2005年6月16日木曜日

クール・ビズについて


 COOL BIZ(クール・ビズ)とは、28度の冷房でも涼し
く効率的に働くことが出来るような「夏の軽装」のことだそうです。
環境問題、特に地球温暖化を防止するため、冷房設定温度を28度
にして暑さをしのごうということで、そのためにノーネクタイ、ノ
ー上着での新しいスタイルを進めていこうということのようです。

 何年か前にも、省エネスタイルの洋服が出現し、政治家の方々が
率先して着ておられましたが、もうひとつピンとこなかったせいか、
あまりはやらなかったように記憶しています。そこで、今回は地球
温暖化防止「国民運動」として、国を挙げて取り組む姿勢をアピー
ルしているようで、宣伝もかなり大胆に、そしてスタイルの幅もか
なり広げているように思います。ワイシャツの型を変えたり、いろ
いろなカラーを使ったり、背広の材質を工夫したり、有名タレント
や財界人の方々をテレビコマーシャルに登場させて、ファッション
ショーを開催したり・・・ニュースでも、夏の商戦好調という報道
もあるようです。

 長野市では、毎年6月15日から9月末まで、上着・ネクタイ着
用は不要ということで夏の軽装を実施していました。ただ今年は、
政府を中心に大キャンペーンをやっていますので、少し早めて6月
6日から実施しています。

 ただ、従来の観念からすると、上着・ネクタイの着用は、社会人
としてのマナーであり、例えば来客があったとき、上着なしでは失
礼だと自分自身が感じる、あるいは、訪問する場合、失礼があって
はならない、そんな気持ちから、執務中、仮に上着を脱いでいても、
いつでも着ることが出来るように、そばに置いていました。また、
「仕事をするぞ」あるいは「仕事をしているのだ」ということを実
感させる効果があります。そのようなことから、なかなか夏の軽装
が徹底されなかったことも事実です。

 私の個人的な意見・・・というより好みかもしれませんが・・・
「夏の間は出来ればネクタイを外し首回りをゆったりさせたい」と
いつも思っていました。でも社会通念から、踏み切れませんでした。
汗だくになって、上着を片手にもって歩くのは、つらいものがあっ
たと今でも思っています。

 6月7日(火)・8日(水)、東京で全国市長会があり、7日
(火)、全国都市再開発サミットで、長野市長として20分ほどの
事例発表の場がありました。前日、クール・ビズの話を聞いていま
したので、問い合わせをしたところ、ノーネクタイ・ノー上着でや
ってほしいとの話でした。それならと私はクール・ビズスタイルで
やらせていただきました。8日(水)の全国市長会の会場では、3
分の1ぐらいの市長さんは、上着なしでした。そして来賓として出
席された小泉総理大臣、麻生総務大臣、中山文部科学大臣の3人は、
完全なクール・ビズスタイルでした。

 長野に帰り、私は秘書政策課と打ち合わせし、できる限りクール
・ビズスタイルで通そうということになりました。確かに従来の社
会通念から言えば、若干失礼だと思われることはあるでしょうが、
市長が先頭に立ってやらなければ、結局中途半端に終わる。環境問
題を考えれば、この動きを定着させたい・・・私はそのように考え
ました。

 東京から帰った翌日、長野中央ライオンズクラブの結成40周年
の式典がありました。厳粛な「式典」ということで迷ったのですが、
敢えてクール・ビズスタイルで祝辞を述べさせていただきました。

 ただ、クール・ビズが直ちに地球温暖化防止に結びつくかどうか、
疑問があります。従来から長野市では空調温度は28度に設定して
いますので、市役所としては使うエネルギーに変わりはない・・・
そのような所が他にもあるのでは・・・。でも市民の皆さん全体が
協力すれば、ホテルや会議場でも28度にしてもお客様が不快に感
じない状況がつくれるかもしれません。市役所に来てくださる方も、
不快に感じることはなくなるのでは・・・と期待していますし、さ
らにはこのことをきっかけにして、環境に対する配慮を多くの方が
考えてくださるようになれば・・・と考えています。

 個人的には、クール・ビズスタイルを始める時に、結構お金がか
かると感じました。普通のワイシャツで、ノーネクタイ・ノー上着
ではどうも格好が悪い。ワイシャツはボタンダウン、生地も白だけ
でなくカラフルに、上着を着るなら軽い風通しのよいモノ・・・。
それも1枚で済むわけではありませんから、一時的に出費が多くな
る部分もあると思います。

 では、経済効果はどうでしょうか。ワイシャツ売り場は活況を呈
しており、夏の商戦をリードしているという報道がありますが、他
の売り場はどうでしょうか?ある業界は死活問題だという話も聞き
ました。ただ、経済の問題として考えた場合、ワイシャツ業界や一
時的な話は別として、あまり景気の刺激にはならないのでは・・・
と感じていますが、私は、今年の夏はできる限りクール・ビズで通
してみようと決心しています(ただ、議場も含めすべての場所と
いうわけにはいかない場面もありそうです)。