は、電気自動車の普及を進め、市内は電気自動車しか走らせない
ようにしようとしている。パワーステーションの設置と電気自動車
のレンタルを計画中。
いろいろな所に行って思うのは、住民がどれだけ町に対する意識
を持っているかが重要だということ。一人一人の細かい積み上げが
町をつくっていると感じている。
長野のイメージは、素晴らしい自然と里山。そして、長野のホス
ピタリティが世界に認められた冬季オリンピックの大成功。オリン
ピックは平和の象徴であるが、北京オリンピックの聖火リレーでの
善光寺の存在感も平和を象徴する町のイメージを強くした。これら
は長野の大きな財産で、うまく利用したい。
**********
上村さんは、ご紹介するまでもなく、長野オリンピックから今年
のバンクーバーオリンピックまで4大会連続で出場した、日本を代
表するスキーヤーです。いろいろな国で競技をされた経験から、気
に入っている町についてお聴きすることができました。
**********
スイスのツェルマットによく行く。この町は、自動車の乗り入れ
が規制されていて、お客は一つ手前の町に駐車して、登山電車やタ
クシー(電気自動車)で行くことになる。静かで空気も澄んでいる。
家一軒一軒に花を飾る決まりもあるなど、観光地としてのコンセプ
トが決まっていて、町のどこを見ても「ツェルマットだな」という
景色が広がっている。
そこでは氷河で滑らせてもらっているが、毎年毎年、氷河が小さ
くなっていることを実感。環境問題が自分の競技に直結している。
長野市全体では難しいが、例えば山の方に行ったら、電気自動車が
たくさん走っている場所があれば魅力的ではないか。
**********
上條さんは、放送局のディレクターをされていたことから、長野
県内をくまなく回って取材をした経験をお持ちです。また、現在の
主婦としての立場から、どんな長野市にしたいかという思いもお話
しいただきました。
**********
駒ヶ根のソースカツ丼など、町全体が頑張っている所は活気があ
ると感じている。先代より2代目、3代目の人たちが頑張っている。
長野市にも「○○横丁、○○通り」というような、新しいB級グル
メが集まった区画があれば面白い。
自分の子どものことで考えると、大学進学などで東京などに行っ
たとしても、帰って来られる町になったら良い。私も学生のころは、
東京で就職したい、親から自立したいと思っていたが、実際に子ど
もを持ち、親の立場になると、帰ってきて長野で就職してもらいた
いと思う。だから、企業が元気になってほしい。10年後、20年
後に働き口があるかどうか不安がある。
**********
パネルディスカッションを進めていく中では、武田さんからも次
のようなヒントを頂きました。
**********
外から人を呼び込むことも大事だが、われわれ自身も日常生活の
中で、里山や自然を楽しむことができる市民になることも大事。自
分たちの町なのだから、自分たちが楽しんで、自分たちが健康で暮
らせる、そういう「暮らし」にわれわれもギアチェンジする必要が
ある。
中央通りの活性化も言われているが、住民が地元の物を買って、
地元の物を愛するようにならないと活性化しない。安い物があれば、
よその物を買う。経済の原則からすれば仕方ないが、長い目で見れ
ば自分たちの首を絞めている。地元の人が何かに取り組んでいたら、
それに協力して、少しくらい高くても買って、根付かせることをみ
んなでしていかないと、まちづくり・活性化は絵に描いた餅(もち)
で終わってしまう。
未来を考えるときに、10年先、20年先、世界がどうなるかを
頭に入れる必要がある。環境問題も深刻化すると思う。食糧難の時
代も来るのではないか。飢餓に遭わないまちづくりもある。資源の
問題もある。その地域だけで小水力発電をやるとか、中山間地域の
木材を活用する検討も必要。善光寺はさまざまな宗派を受け入れる
素地がある。世界宗教者会議のようなものを開催し、世界平和につ
いて語ってもらうこともオリンピックを開催した長野市ならできる。
**********
パネルディスカッションの最後は、「外から見ると、長野市には
いろいろな宝があるが、宝はそのままにしておいても何の役にも立
たない。『宝の持ち腐れ』にならないような長野市の未来を考えて
いってほしい」という武田さんの言葉で締めくくっていただきまし
た。
実際には、もっとたくさんのお話を展開していただきましたし、
私も発言させていただいています。今回は紙幅の都合もあり、略さ
せていただきました。お許しください。
「みんなでトーク2010・ながの」の本番は、10月26日の
50歳以上の皆さんとの懇談でスタートしました。今後、2月に開
