2005年12月28日水曜日

年末随想


 今年最後のメルマガになりました。一年を振り返って、いろいろ
書くのが通例でしょうが、それはいろいろな場面で申し上げていま
すので、今年は個人的に感じていることを、書かせていただきます。

【「公」と「私」】
 私は市長就任以来、いろいろな場面で「公」と「私」の区分で悩
んでいます。どんなことで悩んでいるか、お聞きください。

(1)まず勤務時間の問題です。首長には(と言うより行政の特別
 職には)出勤簿がありません。したがって始業・終業時間、休日
 といった概念はないようです。すなわち、「公の時間」という規
 定がありませんから、今日は体調がすぐれないから役所へ行きた
 くないと思って、休んでも減給なんてことはないはずですし、欠
 勤扱いにもなりません。それだけに、かえって休むことが難しい、
 市役所が休みでも市長はいろいろな公務があるので、「私の時間」
 はほとんどとれません。休みが欲しいのが本音です。

(2)市長就任以来、事故をおこす危険性から自分で車を運転して
 はいけないと厳しく言われ、運転手さんの運転で公用車に乗って
 いるのですが、ちょっとした私用が困るのです。例えば公務の合
 間にちょっと病院で診察して欲しい、ちょっとした時間の合間に
 書店に寄って本を買いたい・・・その都度タクシーを呼ぶのは時
 間がかかりますし、次の約束に遅れる危険性もありそうです。こ
 ういう場合、申し訳ないですが、仕方なく公用車を使わせてもら
 っています。

(3)タクシーのチケットも悩んでいることの一つです。私はタク
 シーチケットを公用と私用の2種類持っているのですが、夜の懇
 談会(公務)の場合、公用車は私を会場に送り届けたあと、極力帰
 ってもらっています。終わって帰る時、通常はタクシーで公用の
 チケットを使いますが、同じ方向へ帰る方が同乗することもあり
 ます。懇談会の後、誘われて2次会に行くこともありますが、こ
 れは私用チケットを使うのは当然です。

(4)「パソコンの使い方がわからないとき」、「個人用のパソコ
 ンの調子が悪い」、「自宅内無線がうまくいかない」・・・そん
 な時、秘書あるいは無線に詳しい職員に手伝ってもらうことがあ
 ります。しかし、家でしか書く時間がないメルマガを広報広聴課
 に送る必要があったり、公の内容のメールを転送したりしますの
 で、これは公務と考えるより仕方ないのですが。

(5)次は旅費についてです。私は、市長就任後3カ月の頃、ソル
 トレークシティー(冬季オリンピック視察)とクリアウォーター
 市(姉妹都市への表敬)を訪問しました。そして、クリアウォー
 ター市からの帰途、乗り継ぎ地のロサンゼルスで休暇をとりまし
 た。理由は同地で駐在員生活を送っていた息子の家を訪問したか
 らです。そこで秘書課が悩んだのは、私のロスから日本までの帰
 りの旅費が公費か、私費かでした。結局、規定の経路分について
 は公費で払いました。

(6)会費等の参加負担金も厳密に考えると、迷いがないわけでは
 ありません。数年前、全国市長会(東京)の折、稲門市長会(早
 稲田大学出身の市長の集まり、毎年全国市長会の折、大学の総長
 も出席して交流会を開いている)があり、初めての会合でしたの
 で、稲門市長会に出席しましたが、その会費を公費で払ったこと
 を、市議会で共産党さんが問題視しました。やましいことは全然
 ありませんが、この会費の問題だけでなく、あらゆる団体・組織・
 協会等のお招きをどうすべきか・・・出席すべきではないという
 のも、一つの見識ですが、情報収集、あるいは長野市の考え方を
 知っていただくという面から、可能な限り出席しています。

 公的な仕事か、私的な仕事か、首長の場合、区別は付け難いこと
は事実です。いずれにしろ、公と私の区別はきちんとしなければな
らない・・・当たり前ですが、区別が付け難いあいまいな部分があ
る。現状は、責任は自分でとるとして、秘書政策課の判断に任せる
より仕方がないのですが・・・。

【ぜいたく?】
 「長野市長の専用車『リース料5年で600万円』財政改革の中
ぜいたく?」こんな見出しが新聞に載ったことを、ご覧になりまし
たか?
 先日、市長の公用車購入についての入札が行われました。現在乗
っている車は、前市長が乗っておられたものを、そのまま引き継い
だ車です。
 少し前、秘書政策課から1月に市長車のリースが切れるというこ
とで、相談がありました。私は「現在の車に別に不満はない。再リ
ースをすればかなり安くなるだろうから、このままでよい」。でも
運転手さんは、あまり調子がよくないとも言っていたので「変える
なら、ハイブリッド車で小さ目の環境にやさしい車にしてください」
と伝えました。

