2005年6月30日木曜日

大岡地区・信更地区でのこと


 6月22日(水)、「みどりの移動市長室」で、大岡地区へ行っ
てきました。「みどりの移動市長室」は、私ができるだけ多く各地
域に足を運び、さまざまな団体の活動を見せていただき、また、直
接皆さんと懇談させていただくことを目的に開催しています。

 皆さんご承知のとおり、今年1月1日の市町村合併によりまして、
豊野・戸隠・鬼無里・大岡の4地区が新たに長野市に仲間入りしま
したので、合併した地区へ伺ってみたいと思い、今回は合併した地
区で初の移動市長室を開催しました(移動市長室としては、新年度
になってから、何カ所かお伺いしています)。

 大岡地区は高齢化率約44%と、長野市内で最も高い地区であり、
また、一人暮らしの高齢者が全世帯の2割を占めています。そのよ
うな中で、“自分の家にずっと住みたい”“自分のことは自分でし
たい”と誰もが願うことを目指し活動をしている「大岡すわろびく
すサークル」が訪問先でした。このサークル名を初めて広報広聴課
から聞いた時はよくわからなかったのですが、「座ってエアロビク
スをやろう」という皆さんのグループ活動で、20名ぐらいの皆さ
んが、インストラクターの指導で、楽しく運動しておられました。
私も一緒に「すわろびくす」をしましたが、なかなか運動量も多く、
汗をかくほどでした。このサークルの名前は素晴らしい、若々しく、
格好良いと思いました。

 この活動は、平成15、16年度、国の国保総合健康づくり支援
事業のメニューの一つとして行ってきた活動ですが、継続していき
たいとのことから、本年度「ながのまちづくり活動支援事業」に応
募し、市民審査員の目にかなって補助金が交付されました。応募し
た時のプレゼンテーションでは、代表の皆さんが真剣に取り組んだ
そうですが、大変だったそうです。私はその緊張感が良かったので
はないですかと、申し上げました。

 私は懇談の冒頭挨拶で、毎年実施している「まちづくりアンケー
ト」において、市民の皆さんの行政に対する要望の第一位はいつも
「高齢者福祉サービスの充実」ということで、常に多くの関心が注
がれています。そこで高齢者が健康で生きがいのある生活を送り、
サービスを安心して利用できる明るい長寿社会を築くよう、行政と
しても、一生懸命取り組んでいると申し上げました。

 その後の懇談での話を若干紹介しますと、今年は補助をもらえた
けれど、来年も・・・という話がありましたが、それは市長の決め
ることではなく、市民審査員の皆さんの審査で決まります、でもあ
ちらこちらから希望は多いので、来年ももらえるかどうか・・・難
しいかも知れません(本音を言えば、補助に頼らない道を作ってほ
しい)と申し上げました。

 一番多かったのは、この「すわろびくす」サークルに入ってから、
体調がよくなった、血圧が下がった、痩せた、腰痛が楽になった、
というような話で、良いことずくめの賞賛の声でした。

 次は公共交通機関の問題でした。確かに採算問題でバスの運行が
なくなった地区はたくさんあるのですが、合併前の大岡村は村営バ
スや有料輸送のハッピー号が走っていて、当面は合併後もそのまま
長野市が引き継ぎ市営バスとして運行していますが、全市的にみる
と、バランス上はなかなか難しい問題があります・・・と率直に申
し上げました。

 出席されていた診療所の先生からは、国の介護制度の方向性につ
いて、介護度の低い方については、介護度が上がらないように、予
防重視へ向いてきている。この政策は、従来からもやっているのだ
が、その効果について客観的評価が欠落していることに問題がある
という指摘をいただきました。私からは、「介護保険だけでなく行
政の事務事業の全てにわたって、評価が大切になっている。長野市
も約1800事業の評価に取り組んでいるが、まだまだと感じてい
る」という話をさせていただきました。

 約1時間半、汗をかいたり、話をしたり、楽しい時間をすごさせ
ていただきました。高齢者の皆さんが努力されている姿、この輪が
大きく広がり、介護保険の負担が減れば行政としては嬉しい限りで
す。

 大岡地区での移動市長室の後、干ばつの状況を視察しました。今
年の異常渇水は相当深刻な状況になっており、4~6月の降水量が
平年の30%強ぐらいということで、昔から農業用水として雨水を
貯めておく、ため池を頼りにしている信里地区、そして信更地区の
一部では大変なことになっています。これはもう災害であるという
判断から、早速、「農作物等干ばつ対策本部」の設置を決定しまし
た。

