2008年10月9日木曜日

長野市・信州新町・中条村合併協議会が設立されました


 先週の10月2日(木)、長野市・信州新町・中条村合併協議会
設立の調印式が行われました。先月のメルマガ第335号でもご報
告させていただきましたが、この協議会は、各市町村議会で「合併
協議会設置」と「それに伴う補正予算」を議決いただいたことによ
り、この日の設立を迎えることになったものです。

 調印式は、3市町村長のほか、各市町村議会の議長の皆さん方に
もご出席いただいて開催しました。この日、3市町村長が調印した
のは、合併協議会の設置と、それに伴い必要となる事項を定めた協
議書です。協議書には、立会人として議長の皆さん方にも一緒に調
印していただきました。
 6人の調印が済んだ後、まず、私からあいさつをさせていただき
ました。私が申し上げたことの概略は、以下のとおりです。

 「市町村合併は、地方分権の進展、人口減少社会の到来、日常生
活圏の拡大、財政問題など、今日の社会経済情勢の変化に対応し、
基礎自治体の強化、住民の福祉向上を図るための重要な手段です。
長野市では、平成17年1月1日に豊野町、戸隠村、鬼無里村およ
び大岡村と合併し、市内各地域の特性を生かしながら、本市の一体
的な発展のため、さまざまな施策を展開しています。
 このたびの信州新町、中条村の住民総意に基づく合併協議の申し
入れに対しては、平成17年の合併の経験を基に、長野市・信州新
町・中条村合同研究会を設置し、合併に関する基本的事項などの調
査・研究を行い、合併を進めるか否かを判断するための材料を作成
してきました。

 その結果として、各市町村議会の議決をいただき、本日の調印に
よって、いよいよ合併協議会へ検討の舞台を移すことになりました。
 この協議会は、法律に基づく協議会であり、位置付けは、これま
での事務レベルの合同研究会とは異なるものとなります。合併後の
まちづくりについては、「~善光寺平に結ばれる~ 人と地域がき
らめくまち」をコンセプトとして進めていきたいと考えており、合
同研究会での協議結果を基本に、それぞれの市町村の豊かな自然を
生かしながら、それぞれがはぐくんできた歴史や伝統、あるいは地
域の特性を十分尊重し、積極的に協議を重ねていきたいと考えてい
ます。

 もとより、合併に関する情報や協議内容については、住民の皆さ
まに情報提供し、住民の皆さまのご理解をいただきながら取り組ん
でいく所存であり、住民、議会、行政が一体となってこの地域の将
来を、地域づくりをどうしていくのかということをしっかりと議論
していきたいと考えています。
 どうか本協議会が、夢と希望にあふれ、活力ある魅力的な市の誕
生に資する協議会になりますよう、皆さまのご支援、ご協力をお願
いします。」

 続いて、信州新町の中村町長と中条村の久保田村長からもごあい
さつがありました。お二人のあいさつは、おおむね以下のような趣
旨であったと思います。

・信州新町 中村町長
 「地方分権が進む中において、住民の多様化する行政需要に的確
に対応していくためには、市町村の役割が重要になってきている。
ところが、国・地方ともに厳しい財政見通しが伝えられており、小
規模自治体にとっては厳しい将来が予想される。
 このような中で信州新町では、長野市との合併により、一定の行
政サービスの水準を将来にわたり確保・維持していくことが、住民
福祉の向上ひいては地域全体の発展につながるという結論になった。
 これまでの3市町村による合同研究会での調整を基本に、今後も
豊かな自然を生かしながら、先人の皆さまがはぐくんできた歴史や
文化、それぞれの地域の特性を十分に尊重し、互恵互譲の精神を持
って、協議を進めていただきたい。」

