2012年9月27日木曜日

おもてなしの心


 前回は初めてのメールマガジンということで、私の思い描く長野
市の将来ビジョンについて、全体的な話をさせていただきました。
今回は、もう少しテーマを絞ったお話をしたいと思います。

 この4月に長野市の副市長に就任する前の、長野県職員であった
ころのことですが、民間企業に研修に行く機会があり、東京の丸の
内にある「タリーズコーヒー」で3カ月間働いたことがあります。
そこでは、今盛んに言われている、おもてなしとCS(顧客満足)
について多くを学ぶことができ、まさに民間感覚を肌で感じること
ができました。

 さて、そのタリーズコーヒーでは、初めのころはレジを担当し、
その後いわゆる「バリスタ」というコーヒー職人としての仕事に携
わりました。レジを担当していたときのことですが、毎朝7時に来
る女性のお客さんがいました。その人は、毎日ミルクティーを注文
し、たいていは温かいものを、たまに冷たいものを飲んでいました。
あるとき、「おはようございます。いつもと同じものでよろしいで
しょうか」と聞くと、「はい」とのこと。続けて、「あったかいの
にしますか、冷たいのにしますか」と聞きました。そのお客さんが
帰られた後、店長から「『あったかい』ではなく、『あたたかい』
または『ホット』という言葉を使ってください」と言われました。
「あったかい」では相手に近づきすぎだ、と言うのです。

 確かに、お客さんに対して親しみを込めることは大切だと思いま
すが、ある程度の距離を置いて、親しみを感じてもらうことが大切
なのです。これは、市役所においても全く同じで、庁舎内を歩いて
は職員が接客している姿を見るようにしています。職員には、市民
の皆さんに、適度な距離感を取るとともに親しみを感じてもらえる
ような対応を求めていきたいと考えています。

 また、タリーズコーヒーでは別の店舗に行く機会があり、そこで
店内のトイレを利用しました。鏡に曇りは無く、水滴も落ちていな
い、とても奇麗に清掃されていたのです。そして、数十分後にもう
一度同じトイレを見てみました。その間に、トイレを利用した人は
何人もいるはずです。しかし、奇麗になっているのです。どうやら
その店では、店員が定期的にトイレに入り、誰ともなく掃除をして
いたようなのです。食べる所が奇麗なのは当たり前で、トイレにま
で手入れが行き届いているのは、こんなに気持ちがいいものかと感
じました。
 ワンコインのコーヒー1杯のために、これだけのことをやってい
ます。

 当たり前の話ですが、人間は「食べ」れば、「出す」ものです。
になるのでしょう。
 私が副理事長を務める長野市開発公社が管理・運営するそれぞれ
の施設には、設備は新しくなくても、そのような場所の手入れを徹
底し、「一流」を目指してほしいと呼び掛けています。

 前回のメールマガジンでお話ししたように、長野市は平成27年
を境に大きく変貌を遂げます。その長野市をたまたま訪れた人が、
「街で道を尋ねたら適度に親しみのある心地よい対応をしてもらえ
た」「飲食店や宿泊施設を利用したら、トイレまでしっかり手入れ
が行き届いていて、気持ちのいい滞在ができた」となれば、今度は
家族を連れて訪れようと思うかもしれません。
 今や観光名所や食事、商品など形のあるものだけに対価を払う時
代ではなく、このようなガイドブックにも載っていない、「おもて
なし」や「ホスピタリティー」を買う時代が来ているのだと感じて
います。

2012年9月20日木曜日

本年度の地域審議会と大きな事案の一つの区切り


 本市では、2005(平成17)年に合併した豊野・戸隠・鬼無
里・大岡の4地区に、「市町村の合併の特例に関する法律」に基づ
く地域審議会を設置し、地域の重要課題の解決などについて審議し
ています(2010(平成22)年に合併した信州新町・中条地区
については、合併協議中に、住民自治協議会設立に向けての検討委
員会が既に立ち上がっていたので、同じような組織を2つ設置する
必要はないということになり、地域審議会を設置していません)。

