2008年10月2日木曜日

秋風が吹いて過ごしやすい季節を迎えました


 早いもので、もう10月です。すでに残暑もおさまり、心地よい
秋風を感じる過ごしやすい季節を迎えました。
 ただ、残念なのは、クールビズ・スタイルと称して、ネクタイ・
上着無しで仕事をすることができなくなったことです。今年は特に、
9月市議会定例会の本会議でも、クールビズOKとなりましたので、
市役所の夏の軽装期間である6月から9月末までの4カ月間、6月
市議会定例会とやむを得ない場合以外は、ネクタイをせず、上着を
脱ぐことができて、私にとってはとてもありがたいことでした(先
週から今週にかけて、少し肌寒い日が続きましたが、9月中は意地
でもクールビズ・スタイルを貫き通そうと思い、私は、半袖シャツ
にノーネクタイで過ごしました。ちょっと、涼しすぎて・・・とい
う感じはありましたが)。

 地球温暖化防止のためには、二酸化炭素の削減が最も大切だとい
う認識のもと、生活のいろいろな場面で、一人一人の取り組みが求
められています。そのうち、クールビズは、冷房の設定温度を上げ
て、室内が多少暑くても快適に過ごせるようにしようとの試みであ
ることは、皆さんご承知の通りです。ただ、冬季に行うウォームビ
ズの方が、効果が大きいとおっしゃる方もいますが・・・。

 でも、一方では、地球が温暖化している、ということについて異
論もあるようです。先日、あるテレビ番組を見ていましたら、「地
球は冷えている、5年後になれば分かる」とおっしゃっている学者
さんがいましたし、少し前になりますが、デンマークのビョルン・
ロンボルグ氏も、著書『環境危機をあおってはいけない-地球環境
のホントの実態』の中で、地球温暖化について異論を唱えています。
ただ、この本の内容には、批判的な意見もあるようですが・・・。
 本当のところは、どうなのでしょうか?真偽のほどはともかくと
して、今は、地球温暖化防止は重要なことと信じて取り組んでいく
ということが正解なのでしょう。

 地球温暖化に関して、長野市として悩ましい問題の一つに、スキ
ー場の問題があります。雪がドンドン減ってしまったら困る、設備
投資をしたら資金を回収できなくなるのではないか・・・という心
配です。
 少し前に、このことについて、気象台の関係者に非公式にお聞き
したことがあります。その方によると、「地球温暖化で、気温が上
がれば蒸発する水分が多くなるから降雨量は増えるかもしれない。
そして、標高の低い場所は雨になり、高い場所は雪になるのではな
いでしょうか・・・」ということでした。似たようなことを、信州
大学の教授からお聴きした記憶もあります。

 正確なところは、まだ、はっきりしないようなのですが、本当に
そうなれば、これは、ある意味ありがたい話です。
 すなわち、冬でも平地は雨で、山では雪だということですから、
行政の都合だけで言わせていただければ、平地は除雪費用が掛から
なくて済みますし、雪による交通渋滞も緩和されそうです。そして、
山のスキー場はたっぷり雪があってお客さんに来ていただける。捕
らぬ狸(たぬき)の皮算用、さらには、地球温暖化を容認するのか、
とも言われてしまいそうですし、平地の雪によって商売が成り立っ
ていた皆さんにもしかられてしまいそうですが・・・。でも、期待
したい気持ちもわいてきてしまいますよね。

 ただ、その方に「雪になる所と雨になる所の境目はどの辺でしょ
うか」とお聞きしたのですが、「それは分かりません」とのお答え
でした・・・。標高1,000メートルぐらいであればちょうどい
いのかなとは思いますが・・・。

 話は変わります。少し旧聞(7月)に属することですが、環境対
策として将来に期待が持てる事業がスタートしています。「ながの
学校版環境マネジメントシステム」が動き始めたのです。

 この「ながの学校版環境マネジメントシステム」は、「アジェン
ダ21ながの-環境行動計画」(平成15年3月策定)のプロジェ
クトの一つとして、「ながの環境パートナーシップ会議」が導入の
検討を進めてきたものです。環境問題には教育が大切だ、それには
学校を対象にプロジェクトを考えよう、そんな意気込みがあったよ
うです。

 システムの内容は、環境に配慮した学校づくりに取り組んでいる
学校を審査し、認定するというもので、長野市をはじめ、いろいろ
な企業が取得してきた「ISO14001」の学校版と考えてよい
と思います。
 ただし、長野市のシステムは、ISO14001の基本的な考え
方であるPDCAサイクルを活用しつつも、児童・生徒が取り組み
やすいよう簡易な仕組みとし、環境教育、環境学習に軸足を置いて
います。さらに、学校の主体性を生かし、取り組む内容を規定せず、
最初の取り組みから徐々に広げていけるものにし、最終的にはPT
Aや地域の企業などを巻き込んでいくことも視野に入れています。

 このシステムを導入するに当たっては、まず、平成18年に、こ
のパートナーシップ会議の皆さんが先進地の熊本県水俣市を視察。
この視察を機に、長野市での実施に向けて本格的な準備が始まり、
この会議の中のチームと市の関係課による実施会議において、実施
要項、手順などを作成してきました。そして、平成19年1月から
戸隠小学校で試行し、結果を検証して仕組みを改善。同年10月に、
実施について市内全小・中学校へ周知しました。
 その結果、4校から申請があり、今年の7月10日に開催した認
定委員会で審査し、第1回の認定を決定したものです。

 準備から今回の認定に至るまで、市民・事業者・行政の三者のパ
ートナーシップにより行ってきました。これは、長野市のシステム
の大きな特徴の一つです。
 そして、今後も、「ながの環境パートナーシップ会議」が中心に
なってこのシステムを運用していくことになっており、各学校の取
り組みの支援から、審査、認定に至る一連の過程を三者協働で実施
していくことにしています。参加校はまだ4校と少ないのですが、
徐々に広がっていくことを期待しています。

 今回認定された4校の取り組みをご紹介します。
・櫻ヶ岡中学校 資源回収や地域の美化活動の取り組み
・犀陵中学校  リサイクル推進活動
・安茂里小学校 節電、節水の取り組み
・戸隠小学校  節電、紙ごみ減量の取り組み 緑を増やす活動

 読んでいただければ、お分かりになると思いますが、別に目新し
いこと、難しいことではありません。また、普段の学校活動の中で、
既に取り組んできていることだと思います。
 でも、このシステムの優れた点は、思い付きではなく、目的を決
めて、継続的に取り組んでいくところであり、そこに意義があると
思っています。学校での取り組みは、児童・生徒の卒業、あるいは
先生の転勤によって、継続性が保てない場合があることは、皆さん
ご承知の通りです。このシステムは、その欠点を補うものであると
私は見ています。何といっても環境問題は、地道に継続していくこ
とが大切だと考えています。