2012年1月26日木曜日

冬の魅力、スケートとスキーの話題


 冬の長野市の魅力を一層高めるのはウインタースポーツです。そ
の代表格は、スケートとスキーではないでしょうか。今回のかじと
り通信は、シーズンまっただ中のスケートとスキーの話題です。

 まずは、スケートの話題として、世界トップレベルのスピードス
ケート競技施設エムウェーブを運営する株式会社エムウェーブにつ
いてです。
 昨年6月に土橋文行社長が急逝されてから6カ月間、空席であっ
た同社社長に、1月12日、土屋龍一郎氏が就任しました。土屋氏
は、就任直前まで臨床検査業の株式会社ツチヤ・エンタプライズ
(1月1日に社名を株式会社北信臨床に変更)の社長などを務めて
いました。長野冬季オリンピックが開催された1998(平成10)
年に長野青年会議所理事長、2001(平成13)年には日本青年
会議所のトップである会頭を務めたという経歴の持ち主です。

 就任当日開いたエムウェーブでの記者会見には、私も株式会社エ
ムウェーブの会長として同席しました。記者会見の中で土屋社長は、
スケート入館者の一層の増加を目指すことはもとより、「スタンド
席だけでも1万人を収容できる、これだけの大規模施設は周辺自治
体にはない。スケート場として利用しないグリーンシーズンは、イ
ベントホールとしての活用を促進し、各種イベント、コンサートの
一層の誘致を図りたい」と話していました。また、長野冬季オリン
ピックの時に、ボランティアとして活動し、「その時の経験が人生
を変えた」とも話しています。
 長野冬季オリンピックの象徴でもあるエムウェーブの将来を熱く
語り、また時には、「スケートなら、男女が仲良く手をつないで滑
れる」と記者団の笑いを誘うなど、さまざまな場で豊富な経験を積
んでいるなあと感じました。

 株式会社エムウェーブは、ビッグハットと若里市民文化ホールの
指定管理者でもあり、かなり広範囲に経営を手掛けています。また、
長野市で構想を進めている自然エネルギー発電施設や体験エリアの
ある「次世代エネルギーパーク」の整備についても、今後一緒に検
討を行っていきます。
 経営者として長年培われた手腕と、青年会議所時代の国内、海外
の人脈、そして何よりも50歳という若さを最大限に生かして活躍
してほしいと大いに期待しています。

 エムウェーブでは、1月28日から「全国中学校スケート大会」
のスピードスケート競技が開催されます。この大会は、2007
(平成19)年から10年間、毎年長野市で開催することが決定し
ているもので、今年が5年目となります。
 エムウェーブでのスピードスケート競技のほか、ビッグハットで
もフィギュアスケート競技が行われます。過去には、オリンピック
選手の小平奈緒さんや浅田真央さんなども活躍した大会ですので、
トップスケーターを目指す選手たちの応援に、一人でも多くの皆さ
んにお出掛けいただきたいと思います。
 また、エムウェーブは、文部科学省から「ナショナルトレーニン
グセンター競技別強化拠点」に指定されていますので、世界大会や
全日本の大会などで活躍している第一線の選手が練習する、大事な
アイスリンクにもなっています。

 次は、スキーの話題です。
 皆さんもご存じのとおり、今年は、長野県にスキーが伝来してち
ょうど100年です。
 1911(明治44)年、新潟県高田町(現上越市)でオースト
リアのレルヒ少佐により日本に初めて伝えられたスキーが、翌年、
現在の飯山市に伝わったのが始まりのようです。その後、スキーは
冬のスポーツ、レジャーとして発展し、1990(平成2)年ごろ
はバブル景気にも乗り、大ブームとなりました。1998(平成
10)年の長野冬季オリンピックが開催されたのも、スキー文化が
醸成されていたからだと思います。