催する予定の「ファイナル・トーク」までの間、長野市のこれから
の「旗印」を皆さんと一緒に探し出していきたいと思っています。
2010年10月28日木曜日
「みんなでトーク2010・ながの」キックオフ・トーク
2010年10月21日木曜日
秋、観光事業への取り組み
10月、秋の観光事業の最盛期です。スポーツや農産物イベント
なども含め、大勢の皆さんにお越しいただいています。
10月1日から、信州デスティネーションキャンペーン(信州D
C)が始まりました。これは、長野県内の観光関係者や市町村など
とJR6社が連携して、全国から長野県へお客さんを呼ぼうという
取り組みで、長野県での開催は12年ぶりだそうです。12月31
日まで開催しています。
このチャンスを生かすべく、長野県はもとより長野市としても、
今まで取り組んできたことを中心に、さらに充実させて、いろいろ
な事業に取り組んでいます。テーマは「未知を歩こう」です。県内
には、まだ知られていないスポットやイベントがたくさんあるとい
うことでしょうか。
JRとしても、全国を対象にキャンペーンを組むと効果が散漫に
なってしまうからでしょう、“選択と集中”の典型的な事業だと私
は感じています。
ながのウエルカムガーデン。昨年は、善光寺御開帳に併せてでし
たが、今年は、信州DCに併せての設置です。「ようこそ秋色の長
野へ」をテーマに、秋の七草をはじめ、色とりどりの花々による見
事なガーデンが長野駅善光寺口の駅前広場に出来上がりました。昨
年と同様、長野を訪れる皆さんに喜んでいただけるだけでなく、通
勤・通学で長野駅を利用する皆さんの目も楽しませ、癒やしにもな
るイベントになっていると感じています。ガーデンは、11月末ま
で設置する予定です。
また、夕闇迫るころになると、ガーデンの背後にはJRが設置し
たきれいなイルミネーションが輝き始めます。長野駅前で昼も夜も
お楽しみください。
10月3日、飯綱高原健康マラソン。市内外から約1,000人
の参加者がいらっしゃったのですが、新聞報道などでご存じのとお
り、3キロコースのスタート直後に選手の皆さんが突然スズメバチ
に襲われ、競技は途中で中止。33人が救急車で長野市民病院と長
野赤十字病院に運ばれる騒ぎになってしまいました。重症者が出な
かったことは幸いでしたが、申し訳ない結果になってしまい、参加
された皆さんには心よりおわび申し上げる次第です。コースに隣接
した廃屋の中にハチの巣があったようで、前日、前々日に行った事
前の点検では発見できませんでした。今後は、これまでにも増して
安全管理を徹底し、安全で楽しい大会にしていきます。
戸隠神社奥社の杉並木が、パワースポットブームと、吉永小百合
さんのテレビコマーシャル効果で、大変な人出のようです。報道を
通じての情報ですが、奥社の宮司さんが“こんなことは初めて”と
おっしゃっていたことが、印象的でした。この人気、一過性ではな
く、リピーターの増加につながると良いですね。
市内では、松代の皆神山もパワースポットだそうです。そういえ
ば、しばらく前にピラミッドパワーということで、評判になったこ
とがあったと記憶しています。
10月4日、北陸新幹線停車駅都市観光推進会議で、富山市へ行
ってきました。高崎市、長野市、上越市、黒部市、富山市、高岡市、
金沢市・・・7市長が集まって、駅前整備やまちづくり、誘客戦略
について熱く語り合いました。高崎市と長野市は、すでに新幹線が
開通していますが、その他の都市にとっては、平成26年度の開通
を前に、今まさに正念場でしょう。長野市としても、再開発ビルの
完成や駅および駅前広場の整備のことなど、オリンピック前、大急
ぎで暫定整備した長野駅周辺の今後について、夢を語ってきました。
10月9日、長野市農業フェア。もう40回目を迎えました。こ
のイベントは、農業関係団体が実行委員会をつくり、長野市地産地
消推進協議会などとの共催で開催しています。昭和43年に長野市
民会館で始まったイベントですが、その後ながの東急百貨店での開
催を経て、エムウェーブに定着したものです。今年も大勢のお客さ
んがいらっしゃっていました。
同日、第5回全日本フロアホッケー競技大会が開会し、2日間の
日程で競技が行われました。2005年のスペシャルオリンピック
ス冬季世界大会に引き続き、第1回から長野市のホワイトリングで
行われている大会で、この競技もすっかり定着してきたように思い
ます。毎回、日本フロアホッケー連盟の細川佳代子会長が出席され
ており、会長さんからは、「今度一緒にプレーしましょう!」と誘
われてしまいました。
同じく10月9日の夕方から夜にかけて、川中島古戦場まつりが
行われました。あいにく、午後から雨模様になってしまい、開催で