 信更町灰原地区から篠ノ井信里地区にかけて、水がなくなって水
田が干上がって地割れしている状況を視察しました。こうなってし
まうと、少しばかり雨が降っても全て土に染み込んでしまうだけだ
そうです。ため池には、私の目からみると若干の水が残っているよ
うに見えましたが、防火用水を兼ねているので空には出来ない、仮
に全部の水を払ってしまうと、池の底が地割れしてしまい、補修し
ないと水が溜まらなくなる。さらに残っている水では、地域の水田
の必要な分を満たすことは出来ない。そんなことから、地区で話し
合い、これ以上水を払い出すことを止めた地区もありました。私は
農業社会についてまだまだ知らないことが多いこと、そして農村は
地域共同体として生活しているのだな・・・ということを痛感しま
した。

 地域の農協の方やため池を管理しておられる方から、今までの水
不足による干ばつは7月だったけれど、今年は4~6月の水不足な
ので代かきも出来ず、こんなことは初めてだというような状況をお
聞きしました。明日、最後の水を払うけれど、それでおしまい、あ
とはやりようがないというお話は、本当に悲しくお聞きしました。

 大体10年に一度ぐらい干ばつになるそうで、抜本的な対策の必
要性は感じているけれど、「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」みたい
な話で、恵みの雨が降ったり、翌年になってしまうと・・・。この
地域にはため池が数多くあり、その管理は集落ごとで管理している
大きなものや、個人で所有しているいわゆる個人ため池もあって、
水利権についても複雑な状況にあるようです。

 農業集落排水事業の進展で、下水道の整備が進んでいるけれど、
そのことが沢筋の水量を減らしている・・・すなわち川の水がきれ
いになって、あちらこちらで蛍の復活が話題になっているが、農家
にとっては、必ずしも良いことではない・・・といった意見もお聞
きしました。

 長野市では、大至急関係者を集めて、水源確保や給水用ポンプの
共同利用などの対策はもちろん、水道局、消防局等関係部局もあげ
て、協力体制を確保していきます。

2005年6月23日木曜日

温湯地区温泉利用施設整備・運営PFI事業がスタートしました


 長らく市民の皆さんに親しまれてきた温湯(ぬるゆ)温泉市民セ
ンターが老朽化したため、平成15年度をもって閉館させていただ
いたことは、ご存知の方もいらっしゃると思います。そして新たな
施設整備が要望される中で、新しい温泉掘削にも成功したこともあ
って、長野市としてもなんとか地元の皆さんの要望に沿いたいと考
え、各方面との話し合い、事業化の検討、建設場所の選定作業等に
取り組んでまいりました。

 このたび、地元の皆さんのご協力も得て、綿内東山工業団地内の
一角に、市民の皆さんの憩いの場に加え、老人福祉センターを併設
する温泉利用施設を設置することになり、5月21日(土)安全祈
願祭が行われました。ここに至る間、地元意見の調整にご努力いた
だいた県議会議員さん、市議会議員さん、地元の区長さん、綿内東
山工業団地の皆さんに、感謝申し上げたいと思います。

 本事業の一番の特徴は、施設の建設から運営まで、PFI(注)
を使って、民間資金や運営ノウハウを活用する事業化への取り組み
ということであります。この手法は長野市ではもちろん、長野県内
でも初めてということで、非常に注目を浴びています。この財政難
の時期、今後も大いに活用したい手法ですが、長野市としても初め
ての計画なので、ここに至るまでにいろいろ研究してまいりました。

 PFI事業方式を採用するには、「事業が小型すぎるのではない
か」、「延べ払いの公共事業に過ぎない」、「手続きがやっかいで
実施までに時間がかかりすぎる」など、いろいろなご意見をいただ
きました。しかし、このPFI方式は民間活力導入の一つの選択肢
であり、民間ノウハウが活用され素晴らしいサービスが行われるう
え、一度に多くの資金がいらない、維持管理経費を含めたトータル
コストも低い、もしかすると新しい産業が起きるのではないか・・・
そして契約期間(今回は15年間に設定されました)終了後は、名
実ともに長野市の資産になる・・・ということからPFI方式とい
う手法を活用してサービスを提供する魅力は充分にあると判断し、
踏み切ったものです。