 しかし、その後スキー人口は、1992(平成4)年をピークに
減少の一途をたどり、昨シーズンの県内のスキー場利用者数は、ピ
ーク時の約3割の663万人、県内のスキー場数もピーク時の8割
の88カ所にまで激減してしまいました。週末ともなると、市内の
道路がスキーを積んだ自動車で渋滞し、スキー場では20~30分
のリフト待ちが当たり前であった時代がうそのようです。このまま
では、冬季スポーツ、そしてスキー関連産業が衰退してしまいます。
どうにかこの危機的状況を食い止め、新たなスキー市場の創出に着
手しようと、今回の100周年を機に、各スキー場や行政では、あ
の手この手で誘客への取り組みを行っています。

 まず、長野県は、昨年9月に「スノーリゾート信州」プロモーシ
ョン委員会を設立し、全県を挙げた事業展開を目指しています。事
業の大きな柱は2つで、一つとしては、「子どもたちを中心とする
スノースポーツ人口の創出」です。県内小・中学校でのスキー教室
の増加、優待企画である信州スノーキッズ倶楽部(くらぶ)の会員
募集、競技選手の育成を目指す「SWANプロジェクト」などを挙
げています。二つとしては、「県内スキー場の利用者拡大に向けた
プロモーションの強化」です。学生を含めた若者層、ファミリー層、
シニア層、そして面白いのが休眠層(以前スキーをしていた人たち)
をターゲットとした、インターネットによる情報の充実、レンタル
用品の質の向上、そして「食」の充実を挙げています。

 これに加え、「インバウンドの取り組み」として、海外(特に中
国)からの誘客、留学生による情報発信などがあります。実は一昨
年、市内にお住まいの外国籍の皆さんと戸隠スキー場でスキー・ス
ノーボードを体験して、冬の長野市の観光をテーマに意見交換をす
る国際交流市民会議を開催しました。その時、信州大学工学部に在
学する中国からの留学生も参加されていて、市内留学生とタイアッ
プして海外からスキー客を誘致する企画はないかという話題になっ
たことを覚えています。同大学工学部だけでも約100人の留学生
がいるそうです。若い留学生によるブログやフェイスブックによる
情報発信策は、これからかなり期待できるのかなあと思っています。

 市内スキー場でも100周年企画を考えています。
 最近よく「女子会」なるものを耳にしますが、戸隠スキー場では、
女性客を対象にリフト券の割引などの特典が付く「女子会プロジェ
クト」を昨シーズンから実施しています。2月4日にはビーチバレ
ー選手の浅尾美和さんを招いて雪上バレーボール大会も予定してお
り、アクティブな女性の皆さんによるにぎわいの創出を目指してい
ます。
 また、市内の戸隠スキー場、飯綱高原スキー場と、近隣のいいづ
なリゾートスキー場、黒姫高原スノーパーク、YAMABOKUワ
イルドスノーパークが連携して、プレゼントが当たるポイントラリ
ーを実施しています。

 さらに、誘客に向けた取り組みの一つとして、2月4日から1カ
月間、市街地や松代のホテルなどの宿泊者を対象に、宿泊施設と戸
隠スキー場・飯綱高原スキー場とを結ぶ無料シャトルバスが初めて
運行されます。今シーズンは1日1往復ですが、「スキー場へはシ
ャトルバスで楽々移動。アフタースキーはまち歩きが楽しめる」と
好評となり、誘客強化につながればと思います。

 やはり、雇用の確保・創出といった点からも、長野市にとってス
キーは大変重要な産業です。スキー復活は、重要なテーマなのです。
これから100年先も、子どもから若者、そしてシニアといった全
ての年齢層の人にスキーが愛され続けることを願っています。
 余談ですが、当時のスキーブームの火付け役ともなった「私をス
キーに連れてって」のような映画、どなたか作っていただけません
か。もう一つ挙げれば、映画「黒い稲妻」のトニー・ザイラーも素
晴らしかったですよね(休眠層の皆さんから、賛同の拍手が聞こえ
てきそうです・・・)。
 スケートやスキーは、冬場の体力づくりはもとより、家族や友人
と出掛ければ、絆も深まります。寒さに負けず、皆さんもウインタ
ースポーツを楽しみましょう。 
      