きるか心配していたのですが、実行委員会では開催を決断したよう
です。私は会場へ向かう途中、長野大橋で起きた交通事故の影響で、
大渋滞に巻き込まれてしまいました。開始時間に遅れそうでハラハ
ラしましたが、何とか間に合い、花火の点火式に参加させていただ
くことがきました。降りしきる雨のため、観客の皆さんが腰を下ろ
す場所がなかったのは残念でしたが、役員の皆さんのご努力で、花
火を打ち上げることができ、良かったと思っています。多くの皆さ
んが楽しんでいらっしゃいました。
10月10日、松代藩真田十万石行列が行われました。本年度、
松代イヤーの白眉(はくび)のイベントと言っていいでしょう。前
日の雨が午前中まで残るという予報で心配しましたが・・・結局、
雨は降らず、絶好のお祭り日和になりました。昼ごろからは青空に
なって、午後はむしろ天気が良すぎて、暑くて困ったくらいです。
真田家14代当主の真田幸俊様もご参加くださり、人気を集めて
おられました。私も白い大きな馬に乗せてもらい、3時間、松代城
下を楽しませていただきました。
今年も行列には、「カチューシャの唄知音都市」として交流して
いる中野市、島根県浜田市、新潟県糸魚川市の皆さんにご参加いた
だいたほか、真田サミットで交流のある上田市や大阪市の皆さんに
も加わっていただき、うれしく思っています。沿道も大変にぎやか
でした。
10月14日~15日、福井県大野市で、第157回北信越市長
会総会が開催されました。大野市は、福井県東部に位置する市で、
面積は長野市よりも一回り大きい872平方キロメートル、人口は
長野市の約10分の1の3万8千人という市です。“北陸の小京都”
と言われるだけあり、きれいな町でした。
会議では、全国市長会へ提出する25の議案について分科会に分
かれて話し合ったり、北陸新幹線の建設促進や鳥獣被害防止対策の
推進などの決議を採択したりしたほか、次回、第158回総会を、
来年の5月に長野市で開催することが決まりました。
長野市での総会でも、さまざまな議題について話し合うことにな
ると思いますが、会議の合間には、お迎えする67市長さんに市内
をご覧いただく時間を設け、新緑の季節を迎えた長野市の魅力を発
信したいと考えています。
2010年10月14日木曜日
長野市選出の県議会議員の皆さんとの懇談会
9月27日、ここ数年の恒例行事になっていますが、長野市選出
の県議会議員の皆さんとの懇談会を開催させていただきました。長
野市選出の県議会議員は10人です。この日は、全員の方々にご出
席いただくことができました。
懇談内容は、先週ご報告させていただいたように、阿部知事との
懇談で要望したことと同じ10項目についてです。皆さんには、長
野市の主な懸案・課題事項として私から説明させていただき、ご理
解をお願いしました。
10項目のうち、
(1)長野県短期大学の4年制大学への移行について
(2)市街地再開発事業に対する県費補助金の確保について
の2項目については、先週、報告させていただきましたので、今回
は、残りの8項目についてお話しさせていただきます。
(3)地域公共交通への支援の充実について
市では、国の地域公共交通活性化・再生総合事業に取り組んで
いますが、本年度の補助金が、本来の計画に対して大幅に減額さ
れてしまい、事業実施が困難な状況です。
一方、国においては、地域公共交通の確保・維持などのための
新たな支援策を立案中と聞いています。このため、現事業につい
ては当初方針どおりの支援を、また、新たな支援策の制度設計に
当たっては地方の取り組みに対する支援の充実を図るよう、国に
要望していただくことをお願いしました。
加えて、県としても、公共交通の維持・確保に対する支援を充
実していただきたいと考えています。
(4)長野地域職業訓練センターの今後の運営について
独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止に伴い、大豆島にある
長野地域職業訓練センターが本年度末で廃止されることになって
います。機構からは、土地を所有する長野市が希望する場合には
施設を無償譲渡することが提示されており、11月末までに引き
受けるか否かを決定しなければなりません。
この施設は長野市民のみならず、県内外の多くの人に利用され
ていることから、市では、県での引き受けを求めてきましたが、
県からの回答は「できない」とのことでした。現在の厳しい雇用
情勢下で、職業訓練や研修、技能の向上を図る場の存続は大変重
要です。職業能力開発促進法に基づく施設で、利用者も多く、存
続要望も多いことから、このまま廃止することはできないでしょ
う。存続するための県の相応の支援が必要だと考えています。
