2012年1月5日木曜日

長野市の初夢


 初夢は、「かなえば良いなあ!」というものなのか、「ぜひ、か
なえよう!」というものなのかよく分かりませんが、初夢ですから、
大風呂敷を広げてみようと思います。

 まず、着実に進めたいのは、長野市の8つの大規模プロジェクト
です。
(1)市役所第一庁舎建設事業
(2)長野市民会館建設事業
(3)斎場新設事業
(4)ごみ処理施設広域負担金
(5)ごみ焼却施設周辺整備事業
(6)長野駅善光寺口駅前広場整備事業
(7)長野駅周辺第二土地区画整理事業
(8)小・中学校耐震化事業

 これらは、既に発表しているもので、現時点での総事業費は約
1,660億円です。平成23年度末までの執行見込み額は約
830億円ですから、事業費で見ると全体のちょうど半分が実施済
みということになります。執行見込み額のうち、(7)長野駅周辺
第二土地区画整理事業が約660億円、(8)小・中学校耐震化事
業が約160億円で、そのほとんどを占めています。
 ちなみに、(1)から(6)までの事業は、来年度以降本格的に
実施されるものです。いずれの事業も広く市民の皆さんにご理解い
ただいており、毎年度公表させていただいている財政推計に見込ん
でいる事業ですから、着実に実施していきます。

 夢は膨らみます。次に挙げるものは、これから構想を練り、事業
実施がそもそも可能なのかどうか、FS(*)を検討する必要があ
る事業です。やらざるを得ないなあと思うくらい具体的に話が進ん
でいるものと、本当にまだ構想段階のものが入り交じっています。
少し説明を加えてご紹介します。

(9)Jリーグ基準のサッカースタジアムの整備
 皆さんご存じのとおり、JFL(日本フットボールリーグ)加入
1年目にして準優勝したAC長野パルセイロにとって、J2に昇格
するための条件の一つに、1万人以上の観客を収容できるサッカー
スタジアムの確保があります。これには、現在チームがホームグラ
ウンドとしている南長野運動公園総合球技場の改修が現実的と考え
ていますが、改修費用は50億円とも60億円とも言われています。
チームが優勝争いできる実力を持っている今、スタジアムの早期整
備を多くの皆さんから要望されています。

(10)茶臼山動物園・恐竜公園・自然植物園など茶臼山一帯の開

 多くの家族連れなどでにぎわう茶臼山動物園や恐竜公園、そして
隣接する茶臼山自然植物園は、長野市にとって大きな観光資源です。
その茶臼山一帯の魅力を一層高めるための手段として、モノレール
の建設を考えています。皆さんも感じていることと思いますが、茶
臼山一帯はかなりの高低差があり、移動が大変です。そこで、その
高低差を生かして、高い位置からの眺望や遊具感覚を楽しめるモノ
レールの建設は一考に値すると思います。このことは、以前かじと
り通信でも書きましたし、12月市議会定例会でも答弁しました。
これにより、幼児や高齢者、障害のある人をはじめ、来園される全
ての皆さんの移動が容易になり、来園者の増加が大いに見込まれま
す。動物園来園者へアンケート調査を行いましたら、運賃について
「片道100円から200円でも利用したい」と答えた人が9割い
らっしゃいました。まさに夢のある、なんだかわくわくする話です
よね。

(11)ICカードの導入と公共交通の活性化
 市内を走る路線バスをもっと使いやすくするため、今年10月に
ICカードの運用開始を予定しています。あらかじめICカードに
入金しておき、バス乗降時にそのカードを機器にかざすだけで運賃
が自動で精算される仕組みです。昨年12月20日には、ICカー
ドの名称が「KURURU(くるる)」に決まりました。公共交通
の活性化は、長野市にとってとても重要なテーマです。さまざまな
方策でその利便性を高め、利用者増を目指します。

(12)定住自立圏構想
 一昨年の須坂市長、千曲市長との新春座談会(FMぜんこうじの
特別番組「善光寺平メイヤーズ・サミット」)で、須坂市長から、
定住を促進し長野地域全体の発展に向けて、国の制度の「定住自立
圏構想」を検討してみないかと提案がありました。
 連携事業について、3市それぞれから、さまざまな提案を持ち寄
り、協議を重ねましたが、その大半が長野地域内の全ての市町村に
共通の事務事業であったことから、長野広域連合による事務処理を
行った方が、効率的ではないかという結論に至りました。
 今後は、共同処理事務について、長野広域連合による検討を進め
ながら、「定住自立圏構想」にこだわることなく、迅速で柔軟に課
題に対処できる長野地域らしい連携を目指して検討を進めていきた
いと考えています。

(13)攻めの農業、そして観光も含めたインバウンド
 元気な農業への熱い想いは、前回のかじとり通信でもお話ししま
した。新規就農者支援事業や就農促進奨励金支給事業により、まず
は農業者を増やし、もうかる農業の実現を図りたいと考えています。
そして、ながのブランドの農産物をぜひ国内はもとより海外に売り
込みたい、「攻めの農業」を展開したいと考えています。そして、
農業が観光と結び付けば、さらに大きなインバウンド(海外からの
観光客)を期待できると思うのです。

(14)戸隠スキー場(戸隠観光施設)企業会計の整理
 現在、戸隠スキー場の会計は企業会計で、単年度の営業損益(キ
ャッシュフロー)だけを見れば収支バランスは悪くないのですが、
多額の固定資産を抱えており、その償却のために、経営はどうして
も赤字となってしまいます。一つの策として、普通会計に移管する
か、資産を売却すれば、減価償却費や借入金の元利償還など資本費
部分の負担が解消されるという発想です。過去にもかなり検討した
経過はありますが、何とか整理したいと考えています。

(15)次世代型路面電車システム(LRT:Light 
Rail Transit)
 LRTについては、長野電鉄屋代線廃止後の跡地活用の一つの手
段として地元有志の皆さんなど、各方面から要望を頂いています。
また、その導入検討を求める請願も12月市議会定例会において全
員賛成で採択されました。20年ぐらい前でしょうか、全国でガイ
ドウェイバスなどの「新交通システム」がブームとなり、多くの地
方自治体で導入されたり、検討されたりしました。聞くところによ
ると、長野市でも調査を行ったものの、事業として具体化すること
はありませんでした。
 やはり、LRTの魅力は、鉄路と道路が共存できることだと思い
ます。二酸化炭素の排出削減も含めて、将来の長野市の公共交通を
考えると、LRTの導入は、課題は多くても検討する価値があると
考えています。

 (9)、(10)、(15)は、大きな予算を伴うものですから、
財源をどうするか、FS(*)がどうなるか、地域の皆さんの意見
はどうか、時期はいつにすべきかなど、かなり頭を悩ます問題です。
 中には具体的な検討に入った事業もありますが、その他の事業は
あくまで私の夢、長野市の夢としてお許しください。

 この他にも、保育園、広域連合の老人福祉施設、学校給食センタ
ーなどの民営化については、あまり大きな予算は必要ないと思いま
すが、時間をかけてでも行政としてやっていかなくてはならないテ
ーマだと考えています。そして、これからは、全ての事業に、「環
境の屋根」を架ける必要があると思います。

 いずれにしても、「入りを量りて、出ずるを為す」を基本とし、
健全財政を堅持しながら、未来に夢を描けるようなまちづくりを目
指したいと考えています。
 ちなみに、今年の私のテーマは、「心機一転。明るく元気に」で
す。昨年の東日本大震災のような苦難を乗り越え、とにかく明るい
話題があふれる1年であってほしいと願っています。
FS:Feasibility Study(実行可能性検証)