 しばらくして、秘書政策課から「いろいろ調べたけれど、現在の
車のリースは、再リースしてもあまり安くならない。それと調子も
よくなく、最近は修理が多い状況にある。ハイブリッド車には適当
な四輪駆動車がなく、長距離出張を考えるとある程度の大きさが必
要」との理由で、「今までと同程度(装備も含めて)の車にしたい、
リース料金は入札すれば、今までよりも安くなり、5年リースで車
検等を含め約600万円、月10万円前後(車検等も含む)ほどに
なる」との報告があり、結局了解しました。

 ところが、情報公開が徹底しているせいでしょう、新聞の紙上で
前述のような大きな見出しの記事があらわれました。この記事を読
んで、皆さんはどう思われましたか?

 記者からは市に問い合わせがあったそうです。秘書政策課では前
記の事情と、装備にあるシートヒーターとシートバイブレーター
(記事ではマッサージ機能でしたが)について、2つの機能は車の
装備で既にセットになっていること、急な外出や屋外活動の際に体
を冷やさないようにするためシートヒーターが必要であることを、
きちんと説明したそうですが、その上での記事です。

 無視すればそれまでですが、私は見過ごすことができない記事と
考え、あえて反論します。私は、政策上のことで、批判、あるいは
反論されても、それが事実に基づいたことであるなら、結構です。
きちんと議論して、皆さんの批判を仰ぐ度量は持っているつもりで
す。仮に対象が個人のことであっても、事実なら甘受しますし、間
違ったと思えば謝ります。

 ただ、今回の記事は、大見出しで「ぜいたく?」ということです。
記者が本当に贅沢と感じたなら、はっきり理由を書いて「贅沢」と
書くべきです。それなら、私の対応は違うのですが、「?」という
ことは、断定せずに、それでいて読者に贅沢ということを、印象つ
けようという意図が見えます。報道というより意見でしょうし、メ
ディアが批判された時の逃げも打っているのです。メディアの誘導
の典型例と申し上げたい。

 そして内容が、私個人が関係すること、特に私が一番自分に戒め
ていること、すなわち「公と私」の項で述べたように、個人の勝手
で市に負担をかけることはしないという心情に対する、裏づけが不
十分な意見記事と感じたので、許せないのです。前述のような経過
の中で、私とすれば十分検討し、適当な車と結論づけた上で決めた
ことです。もっときちんと「ぜいたく?」という根拠を示してもら
わなくては納得できません。

 同時期、別の新聞にも私への批判記事が載っていました。大型店
問題に関する件で、内容に私としては不満がありますが、これは、
政策のことであり、事実に基づいて、そう考える人がいても当たり
前と感じていますので、「財政改革の中ぜいたく?」の記事とは質
が違います。参考意見としてお聞きし、いずれ堂々と議論させてい
ただくつもりですが・・・。

【年末のご挨拶】
 今年最後のメルマガで随想風ということで、私の思いをぶちまけ
させていただきました。お許しください。
 来年は良い年でありますよう、そして正月は雪を楽しみましょう。
 良いお年をお迎えください。

2005年12月27日火曜日

選挙と民主主義の根幹と既存不適格について


【選挙と民主主義の根幹】
 私は、自分の選挙を2回やってみて、いろいろな矛盾を感じてい
ます。11月に開催された長野県18市選挙管理委員会連合会委員
長会の際に、開催市の市長としての挨拶の中で次のような話をさせ
ていただきました。

 「選挙」は民主主義の、あるいは地方自治の根幹をなす制度です
から、大切であることは当然です。でも投票率が40%を割ってし
まった選挙が果たして民意を正確に反映していると言えるのか、少
なからず疑問を感じています。民主主義=選挙とは思っていません
が、今の制度にはどうも疑問があります。

 10月30日の市長選挙後いろいろな人と話してみました。「選
挙権の行使を権利ではなく、義務にすべきである。義務ならペナル
ティーを課すことが出来る」「選挙が有効と判定されるための最低
投票率を決めるべきである」「世論調査の方が民意を表すことが出
来る」「地方首長選は、アメリカ大統領選挙のような中間選挙人に
よる間接選挙にした方が良い」「正しい民意を探る方法としての選
挙とはいえ、市長選挙で9千万円も使うなんてもったいない」「マ
イナス選挙を認めて落としたい人に投票するのは、どうか」「コン
ピューター投票を採用したら、物珍しさもあって投票率アップにつ
ながるかも」・・・珍案を含めていろいろな意見がありました。
また、私は姉妹都市クリアウォーター市で、向こうの市長やコミッ
ショナー(議員)と懇談したとき「40%は上出来、クリアウォー
ター市では30%もいかない」という話をお聞きして愕然としたこ
とを思い出しています。