・中条村 久保田村長
 「振り返ってみると、中条村では、幾多の壁を乗り越えて、本日
を迎えることができた。その意味で本日は、村民一同、待ちに待っ
た調印式であり、感無量のものがある。中条村は、少子高齢化が大
変進んでおり、加えて財政難でもある。このような中ではあるが、
この地域を守り、皆が中条村に住んでいて良かったと言えるような
地域にしたいと村民皆が考え、方策を模索する中で、長野市との合
併という結論が出た。
 住んでいて良かったという中条村を、今までどおり守っていただ
けるように、また、長野市の皆さんともども栄えるように、そして、
この緑豊かな、こんなに良い地域をぜひ後世にも残していきたい、
そんなことを願いながら、印を押させていただいた。
 残された時間はごくわずかになってきたが、長野市の皆さんのご
迷惑にならないように、一生懸命頑張って合併を迎えたいと思って
いる。」

 その後、立ち会っていただいた3市町村議会の議長さんからもご
あいさつをいただき、最後に6人でがっちりと握手をして、調印式
を終了しました。

 今回、3市町村の合併協議会を設立したことにより、これから、
合併に関する本格的な議論が始まることになります。
 元気なまちづくり市民会議や市町村合併に関する市民会議などで
は、毎回説明させていただいてきたのですが、合併は市町村ができ
る最大の行政改革であると私は考えています。確かに、顔の見える
行政サービスを提供するには、自治体の規模が小さいほど良いとは
思うのですが、例えば、市町村長、議会などを置く必要があるなど、
どんなに規模が小さくても自治体としてどうしても必要となる経費
があります。市町村合併は、このような経費を削減・効率化するこ
とができるのです。

 ちなみに、今回の3市町村で比較しますと、住民一人当たりの歳
出金額(普通会計)は、信州新町が長野市の約1.8倍、中条村で
は約2.6倍です。両町村が長野市よりぜいたくをしているという
ことではなく、上記のような事情から、小さな自治体ほど住民一人
当たりのコストがどうしても高くなってしまうということが、この
数字には表れているようです。

 市民会議では、このようなことや、新「合併特例法」に基づく国
や県の支援施策、合併後の財政見通しなどについて話をさせていた
だきました。これに対して、何人かの皆さんから質問・提言などの
発言はあったのですが、その場では、特に反対意見はありませんで
した。
 ただし、会議が終わってから、お聴きした意見がありますのでご
紹介しますと、「何で信州新町や中条村と合併しなくてはいけない
のか?と思っていたが、説明を聞いて、なるほどと思った。だから
意見を言わなかったのだ」ということでした。

 これは、私の説明が良かったということではなくて、合併するこ
とに対し、いろいろ支援をいただけるメニューを用意してくれた国
・県の施策が良かったということだと思っています。ですので、時
限立法である新「合併特例法」の期限(平成22年3月末)が切れ
ると、新たな合併は難しくなると考えています。
 実は、今回の合併で適用を目指している新「合併特例法」は、平
成17年3月末を期限としていた旧「合併特例法」に比べ、支援が
随分減ってしまっているのです。ご意見をいただいた方とは、「で
も、無いよりは良いですよね・・・」と話してきましたが、たとえ
減ってはいても、支援策があるからこそ、今回の合併を検討するこ
とができるのです。今後、仮に、新・新「合併特例法」ができたと
しても、現在の新「合併特例法」よりは、さらに支援が減ると考え
られますので、当然、新たに合併することは難しくなると思ってい
ます。

 なお、今週の10月6日(月)に、信州新町の中村町長と中条村
の久保田村長と共に、村井県知事を訪ね、「長野県市町村合併構想」
の構想対象市町村へ位置付けていただくよう申し入れを行ってきま
した。
 この構想は、新「合併特例法」に基づいて県が策定したもので、
市町村が合併する際に、国の財政支援措置を受けるためには、この
構想の対象として位置付けられていることが必要になります。県の
構想では、「合併協議会が設置され、申し入れがあった場合に構想
対象市町村として追加する」とされていることから、今回申し入れ
に伺ったものです。知事さんからは、「将来を考え、決断されたこ
とに敬意を表する。県として手続きをきちんと進めたい」とのお話
をいただきましたので、あわせて報告させていただきます。