 3月25日(金)に議会の議決をいただき、SPC健康福祉マネ
ジメント株式会社さんと正式契約いたしました。本施設の建設・運
営をお願いする「SPC」とは特別目的会社というもので、今回の
場合は、設計会社、建設会社、施設運営会社等がグループを組んで
温湯温泉施設の建設と運営という特定した目的を達成するために、
設立された会社です。この会社の母体となるグループが総合評価一
般競争入札に参加し、選定委員会において事業者としての決定を受
け、その後正式に会社(SPC)を立ち上げ、長野市と契約して事
業に取り組むことになったわけです。すなわち、会社(SPC)は
温湯温泉施設を自らのお金で、設計・施工し、完成後15年間営業
し、期間満了後、長野市に施設を引き渡して、そのあと、出資者が
利益を分けあって会社(SPC)を解散することになります。その
間、利益が上がらなければ損することになりますから、皆さん一生
懸命頑張ってくださるはずで、その分サービスは良くなるというの
が、長野市の期待するところです。

 SPCが提出した企画書では、この施設は温泉を利用したプール
でインストラクターによる各種教室を開催する健康維持増進ゾーン、
各種浴槽・サウナ等を利用した温浴施設ゾーン、各種講座を開催す
る老人福祉ゾーン等からなる特徴ある施設となります。どうか、市
民の皆さんには大勢来場していただき、活気ある施設となることを、
そして事業者の皆さんには素晴らしい施設を建設していただき、良
いサービスを提供し、大いに利益を上げていただくことをお願いい
たします。

 PFI事業とは若干違いますが、現在、長野市は指定管理者制度
の導入に向けて、ピッチを上げています。5月末締め切りの募集に
多くの応募があり、ホッとしています。この制度も民間活力導入の
一つの手法であり、これから応募者について審査させていただき、
それぞれ管理者を決めたいと思っていますが、既にこの手法につい
ては、採用済みの施設があります。それは、1月1日の合併前に豊
野町が温泉施設「りんごの湯」をJAながのに、また鬼無里村が共
同作業所「てづくな」を鬼無里地区社会福祉協議会に、それぞれ指
定管理者として指定し、現在順調に運営されています。りんごの湯
については、合併後の現在は利益の半分が長野市に入る契約になっ
ています。

 いずれにしろ「民間で出来ることは民間に」という流れは、これ
からもどんどん進むはずです。もちろん手法はいろいろであると思
います。施設の目的、形態、建設年度等によってベストの方法を選
んでいくことが求められています。

(注)プライベート・ファイナンス・イニシアチブ(Private Finance
Initiative)の略。民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用
して公共施設等の設計、建設、維持管理、運営等を行う手法のことで、
平成11年に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に
関する法律(PFI法)」が成立し、国や各自治体で事業化に取り組
んでいる。

2005年6月16日木曜日

クール・ビズについて


 COOL BIZ(クール・ビズ)とは、28度の冷房でも涼し
く効率的に働くことが出来るような「夏の軽装」のことだそうです。
環境問題、特に地球温暖化を防止するため、冷房設定温度を28度
にして暑さをしのごうということで、そのためにノーネクタイ、ノ
ー上着での新しいスタイルを進めていこうということのようです。

 何年か前にも、省エネスタイルの洋服が出現し、政治家の方々が
率先して着ておられましたが、もうひとつピンとこなかったせいか、
あまりはやらなかったように記憶しています。そこで、今回は地球
温暖化防止「国民運動」として、国を挙げて取り組む姿勢をアピー
ルしているようで、宣伝もかなり大胆に、そしてスタイルの幅もか
なり広げているように思います。ワイシャツの型を変えたり、いろ
いろなカラーを使ったり、背広の材質を工夫したり、有名タレント
や財界人の方々をテレビコマーシャルに登場させて、ファッション
ショーを開催したり・・・ニュースでも、夏の商戦好調という報道
もあるようです。

 長野市では、毎年6月15日から9月末まで、上着・ネクタイ着
用は不要ということで夏の軽装を実施していました。ただ今年は、
政府を中心に大キャンペーンをやっていますので、少し早めて6月
6日から実施しています。

 ただ、従来の観念からすると、上着・ネクタイの着用は、社会人
としてのマナーであり、例えば来客があったとき、上着なしでは失
礼だと自分自身が感じる、あるいは、訪問する場合、失礼があって
はならない、そんな気持ちから、執務中、仮に上着を脱いでいても、
いつでも着ることが出来るように、そばに置いていました。また、
「仕事をするぞ」あるいは「仕事をしているのだ」ということを実
感させる効果があります。そのようなことから、なかなか夏の軽装
が徹底されなかったことも事実です。

