6月22日(水)、「みどりの移動市長室」で、大岡地区へ行っ
てきました。「みどりの移動市長室」は、私ができるだけ多く各地
域に足を運び、さまざまな団体の活動を見せていただき、また、直
接皆さんと懇談させていただくことを目的に開催しています。
皆さんご承知のとおり、今年1月1日の市町村合併によりまして、
豊野・戸隠・鬼無里・大岡の4地区が新たに長野市に仲間入りしま
したので、合併した地区へ伺ってみたいと思い、今回は合併した地
区で初の移動市長室を開催しました(移動市長室としては、新年度
になってから、何カ所かお伺いしています)。
大岡地区は高齢化率約44%と、長野市内で最も高い地区であり、
また、一人暮らしの高齢者が全世帯の2割を占めています。そのよ
うな中で、“自分の家にずっと住みたい”“自分のことは自分でし
たい”と誰もが願うことを目指し活動をしている「大岡すわろびく
すサークル」が訪問先でした。このサークル名を初めて広報広聴課
から聞いた時はよくわからなかったのですが、「座ってエアロビク
スをやろう」という皆さんのグループ活動で、20名ぐらいの皆さ
んが、インストラクターの指導で、楽しく運動しておられました。
私も一緒に「すわろびくす」をしましたが、なかなか運動量も多く、
汗をかくほどでした。このサークルの名前は素晴らしい、若々しく、
格好良いと思いました。
この活動は、平成15、16年度、国の国保総合健康づくり支援
事業のメニューの一つとして行ってきた活動ですが、継続していき
たいとのことから、本年度「ながのまちづくり活動支援事業」に応
募し、市民審査員の目にかなって補助金が交付されました。応募し
た時のプレゼンテーションでは、代表の皆さんが真剣に取り組んだ
そうですが、大変だったそうです。私はその緊張感が良かったので
はないですかと、申し上げました。
私は懇談の冒頭挨拶で、毎年実施している「まちづくりアンケー
ト」において、市民の皆さんの行政に対する要望の第一位はいつも
「高齢者福祉サービスの充実」ということで、常に多くの関心が注
がれています。そこで高齢者が健康で生きがいのある生活を送り、
サービスを安心して利用できる明るい長寿社会を築くよう、行政と
しても、一生懸命取り組んでいると申し上げました。
その後の懇談での話を若干紹介しますと、今年は補助をもらえた
けれど、来年も・・・という話がありましたが、それは市長の決め
ることではなく、市民審査員の皆さんの審査で決まります、でもあ
ちらこちらから希望は多いので、来年ももらえるかどうか・・・難
しいかも知れません(本音を言えば、補助に頼らない道を作ってほ
しい)と申し上げました。
一番多かったのは、この「すわろびくす」サークルに入ってから、
体調がよくなった、血圧が下がった、痩せた、腰痛が楽になった、
というような話で、良いことずくめの賞賛の声でした。
次は公共交通機関の問題でした。確かに採算問題でバスの運行が
なくなった地区はたくさんあるのですが、合併前の大岡村は村営バ
スや有料輸送のハッピー号が走っていて、当面は合併後もそのまま
長野市が引き継ぎ市営バスとして運行していますが、全市的にみる
と、バランス上はなかなか難しい問題があります・・・と率直に申
し上げました。
出席されていた診療所の先生からは、国の介護制度の方向性につ
いて、介護度の低い方については、介護度が上がらないように、予
防重視へ向いてきている。この政策は、従来からもやっているのだ
が、その効果について客観的評価が欠落していることに問題がある
という指摘をいただきました。私からは、「介護保険だけでなく行
政の事務事業の全てにわたって、評価が大切になっている。長野市
も約1800事業の評価に取り組んでいるが、まだまだと感じてい
る」という話をさせていただきました。
約1時間半、汗をかいたり、話をしたり、楽しい時間をすごさせ
ていただきました。高齢者の皆さんが努力されている姿、この輪が
大きく広がり、介護保険の負担が減れば行政としては嬉しい限りで
す。
大岡地区での移動市長室の後、干ばつの状況を視察しました。今
年の異常渇水は相当深刻な状況になっており、4~6月の降水量が
平年の30%強ぐらいということで、昔から農業用水として雨水を
貯めておく、ため池を頼りにしている信里地区、そして信更地区の
一部では大変なことになっています。これはもう災害であるという
判断から、早速、「農作物等干ばつ対策本部」の設置を決定しまし
た。
信更町灰原地区から篠ノ井信里地区にかけて、水がなくなって水
田が干上がって地割れしている状況を視察しました。こうなってし
まうと、少しばかり雨が降っても全て土に染み込んでしまうだけだ
そうです。ため池には、私の目からみると若干の水が残っているよ
うに見えましたが、防火用水を兼ねているので空には出来ない、仮
に全部の水を払ってしまうと、池の底が地割れしてしまい、補修し
ないと水が溜まらなくなる。さらに残っている水では、地域の水田
の必要な分を満たすことは出来ない。そんなことから、地区で話し
合い、これ以上水を払い出すことを止めた地区もありました。私は
農業社会についてまだまだ知らないことが多いこと、そして農村は
地域共同体として生活しているのだな・・・ということを痛感しま
した。
地域の農協の方やため池を管理しておられる方から、今までの水
不足による干ばつは7月だったけれど、今年は4~6月の水不足な
ので代かきも出来ず、こんなことは初めてだというような状況をお
聞きしました。明日、最後の水を払うけれど、それでおしまい、あ
とはやりようがないというお話は、本当に悲しくお聞きしました。
大体10年に一度ぐらい干ばつになるそうで、抜本的な対策の必
要性は感じているけれど、「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」みたい
な話で、恵みの雨が降ったり、翌年になってしまうと・・・。この
地域にはため池が数多くあり、その管理は集落ごとで管理している
大きなものや、個人で所有しているいわゆる個人ため池もあって、
水利権についても複雑な状況にあるようです。
農業集落排水事業の進展で、下水道の整備が進んでいるけれど、
そのことが沢筋の水量を減らしている・・・すなわち川の水がきれ
いになって、あちらこちらで蛍の復活が話題になっているが、農家
にとっては、必ずしも良いことではない・・・といった意見もお聞
きしました。
長野市では、大至急関係者を集めて、水源確保や給水用ポンプの
共同利用などの対策はもちろん、水道局、消防局等関係部局もあげ
て、協力体制を確保していきます。