9月27日、ここ数年の恒例行事になっていますが、長野市選出
の県議会議員の皆さんとの懇談会を開催させていただきました。長
野市選出の県議会議員は10人です。この日は、全員の方々にご出
席いただくことができました。
懇談内容は、先週ご報告させていただいたように、阿部知事との
懇談で要望したことと同じ10項目についてです。皆さんには、長
野市の主な懸案・課題事項として私から説明させていただき、ご理
解をお願いしました。
10項目のうち、
(1)長野県短期大学の4年制大学への移行について
(2)市街地再開発事業に対する県費補助金の確保について
の2項目については、先週、報告させていただきましたので、今回
は、残りの8項目についてお話しさせていただきます。
(3)地域公共交通への支援の充実について
市では、国の地域公共交通活性化・再生総合事業に取り組んで
いますが、本年度の補助金が、本来の計画に対して大幅に減額さ
れてしまい、事業実施が困難な状況です。
一方、国においては、地域公共交通の確保・維持などのための
新たな支援策を立案中と聞いています。このため、現事業につい
ては当初方針どおりの支援を、また、新たな支援策の制度設計に
当たっては地方の取り組みに対する支援の充実を図るよう、国に
要望していただくことをお願いしました。
加えて、県としても、公共交通の維持・確保に対する支援を充
実していただきたいと考えています。
(4)長野地域職業訓練センターの今後の運営について
独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止に伴い、大豆島にある
長野地域職業訓練センターが本年度末で廃止されることになって
います。機構からは、土地を所有する長野市が希望する場合には
施設を無償譲渡することが提示されており、11月末までに引き
受けるか否かを決定しなければなりません。
この施設は長野市民のみならず、県内外の多くの人に利用され
ていることから、市では、県での引き受けを求めてきましたが、
県からの回答は「できない」とのことでした。現在の厳しい雇用
情勢下で、職業訓練や研修、技能の向上を図る場の存続は大変重
要です。職業能力開発促進法に基づく施設で、利用者も多く、存
続要望も多いことから、このまま廃止することはできないでしょ
う。存続するための県の相応の支援が必要だと考えています。
(5)上水内北部広域営農団地農道豊野幹線の建設促進について
上水内北部広域営農団地農道豊野幹線は、国の交付金などを受
けて県が整備している道路です。平成28年度の全線供用開始を
目指し、大半の用地買収が済み、工事も始まっています。
ただ、昨年、国の事業仕分けで農道整備事業が「廃止」判定さ
れたこともあり、今後の事業費確保に不安があることも事実です。
今後も国の支援が継続されるよう、県として対策を講じていただ
きたいと考えています。
(6)災害に強い県管理の砂防・河川施設の整備促進について
近年頻発する災害により、復旧事業などの緊急対応が増加して
おり、災害の予防対策として計画的に推進すべき砂防、河川事業
が極めて進めにくい現状にあります。市内の中山間地域は、急峻
(しゅん)な地形が多い上、地盤がもろく不安定で、災害を受け
やすい条件にあり、土砂災害や水害を防止する砂防、河川事業は、
大変重要です。
住民の生命・財産を守り、安全で安心な地域づくりを進めるた
めにも、基幹的な砂防・河川施設の整備について、より一層の取
り組みをお願いしたいと考えています。
(7)長野駅周辺第二土地区画整理事業の促進について
市が行っている長野駅周辺第二土地区画整理事業は、市都心部
の新たな拠点形成を図るとともに、老朽建築物が密集する地域の
防災対策を進め、安全で安心な住民生活を確保するために実施し
ています。事業推進に当たっては、権利者の皆さんの生活を確保
するためにも計画的な事業費確保が必要であり、国および県の財
政的支援は不可欠です。
しかし、本年度当初の国の交付金額は、本市の要望額を大幅に
下回ってしまいました。その後、追加配分を頂けましたので良か
ったのですが、結果的に市の負担が増加してしまったことも事実
です。この事業に関する国の特定財源および県の補助金の確保・
配分について、特段の配慮をお願いしました。
(8)文化財の保護・保存に要する費用に対する支援の拡充につい
て
国・県指定文化財の保護・保存には、多額の事業費が掛かるた
め、国・県からの事業費補助は不可欠です。しかし、現在のとこ
ろ、県の要綱に定めがあっても県からの補助が無いか、縮小傾向
にある状態です。
例えば、県の要綱では、県指定文化財を保存整備する場合には
対象事業費の50%以内、国指定文化財の場合には同25%以内
の補助金が交付できることになっています。これに対し、国の史
跡である新御殿跡(真田邸)や県宝の旧前島家住宅の保存整備事
業などでは、県の補助金はありませんでした。また、国の史跡で
ある大室古墳群の保存整備事業では5%の補助金を頂いています
が、来年度は4%になると聞いています。
このままでは、文化財の保護・保存に重大な影響を及ぼしかね
ません。県として応分の財政支援をしていただきたいと考えてい
ます。
(9)冬季競技国際大会、全国大会などの誘致・開催に伴う県の財
政支援について
これまで市内では、長野オリンピック記念基金からの助成を受
けて、冬季競技大会やオリンピック記念イベントなどが開催され
てきましたが、昨年度をもってこの助成は終了となりました。こ
のことに伴い、市では「長野市冬季競技振興基金(愛称:ながの
夢応援基金)」を創設し、今後も市内の各種大会や選手育成など
へ助成していきたいと考えています。
ただし、大規模な国際大会などについては、県からの支援がな
ければ誘致・開催することは困難です。オリンピック開催以前は、
県の支援を頂いてきた経過もありますので、今後も同様に、県の
財政支援を頂きたいと考えています。
(10)市町村の消防の広域化について
県が策定した「長野県消防広域化推進計画」では、東北信・中
南信の2ブロック体制で消防組織を広域化することを目指してい
ますが、現在、このような単位の行政組織はありません。円滑に
広域化するためには、なじみのない2ブロック制ではなく、東・
北・中・南信の4ブロック制が望ましいと考えています。また、
北信ブロックで広域化する場合には、事務委託方式とすることが
妥当だと考えています。
協議をしている北信ブロックでの結論は出ていませんが、ご支
援とご理解をお願いしました。
私から説明させていただいた事項は以上です。このほか、県議会
議員の皆さんには、その他の課題として次の7項目についても資料
でお示しさせていただきました。
(1)長野以北並行在来線問題について
(2)市町村合併に対する県の姿勢について
(3)長野県森林づくり県民税について
(4)中山間地域活性化のための取り組みについて
(5)東外環状線の4車線化および五輪大橋の無料化について
(6)県道塩崎バイパス全線の早期供用開始について
(7)県営水道の市町への移管について
懇談会では、議員さんから積極的なご意見なども頂けましたので、
ご説明した課題については、おおむねご理解いただけたものと感じ
ています。今後も、必要に応じて機会をとらえ、本市の考え方、現
場の声を県政に伝えていきたいと考えています。