5月23日に、権堂B-1地区第一種市街地再開発事業の起工式
が行われました。
同地区では、2007(平成19)年度から整備範囲や整備方法
などの検討を重ね、昨年6月に再開発組合を設立し、10月に権利
変換計画(再開発事業施行前の権利に代えて、施行後に新しい土地
・建物の権利を与えることです)の認可を経て、念願の起工式を迎
えることができました。
いまさらこんなことを申し上げるのはどうかと思いますが、実は
この地区は、新市民会館を建設しようと考えていた場所でした。し
かし、諸事情から計画を変更し、新市民会館は現在の敷地で新市役
所第一庁舎と合築することになりました。紆余(うよ)曲折はあり
ましたが、権堂地区再生の新たな一歩を踏み出すことができ、本当
に良かったと感じています。完了予定は来年12月で、平成27年
のエポックイヤーをさらに盛り上げてくれることは間違いないでし
ょう。
この事業は、権堂の東の玄関口であるこの場所に、施行区域面積
約0.6ヘクタール、南北2棟の再開発ビルと公共広場を整備する
ものです。北棟ビルは地上4階建てで、住民自治協議会事務局や長
野電鉄(株)の本社などが入り、「住民活動の拠点」の役割を担う
市民交流センターとして位置付けています。南棟ビルは地上14階
建てで、1階を店舗、2階以上を分譲マンションとすることで、
「まちなか居住」の促進を図ります。郊外からまちに人が集まる流
れに加え、まち自体に人が住むことが、まちを再生させる重要なポ
イントなのです。また、北棟と南棟の間には広場を整備し、市民が
交流できるイベントスペースや噴水テラスなどの設置を検討してい
ます。事業費は約47億円で、うち長野市は約8億円を補助し、そ
の他に約4億円の公益施設や広場整備の負担金を見込んでいます。
再開発事業は、小規模な敷地の共同化により高度利用が図られる
とともに、民間活力により都市機能の向上を図る有効な手法です。
1990(平成2)年度に完成した北長野駅前B-3地区の「東急
ライフ」から始まり、2010(平成22)年度に完成した長野駅
前A-3地区まで、現在9地区の施行実績があります。まだ構想段
階ですが、権堂地区の皆さんの中では、さらなる再開発計画の話題
もあがっているようですし、もっと大きな構想を打ち出している人
もいらっしゃるそうです。
権堂は、長野県随一の繁華街として発展してきました。しかし、
今はまち全体の活力の再生が必要な状況となってきています。そこ
で昨年度「長野市権堂地区再生計画」を策定し、権堂再生のテーマ
を「楽」とし、「情報発信拠点の整備」「市民交流ステーションの
整備」「劇場を核とした滞留空間の整備」の3事業を再生の柱とし
て位置付けています。
この再開発事業が、中心市街地活性化と権堂地区再生計画の先導
的な事業となることを大いに期待していますし、権堂地区の発展は、
中心市街地、ひいては長野市全体の発展に欠かせないものと思って
います。
こうした整備事業がスタートする中、5月22日、権堂アーケー
ド通り周辺の飲食店で、飲み歩き・食べ歩きイベント「ごんバル」
が盛大に開催されました。昨年の8月に初めて開催されて、今回は
4回目の開催です。チケット(前売り3,500円、当日
4,000円)の販売数は過去最多の1,090冊で、イベントの
魅力が広く知れ渡り、人気が上昇しているということでしょう。私
もチケットの販売開始から早々に購入し、長野商工会議所の皆さん
と夜の権堂に繰り出しました。
最初に立ち寄ったお店は、古い蔵を改装して中庭にはテラス席が
置かれ、とてもしゃれた雰囲気で、仕事帰りの若い人たちが入れ代
わり立ち代わり席に着いて盛り上がっていました。特別メニューを
一品頂き、「さあ、次のお店へ」とアーケード通りを歩き始めたと
ころ、にぎやかな笑い声があちこちで聞かれ、途中にあったスポー
ツバーは、AC長野パルセイロの熱狂的なファンだという人たちで
あふれていました。私も引きずり込まれそうになりましたが・・・
アコーディオンの路上ライブも見掛けましたし、通行人が突然踊り
だす路上パフォーマンスもあったようです。あまり経験したことの
ない雰囲気を存分に楽しむことができました。
「ごんバル」が大盛況の中、篠ノ井駅前でも「第4回しの駅バル」
が開催されることを聞き、市議会開会中でしたが6月12日に初め
て出掛けました。「ごんバル」に対抗して篠ノ井でもバルを開催・
・・と思っていましたらその逆で、始まりは「しの駅バル」の方が
「ごんバル」よりも3カ月早かったとのことです。「バル合戦」で、
さらにまちがにぎわえばうれしい相乗効果ですね。
「ごんバル」が1日の開催であるのに対し、「しの駅バル」は8
日間の開催です。前回は2日間の開催でしたが、地域をより盛り上
げるために今回は期間を延長したとのことです。参加店舗18店で
使えるチケットを購入し、長野商工会議所篠ノ井支部の人たちと一
緒に参加しました。地区の役員さん、市議会議員さんなどと小料理
屋さんで軽く一杯飲んで、わいわいしゃべってから、歩いて3軒ほ
どはしごしました。今まであまり知らなかった方との出会いもあり、
こうした出会いがあちこちにあれば、新しいコミュニティーが生ま
れていくような感じがして、うれしかったです。
酒がうまい、料理がおいしいと、個々のお店はなかなか魅力的か
つ個性的で、新たにお店を発見することができる「バル」の素晴ら
しさを実感しました。ちょっと感じたことは、料理屋さんや飲み屋
さんの位置関係が少し離れているせいでしょうか、ごんバルと比べ
ると、地域全体で盛り上がる雰囲気がちょっと足りなかったかな・
・・若者が路上で自由にパフォーマンスを繰り広げるようなハプニ
ングや仕掛けがあったり、会社の同僚で誘い合ったりして、バルの
参加者がもっと増えれば、夜の篠ノ井も盛り上がるだろうなあ・・
・そんな感想です。
両バルとも、5回、6回と回を重ねるごとにさらに成長し、「バ
ルの開催が待ち遠しい!」そんな声がまち中にあふれ、まちの活性
化につながるイベントになることを期待しています。