 選挙管理委員会が明るい選挙推進協議会や各地区の白バラ友の会
と一緒にいろいろな投票率を上げるための運動をされても、効果が
薄い(すみません)。もう少し効率的に、きちんと民意を政治・行
政に反映するシステムはないものか。

 いずれにしろ、このまま推移すると、というより先進国では投票
率はドンドン下がる傾向にあるということですから、ある勢力が、
ある意図をもって地方選挙を占拠する事態、選挙の結果が一般の世
論とは全く違う結果となることが絶対ないとは言い切れないと思い
ます。「候補者に魅力がないがゆえに投票率が上がらないのだ」と
いう意見、「結果が決まったような選挙で投票に行かない」、「争
点がない」といった意見もありますが、選挙と民主主義について、
我々一人一人が考え直す必要があると思います。 

【既存不適格】
 この言葉、皆さんご存知ですか?私は市長に就任してから知りま
した。なるほどなあと思いますが、極めて変な話です。現在社会問
題になっている「姉歯事件」とも無関係ではありませんので、皆さ
んにもぜひ知ってほしいと思い、私なりに書いてみます。

 具体例で申し上げますと、長野市民会館は昭和36年、市役所第
一庁舎は昭和40年の建設ですから、現在の耐震基準(昭和56年
に法律で決められています)には適合していません。「危険」とい
う点だけで考えれば、姉歯事件のマンションやホテルと同じことな
のです。姉歯事件は、現在の基準決定以後の建物で、耐震法に違反
しているので許されない、市役所の建物は、建設当時の法律には合
致していて、現在も存在しているので「既存不適格」ということで、
違反にはならない・・・ということです。

 こういう建物はたくさんあって、法律が変わったことで違法にな
ったのではたまりませんから、仕方がないとは思います。でも危険
かどうかという点で考えてみれば、どうでしょうか。日本の建物の
耐震基準は、大きな地震で被害が出る度に強化されてきたそうで、
新しい基準が決まると、それ以前の建物は、「既存不適格」という
ことなのだそうです。

 もう少し踏み込んでみますと、この「既存不適格」建築物の増築
等を行う場合は、現在の耐震基準に合うように補強工事等をするこ
とになるのですが、それまでには相当の時間がかかります。

 阪神淡路大震災を教訓に、法整備が進み、現在の耐震基準以前に
建てられた、学校、病院など多くの人々が利用する建物では、耐震
診断や補強工事をして建物を安全に保つ努力をしなさいということ
になっていますので、建物の所有者の方には耐震についての啓発を
行っていますが、努力義務のためになかなか耐震診断や補強工事が
進まないのが現状です。

 また、本市においては今年度から昭和56年以前に建てられた木
造の戸建て住宅について、耐震診断と耐震改修をするための費用を
補助する制度をはじめており、多くの申し込みをいただいておりま
すが、今後とも今まで以上に皆さんに耐震というものに関心を持っ
ていただきたいと思っています。

 安全なまちづくりの必要性が叫ばれている中、市民の命と財産を
守るために行政の責任者としてどう考えるか。いずれにしても、
「既存不適格」は厄介な課題です。

 それともう1つ、姉歯事件に絡んで、私が記者会見で申し上げた
ことが、若干誤解されている面があるようですので、説明させてい
ただきます。

 構造計算が偽造されている建物が、長野県内でも見つかって、ホ
テルの営業が出来なくなるなど、大変な事態が発生し、社会問題に
なっていることは、私も承知しています。長野県では、行政が構造
計算ソフトを購入して、過去の確認書類を再計算すると発表しました。

 建築確認ということでは、長野市は長野県と同じ立場(建築確認
を受け付ける)ですが、本市では記者会見で「現段階では長野市は
同じことをやるつもりはない」という意味の発言をしました。市民
の皆さんからなぜ?という質問をいただいております。

 本市では、建築確認の審査については、複数チェック体制をとり、
また十分な審査時間をかけて審査を行い、更に建築主事が最終判断
し厳格に審査を行っており、問題はないと判断しており、今すぐに
プログラム導入による再計算は考えておりませんということです。