2012年1月19日木曜日

総務大臣と中核市市長との懇談会


 1月10日、東京で開催された「総務大臣と中核市市長との懇談
会」に出席しました。
 この懇談会は、中核市(人口30万人以上が指定要件。現在は全
国に41市あります)が直面する諸課題について、総務大臣と中核
市市長が直接意見交換をする場で、平成9年に始まり、今回で13
回目となります。

 懇談会では、今回参加した17市の各市長の意見を「地方制度」
「復旧復興・防災」「地方税財政」の3つのテーマに分け、市長が
各市の現状を踏まえた課題や提言などを発言し、それについて意見
交換を行いました。
 私は、「地方制度」の中で、「地方自治が発展するための改革に
ついて」と題して、3つの内容について発言しました。

(1)サービス競争の解消について
 社会保障給付サービスの適正水準は、国がその責任において確保
すべきですが、実態としては、地方自治体間で過度なサービス競争
を引き起こしていると感じています。「国と地方の役割分担をきち
んとして、社会保障関係予算のこれ以上の膨張を抑えないとどうに
もならない」と申し上げました。

 現在、地方自治体が担っている社会保障給付サービスの中で、例
えば、子どもへの福祉医療費給付は、少子化対策・子育て支援の役
割も担うものとして、近年、対象年齢の拡大に対するニーズが非常
に高くなってきています。そのため、地方自治体の判断により対象
年齢を引き上げるなどの独自政策が加えられています。対象年齢の
引き上げは、子育て家庭の経済的負担の軽減につながりますが、引
き上げに伴う経費は地方自治体の負担となります。このため、競っ
てこうしたサービスを上乗せすることは、地方自治体の財政に大き
な影響を与えるとともに、地方自治体間での不公平を生じさせる結
果となっています。誰が責任を持って取り組む施策なのか、国なの
か、地方自治体なのか、そして、国民を含めた負担割合をどのよう
にするのか、本来確立されるべきことが確立されていない。国は、
適正な基準、そして地方との役割分担を明確にすべきだと考えてい
ます。このことについては、昨年11月に和歌山市で開催された中
核市サミットでも主張しました。

(2)予算単年度主義の弊害の解消について
 地方自治体が複数年度にわたる大規模事業を計画的に推進するた
めには、国の補助金を含めて安定した財源の確保が必要です。しか
し、近年、事業の2年目以降の補助金交付額が、要望額を大幅に下
回ることがあります。そのため、既に決定している地方自治体の計
画が、円滑に推進できるよう、「国は基金を造成するなどして、必
要な補助金の総額を確保し、翌年度以降も安定した補助金を交付で
きる仕組みを構築すべき」と申し上げました。

 これは、国の補助金が単年度ごとに交付決定されるために起こる
問題であり、交付額が要望額を下回った場合、地方自治体は、事業
期間を延長したり、補助金の不足分を自主財源へ振り替えたりする
などの対応をしなければなりません。このような事案が近年特に多
く見られることから発言したものです。

(3)選挙制度について
 長野市は、平成17年と22年の合併により市域が拡大し、市域
面積の約4分の3が中山間地域になり、そこに人口の約10%が住
んでいる状況です。昨年9月の市議会議員一般選挙の結果を見ても、
こうした地域からは議員が選出されにくいため、「許容される1票
の格差などの基準を示し、複数選挙区を設けやすくする、あるいは
選挙区選出議員と市全域の選出議員の並立制導入を可能にするなど
の柔軟な選挙制度が必要である」と申し上げました。

 長野市は、自分たちの地域は自分たちでつくるという都市内分権
の理念の下で住民自治を進めていますが、中山間地域から議員が選
出されにくい状況で、そこに住む皆さんの声をどう市政に反映させ
ていくか、頭を悩ませている問題です。
 選挙制度を柔軟にし、地方自治体自らが、市議会議員選挙のある
べき姿を議論することは、自らの地域をより深く考えることにもな
ります。各地方自治体の特色に対応した市議会議員選挙制度が構築
できれば、より一層地方自治が進むのではないでしょうか。
 
