7月のイメージは・・・暑い!! 氷水、アイスキャンデー、水
泳、真っ黒に日焼け、汗ダラダラ、麦わら帽子、夏休み、そして宿
題に追われて・・・。
子どもの頃の夏のイメージはこんな感じ。いずれにしても、元気
なイメージでした。
社会人になってからしばらくの間は、暑い日が続く時、扇風機の
お世話になった記憶がありますが・・・いつの頃からか、次第に冷
房の効いた部屋での仕事や自動車での移動が増え、そのことに慣ら
されてしまって、冷房設備が当たり前になってしまいました。
近頃は、日焼けも肌に良くないと聞きます。皆さんも真っ黒に日
焼けすることを避けるようになりましたよね。私も右へ倣えで、ス
キーに行く時も日焼け止めを塗るようになりました(そんなことを
言いながらも、3日の信州ダービー、対松本山雅FC戦で、AC長
野パルセイロの応援に夢中になり、気が付いたら真っ赤に日焼けし
てしまいました。油断は禁物です)。
6月市議会定例会の一般質問では、今回の震災を受けて、防災関
係のほかに、節電の話題もたくさんありました。長野市としても、
最大限の節電に取り組み、市内企業にもお願いしているのですが、
びっくりしたことが一つあります。
先週のメルマガでも少し触れましたが、節電のために事務室内の
冷房の設定温度を28度にするというのは当たり前ですし、昔は冷
房なんてなく、暑い中で汗をかきかき仕事をしていたわけです。今
回のような非常時は、設定温度を29度や30度にしても・・・極
端な話、冷房なんて切ってもよいではないかと私は庁内で主張した
のです。
ところが、それはできないと言われてしまいました。その理由は、
市役所本庁舎のように延べ床面積が3,000平方メートル以上あ
る事業所の場合には、「建築物における衛生的環境の確保に関する
法律」(通称ビル管理法)とその施行令によって、室内温度が
「17度以上28度以下」になるよう維持管理しなくてはならない
という義務規定があるそうです。また、3,000平方メートル未
満であっても、労働安全衛生法に基づく「事務所衛生基準規則」に
より、「17度以上28度以下」となるよう努めなくてはならない、
つまり努力規定があるのだそうです。
これにはびっくりしました。28度設定というのは知っていまし
たが、29度なら節電になって、環境のためには良いと思っていま
した。
この他、法律では、温度だけでなく、湿度や空気の流量などの規
制もかかっているようです。
この規定でいうと、空調設備のない事務所は使用禁止なのでしょ
うか。窓を開けて、風を入れて仕事をするのは、できないというこ
とでしょうか(どうやら、空調設備のない事務所は、この規定が適
用されないということで、使用禁止というわけではないようです)。
個人の生活まで規制するわけではないのでしょうが?夏は、窓や
戸を開け放し、蚊やハエが飛んできて煩わしかったりするため、網
戸や蚊取り線香のお世話になっている家庭も多いと思うのですが・
・・。
その後、冷房の設定温度が28度までではなく、29度にしても
よいという情報が伝わってきて、少し混乱しました。実はこの情報
の発信元は厚生労働省で、その趣旨は、「もし事業所の中で、省エ
ネルギーを重視し、設定温度を29度とした場合(罰則規定はなし)
は、熱中症のリスクが高くなるので十分気を付けてください」とい
うものでした。ですから、規定はあくまでも28度ということです。
いずれにしても、市役所には大勢の市民の皆さんがお越しになり、
その中には体調のすぐれない人もおられます。法律を順守し、適正
な温度を保つことは大切なことだと思っています。
庁内の昼休みを1時間遅らせて午後1時から2時にする。必要な
照度は確保しながら室内照明を可能な限り落とす。残業を減らす。
会議は可能な限り午前中に行う。市の部課長を動員して市内企業や
団体に節電のお願いをする。市議会からの申し入れで、8月に開会
する市議会定例会の一般質問の日は、朝7時に開始して午後1時ま
でに終わらせる。庁内の空調をきめ細かにオン・オフを繰り返し、
節電する・・・考えられることは全て実行しています。そういえば、
高校野球の夏の甲子園大会決勝戦は、午前9時30分に開始するこ
とになったそうです。
いずれにしても、「長野から節電の風を吹かせよう」と取り組ん
でいるところです。
東日本大震災発生直後、長野市は、国からの要請もあり、迅速に
被災地支援を行いました。