 しかし、今回の事件を踏まえ国も危機感をもっており、建築確認
制度全体の見直しを急ぐとともに、建築基準法改正等の検討も行っ
ています。本市は、その動向をきちんと見極める中で、プログラム
導入についても今後、適切な対応等総合的に判断していきたいと考
えています。再計算を全く否定したものではないということを改め
て申し上げます。

 また、再計算とは別に過去に本市が建築確認した3階建て以上の
マンション等について、安全性を再確認するための再点検を行って
います。

 加えて、今回の事件を受け、建築確認でのチェックとは別に、不
正工事防止のため工事途中に行う中間検査を充実し、チェック機能
の強化を図っていきます。

 本市では従来、鉄骨造りについてのみ中間検査を実施してきまし
た(当時県と話し合い、一番問題なのは、鉄骨造りの溶接部分であ
る、ということで決めたことです)が、今回、検査対象建築物の範
囲を拡大し、鉄骨造りに加えて、新たに長野県内ではじめて鉄筋コ
ンクリート造り及び、鉄骨鉄筋コンクリート造りについても中間検
査を実施することとしました。この中間検査は、民間指定確認検査
機関についても検査が義務付けられ、市内に建設されるすべての対
象建築物について検査が行われることになり、チェック機能が強化
され、不正建築物をなくすために非常に有効な手段と考えています。

2005年12月22日木曜日

今年はスキー場が元気になりそうです


 12月17日(土)、戸隠スキー場の「スキー場開き」に出席し
ました。今年は例年になく雪が早く降ったおかげで、長野県内のス
キー場は多分みんな大喜びでしょう。長野市も3つのスキー場を抱
え、多額の経費がかかるスキー場の運営状況は長野市にとっても重
要案件ですから、今シーズンのスタートとなるスキー場開きには、
私もぜひ出席したいと伝えてありました。

 個人的には2年前のシーズンから、私はスキーにはまりました。
何回かこのメルマガでも紹介しましたが、友人の「何かスポーツを
やれ」というアドバイスと具体的にスキーを勧められたことが再び
始めたきっかけでした。やってみたら過去のスキーと違い、スキー
に革命が起きていて(すなわちカービングスキー(注))、操作が
非常に楽で、誰にでも安全に出来ることがわかったこと、アフター
スキーの楽しみ(皆で酒を飲みながらワイワイやること)を知りま
した・・・今は本格的なスキーシーズンの到来を、首を長くして待
っている状態です。

(注)カービングスキー・・・これまでのノーマルなスキー板に比
 べてトップ(前)とテール(後ろ)が太くなっていて、より簡単
 にターンが出来るスキー板

 朝10時からの式は、雪はタップリ、天気は快晴で、これ以上に
ないほどのスキー日和でした。戸隠神社の宮司さんに今シーズンの
安全を祈願していただき、玉ぐし奉奠(ほうてん)、鏡割り、私や
市議会議長、地元代表の挨拶のあと、花火を合図に、たいまつを持
ったスキーデモンストレーターの人たちが見事な滑りを披露し、勇
壮な戸隠太鼓の音もゲレンデに響いていました。

 そのあと、戸隠スキー場の新しい企画として、今年から開設した
「めのうシニアスキークラブ」のルームを訪問しました。ここは会
員制(本年の場合は会費3,000円です)になっていて、いろい
ろ特典があるようです。私も早速、会員第1号となり、部屋に自分
の名札を下げてきました。特典のなかで、特に私は最新型の試乗用
スキーが自由に借りられるようになっていることに魅力を感じまし
た。カービングスキーなど操作が楽で安全な道具が開発され、圧雪
車が入って、しっかりと整備されているゲレンデに、かつてスキー
を愛した多くのシニアの皆さんを「とにかく楽しいから、もう一度
やりましょう。」とお誘いしたい心境です。

 当日は私も滑りたかったのですが、前日から風邪気味で点滴を打
ってもらっている状態でしたので、残念ながら滑れませんでした。
私の仲間は私に対し気の毒そうな顔をしながら、喜々として滑りま
くっていました。当日の有料入場者数は1,000人を越したそう
です。ちなみにオープン日の入場者数は平成15年500人、16
年は300人だったそうですから、今年は大いに期待できそうです。

 戸隠スキー場は、昭和38年、バードラインが開通した頃にオー
プンしたのだそうです。そして年々来場者も増え、平成4~5年に
は55万人のお客さんが来場されたそうですが、昨シーズンは遂に
10万人を割る状況になってしまいました。6分の1は厳しいです
よね。もう一度20万人ぐらいのお客様を迎えるにはどうするか、
長野市に与えられた課題だと思っています。