 なお、平成23年度に創設され、国庫補助金の一部を交付金化す
る「地域自主戦略交付金」については、高松市長さんから発言があ
りましたので、私からは申し上げませんでした。道路や河川整備と
いったまちづくりのための補助金を交付金化することを一層進める
とともに、都道府県と政令指定都市に限られている対象を中核市に
まで拡大してほしいと考えています。
 「ひも付き補助金」を段階的に廃止し、地域の自主裁量を拡大す
るとともに、交付団体を拡大することにより、自由度が高まり、地
方のことは地方で決めるという地方分権が、さらに進むものと考え
ています。

 こうした発言に対する総務省の見解として、選挙制度については、
「行政制度であるとともに政治制度でもあるため、各政党での議論
が必要になってくる。市全域から選出される議員、選挙区から選出
される議員という並立制度は、これまで議論されてこなかったこと
もあり、今後の研究課題としたい。また、現在の選挙制度では、選
挙区は市町村の条例でつくることはできるが、選挙区をつくった場
合には、衆議院・参議院議員選挙と同じように1票の格差という問
題が、憲法上の要請として出てくる。こうしたことも踏まえた議論
が必要」といった内容でした。
 なお、予算単年度主義の弊害の解消やサービス競争の解消につい
ては、あらためて問題の共通認識をしていただけたと思っています。

 また、懇談の締めくくりに福田総務大臣政務官から、「自分たち
の地域において税財源を確保することが大切であり、そのためには
地域活性化が必要」と切り出され、昨年創設された総合特区制度に
ついて話がありました。これは従来の構造改革特区制度とは異なる
もので、「規制の特例」だけでなく、「税制・財政・金融上の支援
措置」など強力な支援を行うもので、先月には全国33カ所の指定
地域が決定したということです。約2,100億円の支援により、
新たな産業の創出や雇用促進に伴う内需が拡大し、5年後には約9
兆1,000億円の経済効果を見込んでいる。この特区を全国的に
展開することで、日本の産業構造の転換が進み、デフレ脱却の道筋
を描くことができるとの内容でした。

 以上、私が発言した内容を中心にお話ししました。いずれにして
も、各市には、さまざまな課題があり、数多くの意見・要望が出さ
れました。しかし、これだけの内容を話し合うのにもかかわらず、
会議時間は1時間45分、また各市長の発言時間が2分では、十分
な意見交換には至りませんでした。サービス競争の解消についても
っと意見を聴きたかったというのが正直な感想です。国としては、
各地方自治体がさまざまな背景から判断し決めたことに対しては、
口出しできないという事情もあると思いますが・・・。消化不良と
いうか、ちょっと残念でした。
 また、今回参加した中核市は、41市中、半分にも満たない17
市。各市長さんも多忙を極めているとは思いますが、1年に1回の
ことですから、できればもっと多くの市長さんに参加していただけ
ればと思います。そう言う私も毎年は参加できてはいないのですが
・・・。そして、もっと議論が深まるような工夫をすることで、地
方の元気につながる懇談会になることを期待しています。 

2012年1月12日木曜日

新たな年の幕開けです


 「とにかく今年は、明るく元気な年であってほしい」。新しい年
がスタートし、職員を前にした仕事始め式やお招きいただいている
各種団体の新年会などのあいさつの中で、願いを込めて話していま
す。ちょうど今年は辰(たつ)年。私の干支(えと)でもあります
(実は6回目の年男です)。まさに昇り龍のごとく、活力あふれる
年になってほしいと切に願います。

 連日、新年のあいさつに多くのお客さんにお越しいただいていま
す。十分な時間が取れず、大変申し訳ないなあと思っていますが、
各分野の皆さんといろいろな情報を交換できる貴重な場であり、新
年の抱負を語り合いながら、元気を頂いています。どうしても時間
が合わず、お会いできない皆さんもいらっしゃいますが、分刻みの
スケジュールで対応させていただいています。
 