 4地区の各地域審議会の委員の皆さんとは、年に1度、地域にお
ける課題や要望などについて意見交換をするため、懇談会を行って
います。8月29日に開催した本年度の懇談会では、豊野支所庁舎
の2階空きスペースの有効活用、戸隠地区の滞在型観光地づくり、
鬼無里地区の雇用の場を創出するために、長野森林組合の木質ペレ
ット燃料製造の推進や鬼無里小学校と鬼無里中学校を小中一貫校と
した場合の空き校舎を利用した高齢者向け福祉施設の誘致、大岡地
区の定住者増加策に関連する大岡保育園の存続など、それぞれの地
域に密着した話題について懇談しました。

 豊野支所庁舎の空きスペースについては、合併直後に金融機関か
ら入居の申し入れがあり、使用料を頂いて1階に入ってもらってい
ますが、最近になってようやく、空いている2階にも来年4月から
北信農業共済組合が入ることが決まりました。使用料はもとより、
会議室の改装や組合の公用車駐車場整備のための費用は、全額農業
共済組合に負担していただけるので、ありがたいことです。また、
さらに空きスペースになっている旧議場については、豊野地域審議
会の会長さんから、地域の皆さんの芸術文化活動・コミュニケーシ
ョンの場として使用したいと要望を頂きました。しかし、隣接する
公民館の利用率が低いため(5割程度)、今の段階で新たに整備す
ることは難しいと説明しご理解を求めるとともに、より広い観点か
ら有効活用できるかどうか検討していきたいと申し上げました。

 戸隠地区における滞在型観光地づくりの話題の一つとして、地域
の方から次のような話を頂きました。「38年ほど前に渡欧した時、
スイスのツェルマットという町では、地区外からマイカーを一切入
れず、タクシーや馬車、電気自動車で移動していた。本当に魅力的
な町で、戸隠に重ね合わせて見ていた。その場しのぎの計画ではな
く、何十年先はこうありたいという思い切った計画も大事。ドイツ
でも、環境に配慮し、自動車をシャットアウトした観光地があるが、
現在非常に多くのお客さんを集めている」といった内容でした。
 合併当時、戸隠地区の皆さんがそれまで検討を重ねてつくり上げ
てきた構想の中に、中社地区や宝光社地区をバイパス道路で結んで、
神社前の通りに自動車を入れないようにしたいというものがあった
ことを覚えています。地形的にはかなり難しいと思いましたが、実
現できれば素晴らしいと感じたことは事実です。

 鬼無里地区の木質ペレット燃料製造などによる雇用創出の話題は、
65歳以上の人口が地区全体の50%を超え、過疎化、高齢化が切
実な問題となっている実情が背景にあります。「山あいの地区では
70歳以上の高齢者世帯が占める割合が突出して高く、草刈りなど
の公益活動を続けていくことが難しい」「地区役員の選出などに大
変苦労している地区がある」「現在ある巡回販売や宅配サービスも、
採算面から廃止されることも想定され、買い物困難者の増加が危惧
(きぐ)される」「地元雇用の場が減って若者や子どもの数が減少
し、小学校への新入生は年に4~5人という状況が続く見込みであ
る」などのさまざまな課題が出されました。また、高額な通学費が
ネックとなり、子どもの高校進学を機に家族で地区外へ転出する例
があるなど、高校がない地域における通学に関して何らかの対策を
要望されました。
 なお、本市では、こうした状況を踏まえ、中山間地域を対象とし
た買い物困難者や草刈りなどの状況調査を始めました。調査結果に
基づき、中山間地域の支援策のさらなる検討を積極的に行いたいと
思います。

 大岡保育園の存続については、「若い定住者が困ることのないよ
う、大岡保育園を存続させてほしい」との要望を頂きました。私か
らは、「大岡保育園のように著しく園児が少ない保育園では、集団
保育の実施や効率的な施設の運営の観点から課題がある。住民自治
協議会や保護者の皆さんと園の存続について協議しているが、現在、
社会福祉審議会で審議している『長野市公立保育所の適正規模及び
民営化等基本計画』の結果を踏まえた上で、一定の結論を出したい」
と申し上げ、意見交換の結果、来年度については、本年度と同数の
園児が見込めることから、運営を継続することにしました。