(5)上水内北部広域営農団地農道豊野幹線の建設促進について
上水内北部広域営農団地農道豊野幹線は、国の交付金などを受
けて県が整備している道路です。平成28年度の全線供用開始を
目指し、大半の用地買収が済み、工事も始まっています。
ただ、昨年、国の事業仕分けで農道整備事業が「廃止」判定さ
れたこともあり、今後の事業費確保に不安があることも事実です。
今後も国の支援が継続されるよう、県として対策を講じていただ
きたいと考えています。
(6)災害に強い県管理の砂防・河川施設の整備促進について
近年頻発する災害により、復旧事業などの緊急対応が増加して
おり、災害の予防対策として計画的に推進すべき砂防、河川事業
が極めて進めにくい現状にあります。市内の中山間地域は、急峻
(しゅん)な地形が多い上、地盤がもろく不安定で、災害を受け
やすい条件にあり、土砂災害や水害を防止する砂防、河川事業は、
大変重要です。
住民の生命・財産を守り、安全で安心な地域づくりを進めるた
めにも、基幹的な砂防・河川施設の整備について、より一層の取
り組みをお願いしたいと考えています。
(7)長野駅周辺第二土地区画整理事業の促進について
市が行っている長野駅周辺第二土地区画整理事業は、市都心部
の新たな拠点形成を図るとともに、老朽建築物が密集する地域の
防災対策を進め、安全で安心な住民生活を確保するために実施し
ています。事業推進に当たっては、権利者の皆さんの生活を確保
するためにも計画的な事業費確保が必要であり、国および県の財
政的支援は不可欠です。
しかし、本年度当初の国の交付金額は、本市の要望額を大幅に
下回ってしまいました。その後、追加配分を頂けましたので良か
ったのですが、結果的に市の負担が増加してしまったことも事実
です。この事業に関する国の特定財源および県の補助金の確保・
配分について、特段の配慮をお願いしました。
(8)文化財の保護・保存に要する費用に対する支援の拡充につい
て
国・県指定文化財の保護・保存には、多額の事業費が掛かるた
め、国・県からの事業費補助は不可欠です。しかし、現在のとこ
ろ、県の要綱に定めがあっても県からの補助が無いか、縮小傾向
にある状態です。
例えば、県の要綱では、県指定文化財を保存整備する場合には
対象事業費の50%以内、国指定文化財の場合には同25%以内
の補助金が交付できることになっています。これに対し、国の史
跡である新御殿跡(真田邸)や県宝の旧前島家住宅の保存整備事
業などでは、県の補助金はありませんでした。また、国の史跡で
ある大室古墳群の保存整備事業では5%の補助金を頂いています
が、来年度は4%になると聞いています。
このままでは、文化財の保護・保存に重大な影響を及ぼしかね
ません。県として応分の財政支援をしていただきたいと考えてい
ます。
(9)冬季競技国際大会、全国大会などの誘致・開催に伴う県の財
政支援について
これまで市内では、長野オリンピック記念基金からの助成を受
けて、冬季競技大会やオリンピック記念イベントなどが開催され
てきましたが、昨年度をもってこの助成は終了となりました。こ
のことに伴い、市では「長野市冬季競技振興基金(愛称:ながの
夢応援基金)」を創設し、今後も市内の各種大会や選手育成など
へ助成していきたいと考えています。
ただし、大規模な国際大会などについては、県からの支援がな
ければ誘致・開催することは困難です。オリンピック開催以前は、
県の支援を頂いてきた経過もありますので、今後も同様に、県の
財政支援を頂きたいと考えています。
(10)市町村の消防の広域化について
県が策定した「長野県消防広域化推進計画」では、東北信・中
南信の2ブロック体制で消防組織を広域化することを目指してい
ますが、現在、このような単位の行政組織はありません。円滑に
広域化するためには、なじみのない2ブロック制ではなく、東・
北・中・南信の4ブロック制が望ましいと考えています。また、
北信ブロックで広域化する場合には、事務委託方式とすることが
妥当だと考えています。
協議をしている北信ブロックでの結論は出ていませんが、ご支
援とご理解をお願いしました。
私から説明させていただいた事項は以上です。このほか、県議会
議員の皆さんには、その他の課題として次の7項目についても資料
でお示しさせていただきました。
(1)長野以北並行在来線問題について
(2)市町村合併に対する県の姿勢について
(3)長野県森林づくり県民税について
(4)中山間地域活性化のための取り組みについて
(5)東外環状線の4車線化および五輪大橋の無料化について
(6)県道塩崎バイパス全線の早期供用開始について
(7)県営水道の市町への移管について
