2012年11月8日木曜日

3期目の任期、残り1年(その2)


 前回のかじとり通信では、「3期目の任期、残り1年(その1)」
と題して、「1 ソフト分野(部門)」についてお話ししました。
今回はハード分野、そしてソフト・ハードの両方に関する分野につ
いてお話しします。

2 ハード分野
(1)市役所第一庁舎と長野市民会館の建て替え 
 旧長野市民会館については5月に解体工事が終了し、市役所第一
庁舎については10月から玄関棟の解体工事が始まりました。来年
度には本体の建設工事に着手し、2014(平成26)年度の完成
を目指します。新第一庁舎は本市の防災拠点としての機能を備えた
施設に、新長野市民会館は本市の文化芸術の拠点となる、質の高い、
使いやすい施設にすべく、一生懸命取り組んでいます。

(2)ごみ焼却施設の建設
 長野広域連合による環境アセスメントが3月に終了し、大豆島地
区の皆さんと合意形成に向けて協議を進めています。稼動時期につ
いては、2014(平成26)年度を目指していましたが、建設ま
でにはさらに時間を要することから見直しを行い、稼動目標を
2018(平成30)年度としました。市では、建設候補地の周辺
環境整備について、地元からの提案に配慮しながら、本市全体の発
展と活性化につながる事業として、「サンマリーンながの」に代わ
る新たな健康・レジャー施設などの整備計画をまとめた「ごみ焼却
施設周辺環境整備基本計画(案)」を策定し、11月6日に大豆島
地区と松岡区で説明会を開催しました。
 今後、大豆島地区の各区で13回、大豆島地区全体および市民を
対象として各1回の説明会を開催するとともに、パブリックコメン
トの実施により、広く市民の皆さんのご意見をお聴きしながら基本
計画をまとめ、ごみ焼却施設建設の合意形成につなげていきたいと
考えています。

(3)斎場2カ所の建て替え
 大峰新斎場は2014(平成26)年秋、松代新斎場は2015
(平成27)年3月の供用開始を予定していて、事業は順調に進ん
でいます。間もなく敷地造成工事が完了する大峰新斎場は、来年4
月から建築工事に着手する予定です。松代新斎場については、3月
に地元の東寺尾地区との間で建設合意書の調印を行い、現在は地権
者の皆さんと用地交渉を行うとともに、建築設計を進めています。

(4)市立小・中学校の耐震化対策 
 耐震化事業を前倒しして行った結果、耐震化率は10月1日現在
で83.1%、来年度末には93%に達する予定です。2019
(平成31)年度に耐震化工事の完了を目指していますが、少しで
も早く完了するように取り組んでいきます。

(5)JR長野駅東口周辺整備(土地区画整理事業)
 道路の築造工事が進むにつれて住宅の建築も進み、地区によって
は、本格的に新しい街並みが形成され始めています。公務の移動中
に自動車から眺めて、街の変貌ぶりに驚いています。地域の皆さん
とまちづくりについて話し合いながら、ピッチを上げて事業を進め
ています。

(6)中心市街地(JR長野駅善光寺口前・中央通り・権堂地区)
の活性化 
 長野駅善光寺口駅前広場の整備では、バスシェルターなどの撤去
が完了し、また広場のシンボルでもある如是姫(にょぜひめ)像も
善光寺に一時移転し、これから整備工事が本格化します。中央通り
の歩行者優先道路化事業も順調に進んでいて、石畳舗装工事は善光
寺前の大門交差点からトイーゴやもんぜんぷら座のある新田町交差
点までの全長700メートルのうち45%が完了しました。車道を
狭め、歩道を広げ、歩いて楽しいまちづくりを目指します。

 セントラル・スクゥエアでは、善光寺表参道に観光客を誘導する
方法や効果を検証するために大型バス専用駐車場の実証実験を、9
月から10月にかけて実施しました。「歩いても苦にならない距離
だった」「商店のおもてなしが良かった」などの感想を多く頂くな
ど、おおむね好評であったと受け止めています。
 実証実験での観光客へのアンケートを集計し、分析結果や課題を
まとめ、セントラル・スクゥエアの今後の利活用を含めた中心市街
地の活性化施策の参考にします。

(7)Jリーグ対応のスタジアム整備
 9月市議会定例会において、南長野運動公園総合球技場整備事業
として総工費80億円(財源内訳は国庫支出金38億円、市債32
億円、寄付金6億円、一般財源4億円)の債務負担行為を設定する
補正予算を可決していただきました。当初60億円程度と見込んで
いた建設費は、観客1万人収容のJ2仕様から1万5,000人収
容のJ1仕様への収容規模拡大のためのサイドスタンド建設や、J
リーグのクラブライセンス制度導入によるスタンドへの屋根の設置
などにより増額となりました。現時点では、2015(平成27)
年度中の完成、2016(平成28)年度シーズンからの供用開始
を予定しています。
 また、2019(平成31)年に日本開催が決定しているラグビ
ーワールドカップに向けた親善試合などでの活用も見込まれます。