 1月7日に行われた消防出初め式も、私に元気を与えてくれまし
た。出初め式は、市民の皆さんの生命と財産を守る誓いを新たにす
る消防の大切な新年行事の一つです。午前9時、厳しい寒さの中、
消防局職員、消防団員、自主防災組織、日赤奉仕団、その他消防関
係者など約1,000人が若里のホクト文化ホール北側の駐車場に
集結しました。開始を告げる大きな掛け声の後、次々に人員報告が
あり、隊列を整え、開始式を行いました。その後、消防団音楽隊の
軽快な演奏に合わせ、同ホール敷地内を一糸乱れぬほどの隊列を組
んで行進しました。私は、正面玄関前で、市長観閲として式台の上
から各隊の敬礼に答礼しながら拝見しました。朝のきりりとした空
気の中、会場に響き渡る大きな号令、きびきびとした動き、そして
何よりも参加された皆さんの真剣な表情に、気が引き締まる思いで
した。一服の清涼剤であり、活力が湧き起こるのを感じました。

 その後、長野市消防団の長野第七分団の消防出初め式にも参加し
ました。同分団が、私が住む上松地区を管轄しているということで、
毎年出初め式にお呼びいただいています。分団員の皆さんは、多忙
な生業の傍ら、災害から地域を守る消防精神と強い責任感を持って
献身的に活動されています。消防訓練はもとより、防火広報・啓発
活動、そしてポンプ操法大会に向けた訓練も行われているというこ
とで、本当に頭の下がる思いです。近年、消防団員のなり手がいな
いといった悲痛な悩みを、地区や消防関係者の皆さんから聞いてい
るからなおさらです。こうした中、来賓として一緒に参加された県
議会議員の西沢正隆さんが、昨年同分団に新規加入されたというこ
とをあいさつの中で知りました。県議会の一翼を担う西沢さんも多
忙を極めているわけですが、そのような中、加入されたということ
は本当に素晴らしいことだと思います。全ての消防団員の皆さんに、
地域の防災リーダーとして、また地域コミュニティーの核としてご
活躍いただきたいとエールを送ります。

 その日の夕方、長野運動公園総合体育館で開催されたプロバスケ
ットボールbjリーグの信州ブレイブウォリアーズ対岩手ビッグブ
ルズ戦を観戦しました。長野市で初めての開催ということで、開催
市の市長としてのあいさつと始球式にお呼びいただいたものです。
バスケットボールの試合を見るのは初めてで、ましてや始球式を一
体どのようにやるのかと思っていましたら、ボールを真上に高く投
げ上げてくださいとのこと。何てことはないとコートの中央に進む
と、見上げるような長身の両チーム代表の選手が対峙(たいじ)す
る真ん中に挟まれての始球式。肩身の狭いような、何とも言えない
感じでした。
 別の公務がありましたので、20分ぐらいしか観戦できませんで
したが、会場は満員のお客さん(1,546人)で、リズム感のあ
ふれる音楽に乗っての応援で盛り上がっていました。試合は、75
対64で信州ブレイブウォリアーズの逆転勝ち。サッカーのAC長
野パルセイロ、野球の信濃グランセローズに加え、市民の皆さんを
元気にする新たなスポーツが増えましたね。

 元気な話題の最後は、大好きなスキーの話です。
 今シーズンは正月前に待望の雪が降り、各地のスキー場はほぼ順
調にシーズンインしたようです。私のホームゲレンデでもある戸隠
スキー場も正月三が日ごろまでは、まだまだ十分な積雪ではありま
せんでしたが、ようやくここにきて積雪が1メートルを超え、ほっ
と一息。休日も仕事がどんどん入ってきて、なかなかスキーに行け
る日を確保するのは難しいのですが、「半日でもいいから、どこか
スケジュールが空かないかなあ」と狙っています。
 戸隠スキー場もさることながら、市街地から一番近く、家族連れ
に人気の飯綱高原スキー場では、今シーズン新たに「動く歩道」
(全長約40メートルのコンベヤー式登坂装置)を設置し、そり遊
びを中心としたキッズパークを開設しました。「子どもとそり遊び
するのは楽しいけれど、登るのが大変で・・・」といった問題はこ
れで解決です。お越しいただいた皆さんにもかなり好評のようです。
ぜひ、お子さんを連れて家族おそろいでお出掛けください。

 また、皆さんもご存じのとおり、今年は長野県にスキーが伝来し
てちょうど100年です。県内各スキー場では、いろいろなイベン
トを用意して、お客さんをお待ちしているようです。近いうちに、
「スキー伝来100周年」について、かじとり通信で書きたいなあ
と思っています。