懇談会では、議員さんから積極的なご意見なども頂けましたので、
ご説明した課題については、おおむねご理解いただけたものと感じ
ています。今後も、必要に応じて機会をとらえ、本市の考え方、現
場の声を県政に伝えていきたいと考えています。
2010年10月7日木曜日
阿部新知事との懇談
8月の県知事選で、私は腰原前副知事を推していましたので、面
白おかしくツーショットにしたかったのでしょう、大変多くのマス
コミが取材に来ていました。
でも、選挙が終わればノーサイド。知事と話し合いをする必要は
常にあるわけで、マスコミに面白おかしく取り上げていただくよう
なことは、基本的に無いと思っています。
阿部知事も、当然のこととして県民の確かな暮らしと県民主権の
県政実現のためにご尽力いただけるものと、私は思っています。そ
れが故に、本市が抱える諸課題、とりわけ、県政に対する本市の要
望について、知事さんにご理解いただかなくてはならないと考え、
このたびの懇談になったわけです。
懇談では、長野市としての県政に対する要望10項目を要望書に
まとめてお渡ししました。懇談時間が限られていましたので、実際
に説明させていただいたのは、重点的な要望事項である以下の二つ
です。
(1)長野県短期大学の4年制大学への移行について
県では、「長野県短期大学の将来構想に関する検討委員会」を設
置して検討を始めていただいていることですが、地域での人材育成、
若者の県外流出の防止などの観点から、長野県短期大学の4年制化
を実現していただきたいと考えています。
県内高校出身者の県外大学への流出率が80%を超える状況の中
で、若者の減少による地域のにぎわいの低下、人材流出による企業
の進出環境や雇用への影響、税収の減少が懸念されています。公立
短期大学が急速に減少している時代の流れの中で、長野県短期大学
が衰退してしまうことによる社会的損失は計り知れません。
また、単に4年制化するだけではなく、県民が真に望む学部も設
置していただきたいと考えています。
(2)市街地再開発事業に対する県費補助金の確保について
疲弊した中心市街地の再生を図る手法の一つとして、市街地再開
発事業は大変有効です。この事業の実施に当たっては、事業者負担
を軽減するための補助制度があり、補助対象事業費の3分の2を国
と地方で半分ずつ補助することになっています。
ただ、地方補助分の県と市町村の負担割合についてですが、近県
では5対5の均等なのに対し、長野県では県3割、市町村7割なの
です。この制度では、地方補助分と同額しか国が補助しないことに
なっていますので、県内市町村は、事業者負担を増やさないように
するために多額の負担に耐えているのが現状です。
さらに昨年は、県費補助金を削減する動きもありました。最終的
には、現行どおりの補助金を確保していただくことができましたが、
民間活力を活用し、市民と協働によるまちづくりを進めるには、今
後も国・県・市が一体となって市街地再開発事業へ支援をしていく
ことが必要だと考えています。これからも、県費補助金を確保して
いただけるようお願いしました。
以上二つが、重点的に要望させていただいた項目です。
なお、浅川ダムについてですが、長い間、民主的に議論を積み重
ねた結果として、この問題の結論はすでに出ています。つまり、長
野市とすれば、もう要望すべき課題ではなく、解決したテーマだと
考えていることから、今回の要望には入っていないことを口頭で申
し上げました。
また、知事さんの主たる主張である「信州型事業仕分け」につい
ては、まだ「何を」「誰が」仕分けするのか不明でしたので、私か
ら触れることはしませんでした。
知事さんからの話としては、(1)についてはよく検討する、と
いうことでした。(2)については前向きなお答えを頂いたと感じ
ています。いずれにしても、阿部知事と意見交換できたことは、良
かったと思っています。
なお、そのほか要望書にまとめた項目は、以下のとおりです。
(3)地域公共交通への支援の充実について
(4)長野地域職業訓練センターの今後の運営について
(5)上水内北部広域営農団地農道豊野幹線の建設促進について
(6)災害に強い県管理の砂防・河川施設の整備促進について
(7)長野駅周辺第二土地区画整理事業の促進について
(8)文化財の保護・保存に要する費用に対する支援の拡充につい
て
(9)冬季競技国際大会、全国大会などの誘致・開催に伴う県の財
政支援について
(10)市町村の消防の広域化について
以上の10項目については、9月27日に開催した長野市選出の
県議会議員さんとの懇談会でも長野市の懸案・課題事項としてご説
明させていただきました。詳しくは、来週のメルマガでお話しさせ
ていただきます。