 同議会の一般質問においては、1万5,000人収容のスタジア
ムの必要性について説明を求められましたが、私は、「『スポーツ
を軸としたまちづくり』を推進するための都市の核としてスタジア
ムは必要である」と答弁させていただきましたし、都市の品格とし
ても必要であると考えています。10月24日にはAC長野パルセ
イロを運営する(株)長野パルセイロ・アスレチッククラブと共同
で「長野市にJリーグを!『スポーツを軸としたまちづくり』市民
会議」を開催し、200人を超える皆さんに参加していただきまし
た。会議では、「子どもたちに夢を与え、将来に誇れるスタジアム
の建設を」「観客席全面に屋根の設置を」といったご要望や、80
億円の建設費に対するご質問などを頂きました。引き続き、市民の
皆さんへの丁寧な説明を行っていくことはもちろん、新たなスタジ
アムが必ずや長野市の元気の源の一つとなるよう、市民の皆さんと
一丸となって取り組んでいきたいと強く感じています。本市のサッ
カーが、スポーツを軸としたまちづくりの中心的な存在に成長して
くれそうだなあと期待しています。

 その一方で、今後の課題として考えられるのが、ホームゲームに
おける観客数の増加です。J2昇格条件の一つである平均
3,000人以上は最低限の人数で、この数字に満足していたらチ
ーム経営は成り立ちません。J2でチームを維持していくためには、
年間5億円程度の運営費が掛かると聞いていますし、J1を目指し
さらに強いチームにしていくためには、選手の補強などにさらなる
経費が必要になるでしょう。チームの安定経営という面からも、昇
格後には、毎試合1万人以上の集客を目指して頑張ってもらいたい
と思っています。

(8)茶臼山動物園・自然植物園の再整備とモノレール建設
 茶臼山一帯は、長野市の大きな観光資源であり、その魅力にもっ
と磨きを掛けたいと思っています。昨年設立した「ながの緑育協会」
には、NHK「趣味の園芸」などテレビで活躍している矢澤秀成さ
んを職員としてお迎えしました。4月には矢澤さんが校長を務める
「ながの花と緑そして人を育てる学校」が開設され、10月には篠
ノ井中央公園管理棟が完成し、同学校の活動拠点として活用してい
ただくようにしました。日頃、矢澤さんが言っている「人は花を育
てる、花は人を育てる」のコンセプトの下、茶臼山、そして篠ノ井
地区を花いっぱいのエリアにしたいと考えています。
 茶臼山動物園では、「レッサーパンダの森」などが大人気です。
また、北口駐車場から動物園北口までの急傾斜地の移動を容易にす
るためのモノレールの建設にも着手しました。

 以上申し上げましたことは、本市の大型プロジェクト事業として
位置付け推進を図っています。最近では、学校給食センターの新設
といった話も出てきており、こうした事業も含めるとその数は10
を超えます。

3 ソフト・ハード両面に関する分野
 前回、そして今回お話ししたソフト、ハード分野の両面に関係す
る事業としては、(1)全ての施設において再生可能エネルギーの
活用と省エネルギーを基本とする設計、(2)太陽光・小水力・木
質バイオマスなどの再生可能エネルギーの活用、(3)再生可能エ
ネルギーの研究と開発、といったものがあることは昨年と同様です。

 特に、(2)についてお話ししますと、太陽光発電システムの設
置補助については、一般住宅向けの補助に加え、2009(平成
21)年度からは事業所を対象とする補助も実施しています。本年
10月末までの補助件数は5,415件で、1,000キロワット
のメガソーラーシステム23基分に相当する規模となっています。
 小水力発電については、現在大岡地区で導入していて、大岡小・
中学校の電力の約3分の1を賄っています。また、奥裾花自然園で
進められていた小水力発電による電力確保計画については、当初の
計画を大幅に見直し、小水力、太陽光、バイオディーゼルの3種類
による発電と、電力の需給管理にIT技術を活用するミニ・スマー
トグリッドを導入する方向で計画を進めています。
 木質バイオマスエネルギーの活用としては、保科温泉への木質バ
イオマスボイラーの導入をはじめ、ペレットストーブを6カ所の市
有施設に導入しています。

 以上、昨年11月のかじとり通信「3期目の折り返し点を迎えて」
で列挙した項目を検証しました。その他には、冬季オリンピックを
通じた国際交流を考えており、2018(平成30)年の韓国平昌
(ピョンチャン)での冬季オリンピックの開催について、平昌と何
らかの提携ができないか、探っています。

 次回のかじとり通信では、こうした事業を推進していく上で、こ
れは留意しなければいけないなあと感じていることをお話ししたい
と思います。