 私の個人的な意見・・・というより好みかもしれませんが・・・
「夏の間は出来ればネクタイを外し首回りをゆったりさせたい」と
いつも思っていました。でも社会通念から、踏み切れませんでした。
汗だくになって、上着を片手にもって歩くのは、つらいものがあっ
たと今でも思っています。

 6月7日(火)・8日(水)、東京で全国市長会があり、7日
(火)、全国都市再開発サミットで、長野市長として20分ほどの
事例発表の場がありました。前日、クール・ビズの話を聞いていま
したので、問い合わせをしたところ、ノーネクタイ・ノー上着でや
ってほしいとの話でした。それならと私はクール・ビズスタイルで
やらせていただきました。8日(水)の全国市長会の会場では、3
分の1ぐらいの市長さんは、上着なしでした。そして来賓として出
席された小泉総理大臣、麻生総務大臣、中山文部科学大臣の3人は、
完全なクール・ビズスタイルでした。

 長野に帰り、私は秘書政策課と打ち合わせし、できる限りクール
・ビズスタイルで通そうということになりました。確かに従来の社
会通念から言えば、若干失礼だと思われることはあるでしょうが、
市長が先頭に立ってやらなければ、結局中途半端に終わる。環境問
題を考えれば、この動きを定着させたい・・・私はそのように考え
ました。

 東京から帰った翌日、長野中央ライオンズクラブの結成40周年
の式典がありました。厳粛な「式典」ということで迷ったのですが、
敢えてクール・ビズスタイルで祝辞を述べさせていただきました。

 ただ、クール・ビズが直ちに地球温暖化防止に結びつくかどうか、
疑問があります。従来から長野市では空調温度は28度に設定して
いますので、市役所としては使うエネルギーに変わりはない・・・
そのような所が他にもあるのでは・・・。でも市民の皆さん全体が
協力すれば、ホテルや会議場でも28度にしてもお客様が不快に感
じない状況がつくれるかもしれません。市役所に来てくださる方も、
不快に感じることはなくなるのでは・・・と期待していますし、さ
らにはこのことをきっかけにして、環境に対する配慮を多くの方が
考えてくださるようになれば・・・と考えています。

 個人的には、クール・ビズスタイルを始める時に、結構お金がか
かると感じました。普通のワイシャツで、ノーネクタイ・ノー上着
ではどうも格好が悪い。ワイシャツはボタンダウン、生地も白だけ
でなくカラフルに、上着を着るなら軽い風通しのよいモノ・・・。
それも1枚で済むわけではありませんから、一時的に出費が多くな
る部分もあると思います。

 では、経済効果はどうでしょうか。ワイシャツ売り場は活況を呈
しており、夏の商戦をリードしているという報道がありますが、他
の売り場はどうでしょうか?ある業界は死活問題だという話も聞き
ました。ただ、経済の問題として考えた場合、ワイシャツ業界や一
時的な話は別として、あまり景気の刺激にはならないのでは・・・
と感じていますが、私は、今年の夏はできる限りクール・ビズで通
してみようと決心しています(ただ、議場も含めすべての場所と
いうわけにはいかない場面もありそうです)。

2005年6月9日木曜日

長野は元気です!


 5月後半から今週まで、長野の元気を証明するいくつかのイベン
ト等がありましたので紹介します。

1.エコール・ド・まつしろ2004実行委員会が全日本広告連盟
 の第13回全広連広告大賞を受賞しました。

 この大賞は、年度に1件だけという大変名誉な賞です。全国の広
告関連団体、広告会社、そしてメディアなどの関係者、約1,000人
が参加して、金沢市で開催された全日本広告連盟の全国大会の席上
で、大賞贈呈式が行われました。長野市からは市川助役やエコール
・ド・まつしろ2004実行委員会の市川会長が出席しました。

 受賞理由は、エコール・ド・まつしろ2004実行委員会が展開
した多様なイベントの実施と連動して、明確な広報宣伝計画に基づ
いた立体的・多面的な広報・宣伝活動が評価されたものです。戦略
的観光キャンペーンと位置付け、松代へのリピート客獲得を目指し、
従来見るだけであった松代の歴史的文化財を活用した「遊学城下町
信州 松代」ブランドを全国に向けて集中的に発信し、2004年
度の年間集客目標数の80万人を年度途中で達成した実績も評価さ
れました。