 一方で、ヨーロッパやアメリカではスキー場が今、元気なのだそ
うです。アジアでも国民所得があがるにつれて、スキー人口は増え
ているようです。オーストラリア資本が北海道のスキー場を買い取
ったという話がありましたよね。日本のスキー場だけが何か元気が
ない・・・私はこの状況を是非打破したいと考えています。首都圏
からも近い長野県は有利な位置にある、絶対にスキーのメッカに再
びなれる・・そんなことを信じ、努力したいと思っています。みん
なの力で必ず再生しましょう。

 まずは合併効果を意識して、当面の誘客ターゲットは長野市を中
心とした周辺の50万人と考えています。50万近い人々がスキー
場から30~40分圏内に住んでいる、こんな有利なスキー場は他
にはないと思います。そして関東圏、関西圏へと一歩一歩広げてい
きたい。いずれは外国でも本格的な宣伝活動を展開したいと考えて
いますが、まず今年は韓国の旅行会社と組んで韓国からスキー客を
誘致する計画も進んでいるようです。

 また、スキー場民営化構想については、戸隠支所長と地元の「ス
キー場を考える会」の皆さんが中心になって検討を始めています。
きっと素晴らしい案をまとめてくれるはずです。

 スキー場開きから帰る途中、飯綱高原スキー場も、ゲレンデのす
ぐ近くから視察してきました。23日がオープンということで、人
影はありませんでしたが、既に圧雪車が入ってゲレンデの整備をし
ていました。ここも今年は雪不足に嘆くことはなさそうです。


※今年最後のメルマガは、12月28日(水)に配信予定です。

2005年12月15日木曜日

11月の出来事


 年の瀬の慌ただしさを感じるころとなりましたが、11月にもい
ろいろありました。

【第100回長野えびす講煙火大会】
 11月23日(水)、勤労感謝の日、犀川の河川敷で、「第100
回長野えびす講煙火大会」が盛大に行われました。明治32年に始
まったといわれ、途中、戦争等で中止もあったということですが、
いずれにしても100回というのは、大変なことです。

 100回目の記念大会、1月に合併した4町村との合併記念とい
うこともあって、市も支援をいたしましたが、協賛金をお願いした
方々もかなり張り込んでいただいたようで、98年長野オリンピッ
ク冬季競技大会の閉会式以来の盛大な花火だった・・・という評価
が多かったようです。

 花火は、新作花火コンテスト(私も審査員を務めました)を含め、
例年は4000発だそうですが、今年は6000発とはるかに多い
打ち上げがあったということで、皆さん満足されたのではないでし
ょうか。スターマインの凄さ、数の多さ、100回にふさわしい大
会だったと思います。

 当日は、暖かい陽気で、風も無く、素晴らしい「花火日和」でし
た。主催者発表では34万人の人出だったということです。前にも
メルマガに書きましたが、冬が近いこの時期は、空は澄んでいて花
火がきれいに見える、夏の花火とは全く違う趣きがあり、また、全
国的に見ても、この時期の花火はあまりありませんので、年々盛ん
になって、長野の名物に成長してきた・・・そんな気がします。

 主催者の長野商工会議所は、有料の個人観覧席を当初1000席
計画されたそうですが、予約が好評で、1500席に増やしたそう
です。旅行会社が多くの予約を入れ、ツアーを組んでくださったよ
うで、お客さんは県外の方が多かったようです。

 私の唯一の心配は、犀川の土手の上り口付近の混雑で事故が起こ
らなければよいがということでした。私が市長就任の少し前になり
ますが、兵庫県の明石駅で、事故が起きて大勢の人が亡くなったこ
とを記憶されている方は多いと思います。私は市長就任直後の平成
13年のこの煙火大会を経験して、あそこは事故の危険性が大きい
と感じ、管理する千曲川工事事務所の所長さんにお願いして階段の
整備をしていただきました。今回はさらに警察の方々が最大限の警
戒をしてくださいました。お一人怪我をしたという情報もお聞きし
ていますが、大事に到らずホッとしています。危険はまだまだあり
そうです。皆さん、早く帰りたいという気持ちは分かりますが、押
さないようにしてほしいと思います。