現在は、行政事務職員の現地派遣と長野市へ避難してこられた皆
さんの受け入れ支援を行っています。7月5日時点で68世帯
229人が長野市で生活をされています。特に、原発事故により避
難されてくる皆さんが急増しています。
避難してくる世帯の事情はさまざまです。例えば、ご主人だけ福
島県に残り、奥さんと子どもで避難してくる世帯、一家全員で避難
してくる世帯。最近では、子どもの夏休み期間だけ福島県から離れ
たいと希望される皆さんの問い合わせが多数寄せられているため、
7月24日から8月27日までの間、日帰り入浴施設「保科温泉」
を無料開放し、夏休み中の短期受け入れを行うことにしました。7
月4日から受け付けを開始しましたが、初日に30世帯から申し込
みがありました。また、就労支援の一助になればと、避難されてき
ている皆さんを同施設の運営スタッフとして雇用する計画です。
私的な事で申し訳ありませんが、昨年、わが家でも、国や市の補
助を頂いて、太陽光発電の設備を設置しました。購入資金は妻の管
轄ですので正確には知りませんが、300万円以上とのことで、妻
に文句を言われました。
1年経過してみて数字を確認してみると、電力自給率は40%以
上(発電量÷消費量)で、なかなかのパワーだと感じています。天
気の良い日は、消費量を上回る発電量があって、帰宅して計測モニ
ターを見るのがとても楽しみです。
国の電力全量買い取り制度が進まず、発電量のうち家庭で使った
分は直接電気料金から差し引いて、使わずに余った分だけの買い取
りしか現段階では実現していませんが、それでも結構楽しめます。
そういえば、かなり前(平成18年3月)ですが、共和小学校を
移転新築した時、長野市の市有施設で初めて太陽光発電設備を設置
しました。屋根の上の太陽光発電パネルや室内に設置した計測モニ
ターを見て、なるほどと思いました。しかし、自分の家に付けると、
関心は格段に変わります。
「見える化」が大切なのだとよく言われますが、確かにそうです
ね。「ああ!今日は化石燃料を使わずに、太陽光だけで賄ったのだ
・・・」楽しいし、うれしいものです。
太陽光による発電量だけでなく、長野市全体のエネルギー使用量
を計測して、トイーゴ広場の電光掲示板などに一日単位で表示でき
れば分かりやすいし、「見える化」の最たるものになるのではと思
っています。ちなみに、市役所本庁舎についても、節電結果をホー
ムページに掲載し、「見える化」を図っています。
6月末は、企業の株主総会のシーズンです。電力会社の総会も開
かれ、原発からの撤退をめぐってかなり紛糾したようです。結局、
総会議決では、株主からの脱原発案は、提案があった6社の全てで
否決されましたが、これには考えさせられました。
長野県には、原子力発電所はありません。その代わりということ
でもありませんが、水力発電所がたくさんあり、昔から電力供給に
は貢献してきたと思います(昭和40~50年代の話)。
その後、原発の建設も進んで、今では他県から供給される電力の
方が多くなっているようです。浜岡原発停止による影響がこれだけ
大きいことを考えると、これまで原子力発電にどれだけ頼っていた
かが分かります。
長野県には、原発事故による直接的な被害はないと思います。長
野市に一番近い新潟県の柏崎刈羽原発でさえ80キロメートル離れ
ていますから・・・ただし、風向きによっては・・・。
株主総会の議論を新聞報道などで知る限り、長野県は幸せだなあ
という思いと同時に、他県の皆さんに申し訳ないという思いに駆ら
れました。
原発反対と言うのは自由です。しかし、47都道府県の約3分の
1の道県には原発があり、運転再開について、今苦渋の決断を迫ら
れている。佐賀県の玄海原発もその一つです。古川佐賀県知事は、
以前長野県の企画課長と地方課長を歴任され大活躍された方ですが
(当時、「Hamidas(ハミダス)」という長野県にまつわる
話題を集めた本を出版されました)、今、テレビで見る顔は、あの
頃のニコニコ顔とはいかないようで心配しています。
いずれにしても、原発を持たない長野県としては、各道県が苦渋
の末に出された結論に対して、批判することは許されないと思うの
です。逆に、原発を再開するにしても、しないにしても、今後解決
しなければならないさまざまな課題があるのでしょうから、原発を
持たない県として何かお手伝いすることを考えなくてはならない。
そんな気持ちになっています。