 エコールとは、フランス語で「学校」を意味し、「エコール・ド
・まつしろ(まつしろの学校)」は、松代に残る歴史的文化財を生
涯学習・趣味を嗜む(たしなむ)舞台として活用し、生涯学習交流
リゾート地になることを目指したこれまでの観光イメージとは異な
る、まったく新しい試み。
と最大級の評価をいただきました。

 松代の住民の皆さんを中心に、準備に1年余りかけ、そして松代
地域の区長会・松代商工会議所などの地域住民やエコール・ド・ま
つしろ倶楽部に集結した多くのボランティアの皆さんの力が見事に
結実して、年間86万人のお客様を迎えることができました・・・
長野市としても誇らしい出来事でした。

2.5月22日(日)、ビッグハットでNHKのど自慢が行われま
 した。

 こののど自慢は、本年1月1日、長野市、豊野町、戸隠村、鬼無
里村、大岡村が合併したことを記念して、長野市がNHK長野放送
局にお願いして、実現したものです。NHK側も大勢の観客が収容
できるビッグハットでの開催ということで大変気合いを入れてくだ
さり、日本有数の大規模なのど自慢にしようと宣伝にも大いに力が
入りました。

 観覧にお出でいただいた皆様は、応募総数約7,500人の中か
ら、抽選によって当選された約4,000人のかなりラッキーな方
々でした。会場にはまだ観客席を作れそうな余裕があるように思い
ましたが、放送局長に話を伺うと、会場は十分大きいけれど、舞台
からあまり遠くなってしまうとよくないそうです。日本最大級で、
収容人数では全国で2番目ということでした。長い歴史のあるのど
自慢ですから、2番目というのは凄いことです。

 そして出場された方々、応募総数は890組だったそうですが、
抽選で250組が選ばれ、のど自慢本番の前日に同じビッグハット
で予選会が行われ、22組の出場者が決まりました。実に、約40
倍の難関を突破しての出場ということで、大変だったようです。カ
ラオケが普及したせいでしょうか、出場者は大変上手な方が多かっ
たと思います。出場された皆様の歌声で、全国に新長野市をPRし
ていただき、嬉しく感じました。

 ゲスト出演は、都はるみさんと門倉有希さんでした。門倉さんの
歌は「ノラ」が有名ですが、私たちの年代には少し難しい。都はる
みさんの歌は、私たちの年代のカラオケリストにも入っているので
大いに楽しみました。

3.長野市では50年ぶりにプロ野球の巨人軍公式戦が行われまし
 た。

 5月24日(火)、県内では14年ぶり、長野市では実に50年
ぶりとなる巨人軍公式戦「巨人対ロッテ」が、長野オリンピックス
タジアムで行われました。長野に大勢おいでになるプロ野球ファン
の皆さんも大いに楽しまれたことと思います。試合はロッテが投打
にわたり圧倒的な強さを発揮し、巨人ファンにとってはお気の毒な
結果だったことは、皆さんご存知のとおりです。随分古い話ですが
、多分50年前の試合だろうと思いますが、私も城山野球場へ見に
行ったことがあります。球場が狭かったこともあるでしょうが、た
くさんのホームランが乱れ飛んだこと、強烈な印象として覚えてい
ます。

 試合前、テレビ信州の会長さん、社長さんと一緒に、巨人軍の堀
内監督と話す機会に恵まれました。今、巨人はあまり調子が良くな
いが、これから巻き返すと意気込みを語っておられました。プロ野
球の隆盛のためにも、ぜひそうあってほしいものです。

 私からは、長野は巨人ファンも多いし、この球場の素晴らしさは
オールスターゲームでも立証されているので、ぜひ今後も来ていた
だきたい。特に北陸新幹線が完成したら、従来富山で巨人軍が北陸
シリーズをやっているのを、新幹線シリーズということで、長野―
富山シリーズとして是非やってほしいという話をしました。