 いずれにしろ、盛大な煙火大会が、無事出来たことは、嬉しかっ
たです。

【横幹連合コンファレンス】
 この名前、皆さんは多分ご存知ないと思います。私も初めてお聞
きしました。でも大変な学会で、出席させていただいてびっくりし
ました。

 横幹(おうかん)連合とは、横断型基幹科学技術研究団体連合の
略だそうで、科学技術分野の研究者の皆様が横断的に結集され「知
の統合」を図っていこうという過去に例をみない試みを推進してい
る組織です。平成15年4月に30学会を会員として設立され、平
成17年10月にNPO法人化され、現在43学会、延べ会員数は
6万5千人にものぼるそうです。43の会員学会の名前は、多岐に
わたりとても覚えられませんが、会長に産業技術総合研究所理事長
の工学博士吉川弘之氏、副会長にBMC研究センター生物制御シス
テム研究チームリーダーの工学博士木村英紀氏、未来技術情報時限
研究専門委員会副委員長の工学博士江尻正員氏・・・そんな名前が
つながるわけですから、大変な会、そして未来志向の凄い団体だと
思います。その横幹連合コンファレンスの第1回大会を、11月25
日(金)長野市で開いていただきました。

 このコンファレンスで「コトつくり長野宣言」が採択されました。
この長野宣言は(1)知の統合に向けた学問の深化とその推進、
(2)横断型基幹科学技術を活用した社会問題解決、(3)知の統
合を推進・定着させるための人材育成、というもので、私は「コト
つくり」とは、日本がこれまで技術を蓄積し、世界的にも優位性を
保っている「ものつくり」を生かしながら、新たな視点からこれを
拡大・発展させていこうという活動だと理解いたしました。

 いずれにしろ、このコンファレンスの記念すべき第1回が長野市
で開催され、長野宣言が発せられたことは、大変な名誉であり、嬉
しく思いました。

【柵(しがらみ)小学校の閉校式】
 11月26日(土)、戸隠地区の柵小学校の閉校式に出席しまし
た。69名の児童、教師、小学校の卒業生、戸隠地区の市民の皆さ
ん、長野市教育委員会委員など、大勢の方が出席され、厳粛かつ意
義ある式典でした。

 柵小学校は明治7年の創立ということです。明治5年が学制発布
ですから、大変古く伝統のある学校です。創立当時は栃原学校とい
う名称だったそうですが、繰り返す町村合併の変遷の中で、柵村に
なって柵小学校になったようです。

 柵小学校は、平成18年3月31日で閉校し、戸隠小学校、宝光
社分校と統合した新しい戸隠小学校が来年4月1日に開校すること
になっています。これは、合併前の戸隠村が三校を統合するという
決定をし、合併協議を通してその意志が確認され、今日に到ったも
のです。戸隠村の皆さんは、学校には適正規模が必要で、子どもた
ちは切磋琢磨するなかで、社会性を学ぶことが必要ということで、
意志決定をされたとお聞きしています。学校が閉校になることは残
念ですが、子どもたちのことを考えれば、私も旧戸隠村の皆さんの
決断に敬意を表したいと思っています。

 式典では、校長先生から過去の歴史を振り返りながら、子どもた
ちに統合した新しい学校に慣れてほしいという話、昨年の卒業生が
作った「ふるさと柵」という歌を、69名の児童がきれいな声で合
唱、呼びかけ、そして出席者全員で歌った「故郷」・・・大変感銘
深いものでした。最後に嬉しい天からの贈り物として、裾花川で発
見された350万年前の大きな化石を校長先生が紹介されました。
柵小学校の校舎が化石館として再生されるだろうことを願っての素
晴らしいパフォーマンスでした。

 同日、宝光社分校でも長い歴史を持つ学校との「お別れ会」が行
われました。児童が各学年ごとに寸劇などを披露し歴史を振り返っ
たようです。

【第10回長野市環境こども会議】
 11月27日(日)、長野市環境こども会議が開催されました。
この会議は長野ライオンズクラブをはじめ諸団体のご協力をいただ
いて開催しているものですが、本年は第10回目ということで、市
民会館を会場に一日がかりで行われました。信州大学の学生たちも
一生懸命ボランティア参加してくださいました。

 環境省の環境教育推進室長さんも例年の如く参加してムードを盛
り上げていただき、こどもエコクラブや環境教育モデル校の人たち
の実例報告が、劇や研究発表を通して楽しく繰り広げられました。
子どもたちへの環境教育の大切さが強調されている今日、意義のあ
るイベントであり、大人が見ても勉強になりました。

2005年12月8日木曜日

12月に入りました


【12月市議会が始まりました】
 12月1日(木)、2期目就任後、初めての議会が始まりました。
秘書政策課とも打ち合わせをして事前に練りに練った所信を、多少
緊張しながら表明させていただきました。