 この4地区に限らず、また人口や面積の大小に関係なく、各地区
にはさまざまな課題や要望があり、地区の皆さんからは、要望活動
や元気なまちづくり市民会議などを通して、数え切れないほどの要
望を頂いています。行政としては、緊急性や地域性を十分考慮した
上で、できる限り対応するよう努めていますが、これからの地域づ
くりを進めていくためには、行政に「これをやってほしい」と要望
するだけではなく、今まで以上に「自分たちはこうした活動をやり
たい。そのために行政はこのような支援をしてほしい」という発想
を大切にしていただきたいと考えています。

 市の地域いきいき運営交付金、地域やる気支援補助金、やまざと
支援交付金や、県の地域発元気づくり支援金など、県も市も支援メ
ニューを用意し、地域のやる気を積極的に支援しています。草刈り
などの道路整備や遊休農地解消に向けた農作業支援でもいいのです。
そして、いずれは、こうした作業のために人を雇用すること(他の
地区から雇ってもらっても構いません)などにも範囲を広げたいと
考えています。「自分たちのまちは、自分たちがつくる」。主役は
地域の皆さんです。住民自治協議会が地域コミュニティーの核とし
て頑張ることを期待しています。

 話は変わります。昨日19日に浅川ダムの建設現場で定礎式が開
催され、出席しました。定礎式とは、ダム基礎部分の立ち上がりを
記念するとともに、清められた礎石をダム本体に納め、ダム工事の
安全と完成するダムが永久堅固で安泰であることを願うものです。

 1971(昭和46)年の予備調査から始まった浅川ダムの治水
対策は、実に40年余りの歳月を経て、ようやく大きな節目を迎え
ることができ、「一つの区切りだなあ」と感じました。
 「脱ダム宣言」による大混乱がなければ、浅川ダムは既に完成し
ていたはずで、振り返ってみると、「本当にいろいろなことがあっ
たなあ」というのが正直な感想です。
 行政の最も基本的な責務は、住民の生命と財産を守ることです。
今後は、一日も早くダムが完成することを願うとともに、浅川下流
域の内水対策をはじめ、中流域の堆積土砂撤去、上流域の土砂流出
対策など、残された事業が早期に進められ、浅川流域全体が一日も
早く、安全で安心して暮らせる地域となるよう、さらに気を引き締
めて取り組んでいかなければならないと思っています。

 もう一つ、新たな時代に向けて大きくかじを切ったと感じた出来
事は、政府が「2030年代の原発稼動ゼロ」という方針を打ち出
したことです。ただし、閣議決定の文言には「原発ゼロ」は盛り込
まれず、具体策を明記した文書(「革新的エネルギー・環境戦略」)
は参考扱いとされるようですから、何も変わっていないと感じてい
ます。
 原発については、いまだに議論が尽くされておらず、今後解決し
なければならないさまざまな課題があると思っています。再生可能
エネルギーについて、利用をどれだけ拡大できるのかまだ明確には
分かりませんが、本市としては、最大限利用できるよう努力してい
きたいと思っています。

2012年9月13日木曜日

農業を生かした地域づくり


 高齢化などによる農地の荒廃と遊休農地の増加は、長野市だけで
なく多くの自治体が抱える課題です。こうした中、若槻地区住民自
治協議会の「コミわかグリーン倶楽部」が、遊休農地の活用策とし
て取り組む市民菜園(約70アール)が人気だと聞きました。その
取り組み方法などについてぜひ話をお聞きしたいと思い、同倶楽部
元代表理事で長野市監査委員でもある轟光昌さんを市役所にお呼び
し、関係部局長も出席して勉強会を開きました。

 同倶楽部は、雑草が生い茂るまでに荒廃した農地を地権者から借
り受け、土壌を整備し、区画割りをして、市民菜園として市民に貸
し出すことを目的に発足しました。市民菜園「コミわか農園」は住
宅地に近接していることもあり、定員を超える申し込みがあるほど
順調とのことです。なお、同倶楽部は、指定管理者として近くにあ
る蚊里田市民農園(サラダパーク蚊里田)の管理・運営も行ってい
ます。

 しかし、轟さんによると、2010(平成22)年の倶楽部設立
から今日に至るまでには、さまざまな苦労があったそうです。
 当初は住民自治協議会の事業として行うことを考えていたそうで
すが、法人格を持たない住民自治協議会では市民農園の運営は不可
能ということが分かり、一般社団法人として同倶楽部を立ち上げま
した。水利用のために用水組合の許可を取ることや、元水田のため
新たに土を入れて畑用に改良するなどしなければなりませんでした。
また、区画の測量や区画割りは、地元の長野工業高等専門学校の生
徒さんにもお手伝いいただいたそうです。