 始球式ではなかなか味な演出がありました。地元の少年野球チー
ム「南長野ファイターズ」のメンバー9人が、巨人軍の選手と一緒
にそれぞれの守備位置についたことです。投手は、篠ノ井東小学校
の今井君、投球は見事にストライクが決まり、観客も大喜びでした。
恥を申し上げるようですが、私も東京ドームで2年続けて都市対抗
野球大会で始球式をする栄誉をあたえられたことがありますが、2
度ともワンバウンドでした。あのマウンドの高さは、素人にはかな
り厳しいものでしたが、それに比べ、今井君は見事でした。また、
巨人の選手と一緒に守備位置についたこと、これは少年野球チーム
の皆さんには、素晴らしい思い出づくりになったことと思います。

 今回の巨人戦は、オリンピックスタジアムが完成して以来、長野
市民とすれば大いに期待していたイベントでしたが、なかなか実現
しなかったものでした。本年からプロ野球の仕組みが少し変わり、
新しい仕組みとして始まったセ・パ交流戦の中で実現したものです。
今までのフランチャイズだけでなく、地方球場でもっとファンを獲
得したい・・それには大きな球場が必要ということで長野開催にな
ったのだと思っていますので、今後も継続が期待できるのでは・・
と感じています。そうなると、毎年きてくれている西武球団をはじ
め、長野でのプロ野球試合が段々盛んになるのではないか・・・大
いに期待したいと思っています。

4.本年度の中央通りの歩行者天国が始まりました。

 6月5日(日)、長野中心市街地、中央通りの歩行者天国のテー
プカット・パレードに参加しました。国道406号との交差点でテ
ープカットをさせていただき、長野西高校、長野商業高校、文大付
属長野高校のバトントワラーズ、市立更北中学校のブラスバンド、
ブロードウェイ・キッズ・ジュニアの皆さん達と、薄っすらと汗を
かくぐらいの好天に恵まれた中、華やかなパレードを繰り広げまし
た。パレードを行ってくれた若い人たちの素晴らしい笑顔が、大変
印象的でした。

 今年も11月まで月1回、地元商店街が主催する様々なイベント
やまつりが、歩行者天国で繰り広げられます。ぜひ多くの皆さんに
足を運んでいただけたらと思います。

 以上、5月後半からの元気な話題を4つ報告させていただきまし
た。

2005年6月2日木曜日

浅川治水について


 浅川や千曲川の治水について考えておられる団体から浅川治水を
含む長野市の治水対策について、公開質問状をいただき、回答いた
しました。以前にも「浅川ダムに関する長野市の意見」というメル
マガを書いていますが、いい機会ですので今回、改めて浅川の治水
について私の考えをお話ししたいと思います。

 公開質問状には、ダムの安全性や豪雨から発生する水害から、地
域をどのような水準で守ればよいか、もっと水準を下げてもいいの
ではないかと思われるようなことが書かれていました。過去の論議
の経過を考えますと、私は、「ダムの安全性に関すること」、「基
本高水など治水安全度に関すること」、「ダムサイト及びその周辺
の地質の安全性」等については、現段階では専門的な深い知識を持
たない者が議論しても、いたずらに時間を費やすだけであると考え
ております。それは、お互い感情的な言い合いに終始するだけにな
り、問題の解決を難しくするだけだと考えるからです。それらのこ
とは、県の検討委員会や浅川部会、その後の流域協議会等の論議を
通じても充分理解できることと思います。

 さらに付け加えるならば、これらの「安全性や安全度」について
は、既にあらゆる場で専門家により論議されており、専門的見地で
の判断材料を持たない者の意見や考えが入る余地はないと思ってい
ます。したがって、現段階でまだ議論する余地があるとするならば、
専門的な知識を有する学者(国がその権威を認めておられる方々)
及び河川管理者等に、議論と判断を委ねるべきであると考えていま
す。

 また、ご質問の中には私がダムの建設を今も主張しているのでは
ないかと書かれていました。このことについては、過去に私が参加
した長野県治水・利水ダム等検討委員会の席上では、既に国が認可
した「全体計画」に沿って治水対策を行うこと(すなわちダム建設
を含む計画)が、浅川流域住民の生命や財産を守る最善の策だと申
し上げてきた経過はあります。しかし、現段階で、県はダムに替わ
る基本高水450トンの治水対策があるとおっしゃっているわけで
すから、その対策を早く示していただくように申し上げているので
あり、単純にダムを造るようにと申し上げているわけではありませ
ん。ただ平成14年6月に「ダムに替わる治水対策がある」と説明
されてから既に約3年が経過しております。本当に実現可能な代替
案が出てくる可能性はあるのでしょうか?