 今、社会は混迷を深め、苦難の時代とも言えると思います。しか
し、振り返ると、いつの時代にあっても、その時々のさまざまな課
題があり、それを克服しながら発展を遂げてきました。悲しいこと
やつらいことがあるのは当然。そうした苦難をみんなの英知で乗り
越えてこそ、明るい未来はあるのだと信じています。
 今年はみんなで明るく元気な年にしていきましょう。 

2012年1月5日木曜日

長野市の初夢


 初夢は、「かなえば良いなあ!」というものなのか、「ぜひ、か
なえよう!」というものなのかよく分かりませんが、初夢ですから、
大風呂敷を広げてみようと思います。

 まず、着実に進めたいのは、長野市の8つの大規模プロジェクト
です。
(1)市役所第一庁舎建設事業
(2)長野市民会館建設事業
(3)斎場新設事業
(4)ごみ処理施設広域負担金
(5)ごみ焼却施設周辺整備事業
(6)長野駅善光寺口駅前広場整備事業
(7)長野駅周辺第二土地区画整理事業
(8)小・中学校耐震化事業

 これらは、既に発表しているもので、現時点での総事業費は約
1,660億円です。平成23年度末までの執行見込み額は約
830億円ですから、事業費で見ると全体のちょうど半分が実施済
みということになります。執行見込み額のうち、(7)長野駅周辺
第二土地区画整理事業が約660億円、(8)小・中学校耐震化事
業が約160億円で、そのほとんどを占めています。
 ちなみに、(1)から(6)までの事業は、来年度以降本格的に
実施されるものです。いずれの事業も広く市民の皆さんにご理解い
ただいており、毎年度公表させていただいている財政推計に見込ん
でいる事業ですから、着実に実施していきます。

 夢は膨らみます。次に挙げるものは、これから構想を練り、事業
実施がそもそも可能なのかどうか、FS(*)を検討する必要があ
る事業です。やらざるを得ないなあと思うくらい具体的に話が進ん
でいるものと、本当にまだ構想段階のものが入り交じっています。
少し説明を加えてご紹介します。

(9)Jリーグ基準のサッカースタジアムの整備
 皆さんご存じのとおり、JFL(日本フットボールリーグ)加入
1年目にして準優勝したAC長野パルセイロにとって、J2に昇格
するための条件の一つに、1万人以上の観客を収容できるサッカー
スタジアムの確保があります。これには、現在チームがホームグラ
ウンドとしている南長野運動公園総合球技場の改修が現実的と考え
ていますが、改修費用は50億円とも60億円とも言われています。
チームが優勝争いできる実力を持っている今、スタジアムの早期整
備を多くの皆さんから要望されています。

(10)茶臼山動物園・恐竜公園・自然植物園など茶臼山一帯の開

 多くの家族連れなどでにぎわう茶臼山動物園や恐竜公園、そして
隣接する茶臼山自然植物園は、長野市にとって大きな観光資源です。
その茶臼山一帯の魅力を一層高めるための手段として、モノレール
の建設を考えています。皆さんも感じていることと思いますが、茶
臼山一帯はかなりの高低差があり、移動が大変です。そこで、その
高低差を生かして、高い位置からの眺望や遊具感覚を楽しめるモノ
レールの建設は一考に値すると思います。このことは、以前かじと
り通信でも書きましたし、12月市議会定例会でも答弁しました。
これにより、幼児や高齢者、障害のある人をはじめ、来園される全
ての皆さんの移動が容易になり、来園者の増加が大いに見込まれま
す。動物園来園者へアンケート調査を行いましたら、運賃について
「片道100円から200円でも利用したい」と答えた人が9割い
らっしゃいました。まさに夢のある、なんだかわくわくする話です
よね。

(11)ICカードの導入と公共交通の活性化
 市内を走る路線バスをもっと使いやすくするため、今年10月に
ICカードの運用開始を予定しています。あらかじめICカードに
入金しておき、バス乗降時にそのカードを機器にかざすだけで運賃
が自動で精算される仕組みです。昨年12月20日には、ICカー
ドの名称が「KURURU(くるる)」に決まりました。公共交通
の活性化は、長野市にとってとても重要なテーマです。さまざまな
方策でその利便性を高め、利用者増を目指します。