 その後、利用者を募り、抽選を行い、契約する運びとなったわけ
ですが、利用者の約半数の皆さんが農業の素人ということで、倶楽
部が講習会を開催して野菜栽培の「いろは」を指導したり、定期的
にパトロールをして困り事などの相談に乗ったりもしているそうで
す。
 また、周辺住民から、堆肥が臭う、野焼きをしている、機械の音
や話し声がうるさい、路上駐車や駐輪が迷惑といった苦情もあった
そうで、モラル向上の啓発活動を行うなど、貸し出しを始めてから
もさまざまな対応が必要であったとのことです。

 小田切地区住民自治協議会でも、100万円の長野市地域やる気
支援補助金を受けて、5月下旬から新たな取り組みとなる農業塾
「小田切うんめえ塾」を立ち上げました。市街地の住民との交流を
促進し、農産物や地域の魅力を発信することを目的としています。
長野市農業委員の酒井昌之さんを塾長に、荒廃農地約37アールを
整備し、ソバや野沢菜、大根などの栽培に活用するとのことです。
初回のソバの種まきには、市街地などから定員の2倍近くに当たる
約40人が集まったそうです。

 2つの事業を紹介しましたが、轟さんの言葉をお借りすれば、住
民自治協議会という公的な組織の事業であることが、利用者にとっ
ては安心であり、信用できるのだそうです。私としては、各住民自
治協議会に一つずつ法人をつくり、「もうかる事業」を手掛けても
らいたいと思っています。住民自治協議会には、事業の規模が大き
くなればなるほど、経理などの専門知識を持った人が欠かせなくな
るでしょうが、やはり行動力あふれるリーダーが何よりも必要です。
良きリーダーとなる人を探すことが一番大変だなあと感じています。

 農業に関する元気な話題といえば、小・中学生農家民泊事業が本
年も好調です。
 この事業は、昨年度から急激に成長していて、芋井・信里・七二
会・信更・鬼無里・大岡・中条地区において実施されています。昨
年度は37校、4,139人もの小・中学生を受け入れました。本
年度はこれまで43校、6,816人と昨年度を大きく上回る人数
を受け入れています。なお、鬼無里地区では、東日本大震災で被災
した岩手県大槌町の吉里吉里(きりきり)中学校の1年生24人を
招待しました。
 中山間地域の活性化のための大きな事業として、より魅力的で、
かつ、安全な受け入れ体制を構築したいと考えています。

 遊休農地の活用や農家民泊事業といった取り組みは、地域の実情
や特性を生かし、自分たちの地域が元気になる素晴らしいものだと
思います。みんなで知恵を絞り、汗をかくことから、いろいろな可
能性が広がっていくのだと思います。小さな取り組みが、いずれは
地域色豊かな独自の事業に成長する。他の地域にはない「これこそ
自分たちの地域の誇るもの」を発信することが大事なのです。

2012年9月6日木曜日

AC長野パルセイロの頑張り


 8月が終わって、もう9月です。皆さん、お盆はどのようにお過
ごしになりましたか? 私は、秘書課が気を利かせてくれたのか日
程に少し余裕がありましたので、今年初めて飯綱の乗馬倶楽部に行
ったり、孫や家族と食事したり・・・数日の夏休みを過ごすことが
できました。

 JFL(日本フットボールリーグ)・AC長野パルセイロの快進
撃は素晴らしいですね。南長野運動公園総合競技場で開催されるホ
ームゲームには全て出掛けていますが、パルセイロが強いので、と
ても気分良く応援しています。リーグ戦では、現在トップを走って
いますし、天皇杯予選を兼ねた長野県サッカー選手権大会で優勝し、
長野県代表として天皇杯全日本サッカー選手権大会に出場を決めま
した。9月1日の1回戦では、北海道代表の札幌大学を3-0で破
り、いよいよあさって8日にJ1のコンサドーレ札幌と対戦します。

