友好都市締結30周年記念として、中国・石家庄市を訪問し、
24日に帰国しました。とにかく今回は、総勢50人の大訪問団。
30周年を記念する公式行事や両市民同士の交流などを通して、参
加された公募市民の皆さんもそれぞれの目的を十分に果たせたので
はないかと思います。大変有意義な訪問となりましたが、訪問記は
現在執筆中ですので、今回のかじとり通信では、3月から4月にか
けての出来事について書きたいと思います。
まずは、長年の懸案事項であった新斎場建設について報告します。
3月26日、松代新斎場建設に関する合意協定書調印式が、松代
町東寺尾公民館で行われました。松代斎場は、1966(昭和41)
年の昭和の大合併により市営斎場となり、1980(昭和55)年
の大改修を経て現在の斎場となりましたが、以来30年以上が経過
して建物、火葬炉ともに老朽化が進んでいることや、火葬件数が増
加していることから、新斎場の建設は、本市の喫緊の課題となって
いました。このため、2000(平成12)年から新斎場建設に向
けて取り組んできましたが、このたび、東寺尾区の皆さんのご理解
とご協力により建設に係る合意協定書調印の運びとなったわけです。
現在、市営斎場としては、松代斎場の他に、大峰、裾花、犀峡の
計4斎場が稼働していますが、新設する大峰、松代の両斎場は、ご
遺族の心情やプライバシーに配慮して、待合室を個室化するなど、
厳粛で穏やかな空間と安らぎを感じられる終焉(しゅうえん)の場
にふさわしい施設にするとともに、環境にも十分に配慮した施設に
したいと考えています。
同じ日、若穂の保科温泉に行き、福島第一原子力発電所事故の影
響で、福島県から本市に一時避難された方々の歓迎式に出席しまし
た。これは、若穂地区住民自治協議会の「おひさまプロジェクト」
の皆さんにもご協力いただき、昨年の夏休み期間に続いて、この春
休み期間にも受け入れたものです。「おひさまプロジェクト」の皆
さんには、折り紙教室やおやつ作りなどの楽しいプログラムを毎日
企画していただき、大好評でした。また、サンマリーンながの、茶
臼山動物園、善光寺などに出掛けた方もおられ、短い期間ではあり
ましたが、長野の春を存分に楽しんでいただけたと思います。
歓迎式の後、同じ保科温泉で、木質ペレットボイラーの火入れ式
が行われました。
1959(昭和34)年の開設から53年目を迎えた保科温泉は、
一昨年の保科財産区の解散に伴い、いったんは長野市が直営で運営
しましたが、この4月から指定管理者による運営に移行したもので
す。素晴らしい温泉ですが、源泉の温度が約30度と低いため、こ
れまでは重油ボイラーで加温して利用していました。
そこで、温泉施設を市で引き受けた際、せっかくの機会でしたの
で、二酸化炭素削減に取り組む環境に優しい施設を売りにしたいと
考え、老朽化した施設の改修に合わせて、木質ペレットボイラーの
導入を計画しました。
市有施設では初めての試みでしたので、なかなか難しかったよう
ですが、設計、設備工事、外構工事に携わっていただいた市内の事
業者の施工で見事に完成しました。
検討段階では、新たに温泉を掘削したらどうかという提案もあり
ましたが、大きなリスクもありましたので、カーボンニュートラル
(*)効果が期待できる木質ペレットボイラーを導入することにし
たものです。このボイラーで消費する木質ペレットは、年間約
180トンで、これにより市内で生産・消費される木質ペレットの
量が飛躍的に増えることから、量産効果による価格低減が期待され
ます。また、このところ原油価格が上昇気味ですから、供給が安定
してくれば、木質ペレットの普及が一気に進むことも期待できます。
そして、何よりも、地球環境に優しい温泉ということで、皆さんか
ら愛される施設になればうれしいと思っています。
4月11日に、中央通り(善光寺表参道)沿いのセントラル・ス
クゥエアで、表参道長野オリンピックメモリアルパークのオープニ
ングセレモニーが開催されました。
セントラル・スクゥエアは、長野オリンピックの「街なかの表彰
式会場」として整備されたもので、オリンピック期間中は、メダリ
ストたちを祝福する延べ約17万人の人々でにぎわい、連日、あふ
れんばかりの歓声と熱気に包まれたことが懐かしく思い出されます。
しかし、あれから14年が経ち、表彰式に利用された仮設のステ
ージが老朽化したことから、ステージの解体・撤去を行い、中央通
り沿いに新たにポケットパークを整備し、このたびオープンしたも
のです。
このポケットパークには五輪マークのモニュメントや聖火台のレ
プリカなどを設け、メモリアルパークとして長野オリンピックの表
彰式会場の記憶を後世に伝えるだけでなく、買い物や観光などで訪
れる皆さんのランドマークや憩いの場としてご利用いただくことで、
中心市街地の回遊性の向上にも貢献できるものと期待しています。
4月15日、城山動物園のモノレールがリニューアルオープンし、
完成式典が行われました。新しい遊具の登場に子どもたちが歓声を
上げて楽しんでいました。
城山動物園のモノレールは、1961(昭和36)年の開園当時
に設置されたもので、私の家から近いこともあり、子どもたちもず
いぶんお世話になったものです。これまでも車両の更新やレールの
塗装などの維持修繕を重ねて運行してきましたが、設備全体の老朽
化が進み、また、車両も前回の更新から25年が経過し、部品の交
換ができない状況となったため、モノレールの車両本体だけでなく、
レールも含めて全てリニューアルしたものです。子どもたちに大人
気であったこれまでの新幹線スタイルの車両は引退となり、蒸気機
関車がトロッコを引くタイプの新しい車両がお披露目されました。
オープン前の3月31日には安全祈願祭が行われました。実は、
その後試乗する予定だったのですが、あいにくの雨降りとなり、残
念ながらレールの下から車両を眺めただけで終わりましたが、今回
は2周試乗させていただきました。
間もなくゴールデンウイークがやってきます。多くの皆さんに乗
っていただき、動物園での一日を満喫していただくことを期待して
います。
桜の名所として、多くの市民の皆さんに人気の城山公園ですが、
今年の開花は、やはりこのオープンには間に合いませんでした。よ
うやく市街地の桜が咲き始めたときに訪中となり、もしかして帰国
するころには、見頃を過ぎてしまっているのでは・・・と、ちょっ
と心配しながら出掛けました。長野に帰ってきて、満開の桜を見る
ことができて、「間に合ったあ」とホッとしています。うららかな
春の日差しの中ゆっくりお花見をする時間はつくれませんが、せめ
て公務で移動する車の中から眺めて、1年のうちの限られたこの桜
の季節を楽しみたいと思います。
*カーボンニュートラル:植物由来の燃料を燃焼することで排出さ
れる二酸化炭素は、植物の成長過程で光合成により大気中から吸収
したものであることから、大気中の二酸化炭素を増加させず、収支
をゼロとみなすという考え方。カーボンとは炭素のこと。