2004年12月16日木曜日

お年寄りは元気です


 今年のえびす講の花火は綺麗でした。例年晩秋のこの時期の花火
は、空気が澄んでいて、寒いことを除けばとても綺麗なことで有名
ですが、今年は天気にも恵まれ、例年より暖かく、絶好の花火日和
でした。人出も18万人ということですが、会場となった犀川第二
緑地一帯は人で一杯、夜店の数も例年より随分多いと感じました。
風がなくて花火の煙がなかなか流れず、次の花火の邪魔になったく
らいでした。

 そんな中、毎年、打ち上げ場所のすぐ北側の「サンライフ長野」
の2階に、喜寿(77歳)の皆さんとその家族をご招待して、花火
を観ていただく催しが行われています。商工会議所の会頭さん、市
議会の副議長さんと一緒にご挨拶をさせていただき、記念写真を撮
っていただきましたが、皆さんとてもお元気でした。

 100回目を迎える来年のえびす講煙火大会でも、多分また喜寿
の皆さんの招待は行われると思いますので、多くの方にお集まりい
ただきたいものです。

 今週は、元気なお年寄りをテーマに、歳をとっても新たな挑戦を
続けている方や、ユニークな取り組みをされている方を紹介したい
と思います。

 9月は老人の日を中心に、テレビで元気なお年寄りの話題が随分
多かったように思います。もちろん元気な話題だけでなく、“オレ
オレ詐欺(振り込め詐欺)”とか、ひとり暮らしの老人が殺害され
たとか・・・、気が滅入るような悲しい出来事もありますし、本当
にどうしてこんな事件が起きるのか信じられない思いをすることも
多いです。確かに日本の高齢化の進行は他の先進国に見られない速
度で進んでおり、急速に日本社会は変化しているようです。

 でも元気な方もたくさんいらっしゃいます。NHKのテレビで見
たのですが、98歳の方がご自分の経営する障害者のための学園で、
教材を工夫して作って成果を上げている。しかもご本人は95歳か
ら中国語を学び、中国で障害者のための講演(中国語で)をやった
り、教材を紹介して喜ばれたり・・・・、正に超人です。そして専
門家の先生がその方の脳を調べてみると、脳の海馬の部分が新しく
活性化していて、こういうことがあるとは凄い発見だというような
ことを言っていました。

 また、102歳の方が奥さんを亡くし、若干の痴呆もあって何も
できなかった状態から一念発起し、走ることに挑戦、5kmマラソ
ンの記録を出す。そしてご自分では「走るなんてもんじゃない、歩
いているようなもの!」なんておっしゃっていましたが、どうして
どうして、たいした方です。

 三浦敬三さん(世界的スキーヤーの三浦雄一郎さんのお父さん・
100歳)もテレビで元気な話をしておられました。現在でも現役
のスキーインストラクターとして活躍し、99歳でモンブラン山系
最長のフランス・バレーブランシュ氷河を滑り降りるという6度目
の冒険スキーにチャレンジし、見事成功するという偉業を成し遂げ
ましたが、スキーのトレーニング中に骨折したことを悔しがってお
られたのは印象的でした。次の目標はツェルマットを滑ることだそ
うです。

 これらの番組を見ていて感じたことですが、人は年をとっても、
生きている限り可能性を信じて努力すること、ある意味では何かを
継続してやり抜くことが、ボケ防止や寝たきりにならないで長生き
する為の大切な要素ではないかということです。95歳から中国語
を勉強しようなんて、語学音痴の私にはとても信じられませんが、
でもそういう方がいらっしゃる、そして専門家もびっくりするほど
の脳の構造に変わっていくというのですから・・・。(ただ生涯現
役ということで、頑張ることは結構なのですが、年をとるとどうし
ても頑固になり、融通性がなくなるという傾向はあるようです。若
い人の活躍の邪魔にならず、仲良くいたい、そして、聞き上手にな
ることも、我々の世代になると、大切なことでしょう。)

 今度、長野市で信州大学の大下教授のお勧めで「健康麻将(マー
ジャン)初心者講座」を始めました。手先と頭を使うため、ボケ防
止に役立つのだそうです。まだ始まったばかりですが、評判は上々
で、お年寄りが喜んで参加されているようです。仲間作りにも良い
とのことで新しいコミュニティーが生まれているようです。

 読売新聞の記事によりますと、1988年に設立された「日本健
康麻将協会」(本部・東京都)が提唱し、全国のマージャン店など
と協力して主に昼間に遊び場所の提供や教室の開催を行っていると
のことです。昨年1年間で、延べ10万5千人(初心者教室の参加
者を除く)と、前年より1万2千人も増えたそうです。

 健康麻将のルールは(金を)賭けない(酒を)飲まない(タバコ
を)吸わない、そして「先ヅモ厳禁」と前後の挨拶をすることだそ
うです。信大の大下教授によると「過去の悪い印象を除けば、マー
ジャンほど面白いゲームはありません。ファミコンやテレビゲーム
よりはるかに面白い」そうです。そういえば、これもかなり前にテ
レビで見た話で恐縮ですが、中国でもお金を賭けないマージャンが
「競技」として行われているそうです(そのうちにオリンピック
種目になりませんかね???)。

 私のマージャン好きは昔からの仲間はみんな知っています。学生
時代の徹夜マージャンから社会人になってからも随分楽しみました。
今にして思えば随分無駄な時間を費やしたなあという悔いも若干残
っていますが、でも健康麻将の提言を受けてすぐ反応できたのは、
マージャンの楽しさを知っていたからなのでしょうか。来年あたり、
「市長杯」を出してくれというような話になれば楽しいなあと期待
しています。

 私も含めて、現在のマージャン愛好家がこのルールのマージャン
に入ってくるかどうかというと、正直言って当面は難しいでしょう
ね。でもみんな高齢者になってきていますから、いずれ友達が欲し
くなって、仲間になってくると私は思っています。それよりマージ
ャンが世間に認知されたゲームとして、オリンピックや日本選手権
に登場するようになれば、張り切って我こそはと名乗りを挙げてく
るはずなのですが。

 思い出話をひとつ。塚田前市長の前の故柳原市長が、お酒とパチ
ンコが大好きだったことは有名です。昭和48年、柳原さんが最初
の市長選挙に当選された後の話ですが、柳原さんから「マージャン
をやりましょう、青年会議所の皆さんとでどうですか?」と誘われ
ました。そして卓を囲んだのですが、柳原さんは大きな風呂敷包み
を抱えて来られて、その中から小物を沢山出し、「今日は、上がっ
たら景品を上げます」という話。今なら100円ショップで売って
いるようなものや飴玉みたいな景品でしたが、いい思い出として記
憶に残っています(でも、それ以後、柳原さんのお誘いも、私たち
の仲間からの挑戦もなく、1回で終了しました)。