 また、昨年、善光寺平に大きな被害をもたらした台風23号に触
れ、浅川治水の全体計画で採用された降雨の量と同程度の雨が降っ
たにもかかわらず、富竹の流量観測地点では計画された数値に近い
流量が流れなかったから基本高水を変えたらどうかとも言っておら
れます。しかし、台風23号の降雨と流出量の関連についての判断
は、治水の責任を持つべき河川管理者(県)がきちんと検証を行な
い、住民がそのような疑問を持っているとするならば、河川管理者
はその疑問にきちっと答えるべきだと考えています。ご質問のよう
なある部分だけをとらえての検証はできないと同時に、大変危険な
判断ミスをされていると考えています。

 また、浅川の上流部に貯水ダム(河道内遊水地を含む自然調節方
式の穴開きダム)を建設することは災害を軽減するどころか、逆に
内水災害を拡大深刻化させるとのご意見を言っておられますが、こ
れは穴開きダムを提案された河川管理者(県)がお答えすべき事項
であります。ただ、流域協議会などへの説明では穴開きダムは検討
段階であり、県として確定した案ではないと前置きしての説明であ
りますので、明快な回答はないかも知れません。しかし、どんな事
情があるにせよ発表した以上は安全性や機能、事例なども含め、疑
問をお持ちの方々にきちっと説明すべきであります。なお、国や権
威ある専門家の方に非公式にお聞きした範囲では、穴開きダムでも
一定の効果は見込める可能性はあるのではないかとのことであり、
一部その研究もされている事例もあると伺っています。

 さて、平成16年度からは浅川河川改修工事が再開されましたが、
これは平成7年3月に国から認可された「全体計画」を法的なより
所(現河川法では河川工事をする場合には河川整備計画を立てなけ
れば実施出来ないとなっています)として進められています。河川
改修は、それだけでも治水安全度が少しでも上がりますので、どん
どん進めていただきたいと考え、流域にお住いの皆様の理解をより
深め、早期に完成が出来るように、本市においても浅川流域内の各
同盟会や協議会等に対し工事現場の見学会や出前講座等を開催した
り支援を行ってきました。

 次に、治水に関して全般的な事項についての質問がありましたの
で、お話しします。

 長野市は昨年(平成16年6月)「長野市洪水ハザードマップ」
を作成しました。ハザードマップは国土交通省北陸地方整備局から
公表された千曲川・犀川浸水想定区域図に基づいています。また、
土砂災害に注意すべき場所については「長野市防災マップ」として、
平成14年に、全戸配布をいたしました。しかし、千曲川支流の中
小河川については、河川管理者(県)からの浸水想定区域が公表さ
れておりませんので配布できておりません。しかし、今回、水防法
が改正され、浸水が想定される区域においては洪水予報や伝達方法、
避難場所などを住民に周知させなければならないとなりましたので、
県から浸水が予定される区域の発表があれば、それに基づいて至急
ハザードマップを作成していきたいと考えています。

 また、千曲川水系の治水対策についてのご質問がありましたが、
河川管理者(国)に対しては流域の市町村と連携をとりながら「北
陸直轄河川治水期成同盟会」及び「千曲川改修期成同盟会」等の組
織づくりをしており、連携して地域の安全を目指した努力をしてお
ります。

 堤防については、長野市内だけに限ってみますと、千曲川完成堤
防の整備率は約51%ですが、残りは暫定堤防か、あるいは暫暫定
堤防、無堤防地区になっています。これらの言葉は一般的には聞き
慣れない専門用語ですが、計画高水に対して堤防の余裕の高さが足
りているかいないか、あるいは計画どおりの線形に造られているか
いないかを表しており、犀川の安茂里地区を除き、その他の地域で
水害を防ぐ手だてが全く施してない所はないと申し上げることがで
きます。

 千曲川・犀川の堤防築造については、治水を担当している国土交
通省千曲川河川事務所に対し、長野市として用地問題、分散してい
る樋管を統合しなければいけないという問題など、解決した部分か
ら整備を行ってもらうように調整や要望を行っていますが、これも
住民の皆様や土地を所有あるいは管理しておられる皆様のご協力が
必要なことは言うまでもありません。

 以上、浅川治水や治水全般についての考え方を申し上げました。
ることが、流域住民の生命と財産を守るための最低限の条件である
ことを繰り返させていただき、また、市内全域で水害が発生しない
ように長野市としても計画的に事業を行っていることを付け加えて
終わりにいたします。