2011年7月14日木曜日

信州ダービーと雑感


 7月3日、南長野運動公園総合球技場で、JFL(日本フットボ
ールリーグ)の長野県内チーム同士の対戦、いわゆる“信州ダービ
ー”が開催されました。AC長野パルセイロと松本山雅FCの対戦
は、1対1の引き分けでした。
 悔しいです。試合経過からすれば、長野パルセイロは、絶対に勝
たなければいけない試合でした。前半からリードしていて、終了間
際に同点にされての引き分けでした。悔しい!

 4月に松本市のアルウィンで行われた信州ダービーも、終了間際
に1点入れられて、この試合は負けてしまいました。今回と同じよ
うな内容です。最後の詰めが甘いと言えばそれまででしょうが・・
・。
 しかし、これがサッカーであり、現在の長野パルセイロの実力と
言えるのかなあ、とも感じました。

 ただ、12試合を終えた段階で、長野パルセイロの選手が受けた
イエローカードは12枚(レッドカードはなし)。7月10日の栃
木ウーヴァFC戦では、4枚ものイエローカードを受けてしまった
ようですが、それでも1試合平均1枚という数は、JFL全18チ
ームの中でもかなり少ない方だと聞いており、誇りに思っています。

 まだ、北信越リーグ時代のことですが、ある試合で、長野パルセ
イロの選手がわざと怠慢なプレーをして(私にはそう見えたのです)
2枚目のイエローカードを受け、退場になったことがありました。
私は非常に怒ったことを記憶していますが、後になって、うそか本
当かは分かりませんが、こんなうわさ話を聞きました。あれは一つ
の作戦。イエローカードの累積で、大切な試合に出場できなくなる
恐れがあるので、イエローカードを清算するためにわざと退場処分
を受けたというのです。あぜんとしました!サッカーにはそんな戦
略があるのかと・・・。選手層が薄く、戦略としては仕方ないこと
なのかと当時思いましたが、何かすっきりしないというのが正直な
気持ちでした。

 「勝つためには反則も仕方がない、それは当然だ」・・・それは
そうかもしれません。しかし私は、選手の皆さんにも、サポーター
の皆さんにも、正々堂々、そして爽やかに戦ってほしいと願ってい
ます。

 今、長野パルセイロはJリーグ昇格を目指して戦っています。も
ちろん、昇格を果たさなくてはいけません。
 そのためにはいくつかのハードルがあることは6月23日付けの
メルマガでも書かせていただきましたし、その中でも一番高いハー
ドルが、Jリーグ仕様のサッカースタジアムであることは、皆さん
ご存じのとおりです。Jリーグ仕様のスタジアムを造ろうという署
名活動も始まっているようです。

 もう一つの高いハードルは、観客動員数です。ホームゲームの1
試合平均3,000人以上というのが条件です。この点では、松本
山雅にかなわないなあと感じています。確かに、松本市のアルウィ
ンの観客収容数は2万人。これに対し南長野運動公園総合球技場は
4,000人ですので、単純には比較できませんが・・・。信州ダ
ービーの観客動員数を比較すると、今回の長野市開催では
3,849人、前回の松本市開催では1万1,663人。これまで
の両チームの平均観客動員数を見ても、長野パルセイロが
2,307人。松本山雅が6,876人。この差は大きいですよね。
    
 先日、職員に、南長野運動公園総合球技場をJリーグ仕様のスタ
ジアムに改築することは可能なのか。そして、どのくらい費用が掛
かるか、概算で調べてもらったところ、約70億円掛かるとの話。
最低でも50億円ぐらいは掛かりそうです。
 行政が改築の全てを行うとすれば、長野市の大規模事業として計
画しなくてはなりません・・・ただ、それを市民合意の下に実施す
るには、なかなか大変だなあ!というのが実感です。民間資金をど
のくらい活用できるか・・・その枠組みをどうするか、工夫を要す
るところです。

 場所の問題もあります。南長野運動公園で1万5,000人分の
観客席を持つJリーグ仕様のスタジアムを造ろうとすると、既存の
施設との間隔がちょっと狭いのですが、ぎりぎり可能です。しかし、
駐車場が全然足りません。

 先日、長野陸上競技協会から、長野運動公園の陸上競技場の老朽
化が著しいので改築してほしいとの要望がありました。この競技場
は昭和51年の全国高校総体の時に建設したもので、確かに耐震化
も行っていないし、古くて使い勝手が悪い。いずれは改築する必要
があると感じています。
 今年、トラックだけは約1億5,000万円を掛けて、アンツー
カーを張り替え、世界陸上競技連盟公認規格である「クラス2」の
認定を受けました。しかし、スタンドには手を加えていませんので、
古くなったままです。

 そこで、私的な意見と断った上で、要望された皆さんに、サッカ
ー場と共用で使える方法がないか考えてほしい・・・とお話ししま
した。それが可能であれば、総合的な競技施設としての利用度も高
まり、市民の皆さんへの説明もしやすくなるかなと感じたところで
す。

 長野市民は、門前町の特徴でしょうか、みんな優しく、礼儀正し
い。そして、外から来られる人に対するおもてなしの心を持ってい
ると思います。それはそれで大変素晴らしいことですが、もっと元
気を出して、自らが主役になるように考えることが必要だと思いま
す。

 戦国の昔、長野市のこの地で川中島合戦がありましたが、主役は
越後の上杉氏と甲斐の武田氏で、長野市は川中島を戦場として「場
所貸し」しただけと感じています。長野冬季オリンピックだって、
市民みんなが素晴らしいおもてなしをして、長野市にお越しいただ
いた皆さんが喜んでくださいましたが、長野市出身の選手が活躍し
てはいません。皮肉な言い方ですが、テニスの国際大会で有名なイ
ギリスのウィンブルドンも、最近では特に地元の選手が活躍してい
るということはなく、場所貸しという点では似ています。

 確かに、スポーツは文化です。文化を育てるためには、気の遠く
なるほどの時間、そしてお金が必要です。先日、松代のまちづくり
を今後どう進めるかいろいろ議論したのですが、私は松代のまちづ
くりは100年かかる仕事であると考えています。スポーツ文化が
育つにはどのくらいの時間が必要なのか・・・いずれにしても、根
気のいる仕事だと思っています。

 ぜひ、長野市から世界に通用する、そして世界で活躍するスポー
ツ選手、芸術家、音楽家・・・長野市民が熱狂的に応援する(でき
る)人物を大勢輩出したいものです。