 詳細については、長野市ホームページに全文掲載(注)させてい
ただいておりますので、長くて恐縮ですが、私の2期目に向けての
基本方針、選挙で公約したマニフェスト(市民の皆さんとの約束)、
長野市の当面の課題等、私の思いもすべてを含んでおりますので、
お読みいただければ幸いです。

 冒頭、私は4年前に市長就任以来、一貫して主張し続けてきた
「民間活力の導入」は今後もぶれることのない私の信念であり、2
期目を迎えて、さらにその思いを強くしていることを申し上げまし
た。行政主導から市民主体の自治に移り変わる大転換期、私の歴史
的使命として、あらゆる改革の原点、切り口として努力することを、
述べさせていただきました。

(注)平成17年12月市議会定例会「市長議案説明要旨」
  http://www.city.nagano.nagano.jp/ikka/shomu/gikai.htm

【市川助役が退任されました】
 12月2日(金)、私を4年間支えていただいた市川衛助役が任
期満了で退任されました。市川さんは県職員として商工部長、公営
企業管理者を歴任され、平成9年、オリンピックの直前、請われて
長野市助役に就任、塚田市政最後の4年間、そして私の1期目の4
年間、市政の女房役として支えていただいたものです。私からもう
1期お願いできないかとお話ししたのですが、市川さんの信念なの
でしょうか、助役は2期でやめるべきとのことでしたので、私も了
解したものです。

 市川さんには助役として本当によく支えていただいたという思い
があります。政治・行政の世界には全くの素人の私が、突然市長に
就任したわけですが、彼の行政知識、見識のお陰で、大過なく市長
職を務めることが出来たと思っています。私の組織に対する考え方
は、NO.1(市役所でいえば市長)とNO.2(市役所でいえば
助役)が同じタイプの人間ではいけない、常に議論する関係でなく
てはならないということです。その意味でも絶好のコンビであった
と思いますし、「エコール・ド・まつしろ」を陰で成功に導いた功
績は大きなものがありました。

 市川さんからは、40年8カ月の公務員生活を至福の中で終えら
れることの嬉しさの表明がありました。今後は健康に留意され、ま
た、立場は変わっても、長野市政のことにご協力いただきたい旨を
お願いしました。

 さて、長野市はオリンピック前から、助役2人制を採用してきま
した。市川さんの退任でしばらくは酒井助役の1人体制になり、苦
労をかけることになりますが、今後どうするかについては、しばら
く検討させていただきます。国も地方自治法の改革を検討している
ようで、助役・収入役については大幅に変わる可能性があるようで
す。その辺も考慮しながら、新しい体制を考えてまいります。

【新町消防署小川出張所が開所しました】
 少し前の話になりますが、11月15日(火)に新町消防署小川
出張所が開所しました。開所の式典には、多くのご来賓をお迎えし
て厳粛に行われました。

 長野広域消防は、平成7年4月から当時の更水10カ町村と長野
市により消防事務の委託を受け業務を開始しました。本年の1月1
日には市町村合併により新長野市が誕生、また10月には牟礼村・
三水村が合併し飯綱町が誕生し、現在5カ町村(信州新町、中条村、
小川村、信濃町、飯綱町)の長野広域消防体制となっています。

 小川出張所については、長野広域消防体制が発足以来10年を経
過することから、総合的な防災力を検討するとともに、平成16年
4月、小川村・中条村の両村長から、小川地区、中条地区への消防
力の増強の要望が出されました。そこで長野広域消防運営協議会で
検討の結果、小川村役場の一部をお借りして、新町消防署の小川出
張所として設置することが決定、以来準備をしてきたものです。

 昨今の社会情勢を勘案し、小川村役場内に併設された新しい出張
所は、職員数は10名体制で、配備車両は、消防ポンプ自動車・救
急自動車・広報車の3台を配備し、管轄区域を小川村・中条村とし、
住民の生命と財産を守る防災拠点として運用することになりました。

 出張所の執務室は小川村のご好意により、役場の建物の中で明る
くて窓外の景色が素晴らしい良い場所をお借りしました。また、減
菌室、仮眠室、車庫を備えた立派なものです。そして何といっても、
この出張所が出来たことにより、出動からの現場到着時間が、18
分かかっていた地区が5分で到着するなど、格段に短くなりました。
地域に密着した体制がとれるようになったわけで、両地区の皆さん
にとっての安心感は格段に上がったと思います。