(12)定住自立圏構想
 一昨年の須坂市長、千曲市長との新春座談会(FMぜんこうじの
特別番組「善光寺平メイヤーズ・サミット」)で、須坂市長から、
定住を促進し長野地域全体の発展に向けて、国の制度の「定住自立
圏構想」を検討してみないかと提案がありました。
 連携事業について、3市それぞれから、さまざまな提案を持ち寄
り、協議を重ねましたが、その大半が長野地域内の全ての市町村に
共通の事務事業であったことから、長野広域連合による事務処理を
行った方が、効率的ではないかという結論に至りました。
 今後は、共同処理事務について、長野広域連合による検討を進め
ながら、「定住自立圏構想」にこだわることなく、迅速で柔軟に課
題に対処できる長野地域らしい連携を目指して検討を進めていきた
いと考えています。

(13)攻めの農業、そして観光も含めたインバウンド
 元気な農業への熱い想いは、前回のかじとり通信でもお話ししま
した。新規就農者支援事業や就農促進奨励金支給事業により、まず
は農業者を増やし、もうかる農業の実現を図りたいと考えています。
そして、ながのブランドの農産物をぜひ国内はもとより海外に売り
込みたい、「攻めの農業」を展開したいと考えています。そして、
農業が観光と結び付けば、さらに大きなインバウンド(海外からの
観光客)を期待できると思うのです。

(14)戸隠スキー場(戸隠観光施設)企業会計の整理
 現在、戸隠スキー場の会計は企業会計で、単年度の営業損益(キ
ャッシュフロー)だけを見れば収支バランスは悪くないのですが、
多額の固定資産を抱えており、その償却のために、経営はどうして
も赤字となってしまいます。一つの策として、普通会計に移管する
か、資産を売却すれば、減価償却費や借入金の元利償還など資本費
部分の負担が解消されるという発想です。過去にもかなり検討した
経過はありますが、何とか整理したいと考えています。

(15)次世代型路面電車システム(LRT:Light 
Rail Transit)
 LRTについては、長野電鉄屋代線廃止後の跡地活用の一つの手
段として地元有志の皆さんなど、各方面から要望を頂いています。
また、その導入検討を求める請願も12月市議会定例会において全
員賛成で採択されました。20年ぐらい前でしょうか、全国でガイ
ドウェイバスなどの「新交通システム」がブームとなり、多くの地
方自治体で導入されたり、検討されたりしました。聞くところによ
ると、長野市でも調査を行ったものの、事業として具体化すること
はありませんでした。
 やはり、LRTの魅力は、鉄路と道路が共存できることだと思い
ます。二酸化炭素の排出削減も含めて、将来の長野市の公共交通を
考えると、LRTの導入は、課題は多くても検討する価値があると
考えています。

 (9)、(10)、(15)は、大きな予算を伴うものですから、
財源をどうするか、FS(*)がどうなるか、地域の皆さんの意見
はどうか、時期はいつにすべきかなど、かなり頭を悩ます問題です。
 中には具体的な検討に入った事業もありますが、その他の事業は
あくまで私の夢、長野市の夢としてお許しください。

 この他にも、保育園、広域連合の老人福祉施設、学校給食センタ
ーなどの民営化については、あまり大きな予算は必要ないと思いま
すが、時間をかけてでも行政としてやっていかなくてはならないテ
ーマだと考えています。そして、これからは、全ての事業に、「環
境の屋根」を架ける必要があると思います。

 いずれにしても、「入りを量りて、出ずるを為す」を基本とし、
健全財政を堅持しながら、未来に夢を描けるようなまちづくりを目
指したいと考えています。
 ちなみに、今年の私のテーマは、「心機一転。明るく元気に」で
す。昨年の東日本大震災のような苦難を乗り越え、とにかく明るい
話題があふれる1年であってほしいと願っています。
FS:Feasibility Study(実行可能性検証)