 天皇杯は、Jリーグと違って、プロ・アマチュア混合で行われる
トーナメント方式の大会ですから、負ければ終わり。甲子園球場で
行われる高校野球などと同じですが、勝ち上がっていくうちに、チ
ームがだんだん強くなって意外な成績を残すこともあるわけで、リ
ーグ戦とはかなり違うように思います。

 パルセイロにとっては、今年は残念ながらJ2への昇格はありま
せんので、目標は天皇杯で結果を残すことだと私はひそかに考えて
いました。格上のJ1、J2チームに挑戦するわけで、勝てるとは
言い切れませんが、今のパルセイロの実力ならば相手がJ1チーム
であっても絶対に善戦できると信じています。相手は勝って当たり
前ですから、きっと固くなってしまうのではないでしょうか・・・
勝機は絶対にあります。
 聞くところによると、多くのサポーターの皆さんが札幌まで応援
に駆け付けるそうです(交通費は高額になると思いますが・・・)。
こうしたサポーターの熱い思いに、選手の皆さんはぜひ応えてほし
いと思います。本当は私も札幌へ応援に行きたいのですが・・・ち
ょっと日程が取れません。インターネットの情報などを楽しみにし
ています。

 サッカーの話をしますと、スタジアムはどうなっているのかとい
うご意見が当然出てきます。新聞報道などでご存じのことと思いま
すが、一度整理しておきます。

 Jリーグでは、本年「クラブライセンス制度」なるものを発表し
ました。これは、Jリーグに昇格するために満たさせなくてはなら
ない「条件」の一つといえますが、なかなか厳しいものがあります。
 JリーグにはJ1、J2とあるのですが、その下にJFL(下部
組織ではないのですが、Jリーグへの昇格はJFLからですから、
まあ下部組織と言っても間違いないでしょう)があって、現在パル
セイロはこのJFLに所属しています。JFLは、一応アマチュア
リーグの扱いですが、この中からプロであるJ2に昇格するために
は、クラブライセンスを含め、いろいろな条件があります。私の知
っている範囲で書いてみますと、
○JFLで2位以上の成績(優勝チームは自動昇格、2位チームは
J2の下位チームとの入れ替え戦)
○チーム名に企業名が入らないこと(パルセイロは違いますが、J
FLには結構あります。Jリーグ昇格を目指すのではなく、企業の
宣伝を兼ねてJFLで頑張るということのようです。したがって、
前述の2位以上の成績を収めたとしても昇格できません)
○ホームゲームの1試合平均入場者数3千人以上
○スタジアムは、1万人以上(J1の場合は1万5千人以上)を収

○スタジアムの観客席は、3分の1以上が屋根で覆われていること
(観客の立場に立った整備が求められる)
○チーム経営が黒字でなくてはならない(経営がしっかりしていな
くてはならない)

 以上、主なものを6点挙げてみましたが、その他にも練習場に関
する条件などがいろいろとあります。パルセイロにとって、特にハ
ードルの高い問題は、スタジアムと入場者数の2点だと思います。

 スタジアムについては、南長野運動公園総合球技場を改修する予
定ですが、試算では設計や駐車場整備などを含め80億円掛かり、
民間の力だけでは難しいため、行政が主体となり民間にもお手伝い
をしてもらいながら整備を進めていきたいと考えています。

 入場者数の3千人というのはJ2に上がるための最低限の人数で、
この数字に満足していたらチーム経営は成り立ちません。J2でチ
ームを維持していくためには、年間5億円程度は掛かるとのことで
すし、J1を目指し強いチームにするためには、選手の補強などに
さらなる経費が必要になるのでしょう。
 収入の一番大切な部分は、入場料収入です。スポンサー収入やグ
ッズの売り上げなどもチームの安定経営には大切ですが、一番は観
客の皆さんがお支払いいただくチケット代金なのです。

 チームの安定した運営・経営のためには、(株)長野パルセイロ
・アスレチッククラブの努力はもとより、サポーターを含めた市民
の皆さんの協力が不可欠です。「パルセイロは、私たち長野市民の
チーム」を合言葉に、チームとサポーター、そして市民が一体とな
った大きなムーブメントになることが大切です。そしてそれは、安
定した入場料収入にもつながります。スタジアムの改修については、
市としてスピード感を持って取り組みますので、長野市の元気をさ
らにパワーアップさせるためにも、みんなで一丸となってパルセイ
ロを盛り上げていきましょう。