 小川村村長さんは「昨今の各地で発生する甚大な災害には目を覆
うばかりであり、日ごろからあらゆる災害に備えるべく地域防災の
強化に努めてきたが、この出張所が開設されたことは、大変心強い」
と喜んでくださいました。確かに、小川村は、近隣の新町、七二会、
鬼無里の各消防署から遠く、現場への到着時間も多くかかっていた
ため、常備消防をぜひ招致したいと願ってこられたわけですから、
それが実現できて、中条村村長さんと共に、大変喜んでいただきま
した。

 私からは、「この施設を有効活用するとともに、今後も5カ町村
と連携をとりながら安全で快適な住みよい地域づくりをめざして、
広域消防体制の充実を図ってまいります。皆さん、ご支援、ご協力
をお願いします」と挨拶させていただきました。

 小川村には、長野市内にあった長野県の旧知事公舎が移転改築さ
れて保存されていることは、皆さんご存知のとおりです。役場の2
階からその建物を眺めてきましたが、懐かしい建物です。今度来る
時は、ゆっくり拝見したいものです。また、村長室には元県知事の
故西沢権一郎さんの写真も飾られていて、これも懐かしく昔を思い
出しました。

2005年12月1日木曜日

ごみ焼却施設の建設候補地に伺いました


 ごみ焼却施設の建設候補地については、長い間の長野市の懸案事
項であったことは皆さんご存知のとおりであり、市長選においても、
私のホームページで市民の皆さんが心配しているテーマの1つとし
て、とりあげさせていただいたものです。

 11月21日(月)、私(市長)、岩倉環境部長、宮澤長野広域
連合事務局長の三人を中心に、市役所、長野広域連合の担当職員が、
大豆島地区の松岡区を訪問させていただき、建設候補地として決定
したことをお知らせし、ご理解をお願いいたしました。
(岩倉部長からは「建設候補地の選定経過と結果」「地域のまちづ
くりについて」、宮澤事務局長からは「広域連合のごみ処理計画の
概要」等について説明させていただきました)

 事業主体になる長野広域連合が、1施設目の焼却施設を長野市に
造るということを決めて以来、長野市は「長野市ごみ焼却施設建設
地検討委員会」を平成16年5月に設置し、市民各層の方々によっ
て検討していただき、平成17年8月、その検討委員会の最終報告
で建設候補地として2カ所の報告をいただきました(この中では、
焼却施設を造る地域の環境整備、まちづくりについても報告いただ
いております)。

 その後、庁内の関係部局で組織する「長野市ごみ焼却施設建設プ
ロジェクトチーム」を設置、検討委員会からの報告を尊重する中で、
候補地を1つに絞り込む作業、そして施設周辺のまちづくりについ
て、検討を重ねてまいりました。報告書の内容の実現は当然ですが、
過去の大豆島地区での「元気なまちづくり市民会議」で出された意
見などについても検討してまいりました。

 プロジェクトチームの議論を政策会議、部長会議でさらに検討を
加え、その結果、「大豆島松岡二丁目サンマリーンながの及びその
周辺部」を建設候補地として選定させていただいたものです。最終
報告2カ所の地区の中では、搬入路の優位性が一番大きかったと思
います。

 建設を予定している焼却施設は、焼却能力、処理方式とも現在の
清掃センターと同等でありますが、異なる点は、焼却灰を有効利用
するための灰溶融炉を備えたことであります。炉については、いろ
いろな方式がありますが、安全性を重視し、一番実績のあるストー
カ+灰溶融の方式に決定しています。

 これらの施設建設につきましては、安全性の確保に万全の対策を
講じることは当然ですが、施設周辺の環境整備には十分配慮し、一
層のイメージアップを図ることをお約束してまいりました。具体的
には、周辺施設については、余熱利用施設の建設や現清掃センター
の取り壊し後の公園化、施設周辺のみでなく、大豆島小学校の環境
整備、総合市民センターの設置、児童センターの移転・拡充、道路
整備についても提案させていただきました。もちろん、これらの整
備については、今後地域の皆さんとの話し合いの中で、最終的な決
定をしていくことになります。

 ごみ焼却施設は、市民生活に欠くことのできない極めて重要な施
設です。周辺住民の皆さんの中には、施設稼動に際し環境への影響
を心配される方、地域のイメージダウンを心配される方もおられる
と思います。私は、施設の安全性については、現在の技術水準での
最高峰のものを造り、迷惑はおかけしないことをお約束するととも
に、素晴らしいまちづくりをして、迷惑施設であるというイメージ
を払拭する施設にしなくてはならないと決意しています。

 この日をスタートとして、地域の皆さんと十分話し合いを重ね、
説明をきちんとさせていただき、ご理解をいただいていきたいと考
えています。