2009年4月16日木曜日

新年度の景気(期待を込めて)


 3月市議会定例会で、提出した予算案や条例案をすべて可決いた
だき、新年度がスタートしました。早速、景気刺激策を実施すべく、
準備に取り掛かっています。
 一番の目玉は、何と言っても「定額給付金」と「子育て応援特別
手当」、そして、長野市独自に行う10%のプレミアムを付けた商
品券「ながの“きらめき”商品券」でしょう。

 「定額給付金」と「子育て応援特別手当」は国の施策ですが、長
野市としては早くから賛成し、早く実施してほしいと主張してきま
した。ところが、政争の具にされてしまったが故か、あまり評判が
良くなく、国会の議決が遅れに遅れ、ようやく給付できるようにな
りました。
 この施策は、景気対策と生活安心対策の両方を狙った究極の“バ
ラマキ”です。さまざまなご意見もあるかとは思いますが、成立し
た以上、もっとそれを使って楽しむことを考えることが必要だと思
っています。

 ここで、一つだけお願いです。市民の皆さんの中に「こんなもの
はいらない」と、受け取りを辞退される方がいらっしゃるかもしれ
ませんが、それでは長野市や地域経済のためにはなりません。支給
されずに市に残った分は、国に返さざるを得ないルールなのです。
 長野市では、4月6日に申請書を各ご家庭へ発送しましたので、
ぜひとも手続きをしていただき、受け取ってください。そして、地
域経済活性化のために、できるだけ市内で使っていただきたいと思
います。
 それでもなお、「いらない」と思われる方は、市内の福祉団体、
あるいは受け皿として市が用意している口座でも結構ですから、寄
付していただければありがたいと思っています。とにかく61億円
余、市内に流通したらかなりの景気刺激になるはずです。

 「ながの“きらめき”商品券」は給付金とは違いますが、市内の
景気刺激になればと考えた長野市独自の施策です。1万1,000
円分の商品券を1万円で販売するもので、5万冊、5億5,000
万円分を発行します。5月31日に販売することにしていますので、
市民の皆さまには、ぜひご購入いただき、お使いいただきたいと思
っています。
 ただ、商店会の皆さんの中には、「大部分が大型店で消費されて
しまうのでは?」と、心配する向きもあるようです。お気持ちも理
解できますが、市内の景気を少しでも刺激できたら・・・と考えて
取り組む施策ですので、大売り出しや特別サービスなど、商店会の
皆さんの奮起を期待したいと思っています。

 趣旨は違いますが、善光寺御開帳を記念して長野商店会連合会で
発行した、商品券としても使える“小判”の売れ行きが大変いいよ
うで、追加発行したそうです。この“小判”の売れ行きのように、
市内の消費が伸びることを願っています。

 さらに国では、休日は高速道路をどこまで走っても“1,000
円”、平日も3割引以上という破格の料金設定をして、すでに実施
しています。これも景気刺激策としては有効でしょうね。

 先日、麻生首相から、今後10年間の日本の成長戦略構想が発表
されました。それによりますと、「低炭素社会」の実現に向けて、
太陽光発電パネルの設置や、ハイブリッド車など環境対応車の購入
を補助金で促すほか、介護で30万人の雇用を創出するための補助
制度を盛り込むなど、平成23年度までの3年間に集中投資する方
針を打ち出し、最大60兆円の国内需要と200万人の雇用の創出
も目指すとのことです。
 また、約15兆円の補正予算案を含む経済危機対策も発表されて
います。

 4月2日に閉幕した金融サミットでは、世界経済の成長率を2%
に回復させるために「あらゆる行動をとる」との首脳宣言が採択さ
れたそうです。来年末までの財政出動が総額500兆円になること
も明記されたとのことで、参加国が協調して、雇用の維持、創出を
目指す、ということも明るい材料の一つです。

 これらの施策に刺激されて、景気は絶対に良くなるはずだと私は
信じています。さらに幸いなことに、長野市では、5日から始まっ
た善光寺御開帳、そして、平年より6日も早く咲き始めたという市
内の桜も長野の街を華やかに彩ってくれています。長野マラソンで
も、大勢のランナーの皆さんが長野の中央通りを走り抜けてくれる
ことでしょうし、ゴールデンウィークには善光寺花回廊も開催され
ますから、長野市は、少なくともほかの地域より元気が出るはずで
す。何かと暗い話が多い中で、明るく元気な長野です。不況風を吹
き飛ばして楽しみましょう。

 昨年の秋以降、急激な景気悪化が始まり、企業業績も落ち込んで、
派遣切り、格差社会、1億総中流社会の崩壊、モノが売れない・・
・こんな言葉がマスコミの見出しに踊っています。“景気は気のも
の”と言われるように、あまりにマスコミが悲観的な記事ばかり出
すものですから、日本国民は必要以上に悲観ムードになっていると
思っています。

 特に、長野市の場合、過去に製造業の大企業が撤退してしまった
こともあり、“ものづくり”が弱いと言われてきました。事実、中
南信に比べ、かなり弱いのです。何とかしたいということで、さま
ざまな施策に取り組んでいますが、残念ながら、現段階では、まだ
目に見える程の成果は上がっていません。
 ただ、今回の不況は、その“ものづくり”の現場を直撃している
状況ですから、大変ではありますが、長野市全体として見た場合の
影響は、他都市に比べると比較的軽いということは言えるのではな
いでしょうか。しかし、関係する企業は厳しい状況ですので、市と
してもさまざまな支援策を講じてきていますし、何としてもがんば
っていただきたいと思っています。

 地方自治体の長としては、経済の予測じみたことを発言すべきで
はないと考えていたのですが、皆さんがあまりに悲観的になり過ぎ
ているので、禁を犯して申し上げます。
 昨年末以来、いろいろな雑誌や新聞の囲み記事、著名な経済学者
の著書を読んで感じたことですが、おそらく、新年度に入ってしば
らくすると、景気は回復していくのではないかと、私は淡い期待を
持っています。

 そう思う要因は、以下の三つです。
 一つは円高。
 二つ目には、日本の金融システムは、90年代にかなり苦労した
おかげで、他国より健全だということ。
 三つ目として、日本の技術力は強い、ということです。

 景気の良し悪しを決める大きな要因は、個人消費だと私は思って
います。
 確かに、春闘でも給料が上がらない、企業はさらなるリストラに
取り組む、輸出が伸びない・・・そんな要因が言われています。し
かし、すでに企業のスリム化はかなり進んでいますし、新しい分野
に取り組んでいる企業も多いようです。加えて、円高で輸入物価は
下がるはずですから、日本にとってプラスに働かないはずは無いと
思っています。
 3月28日付けの産経新聞には、「小型燃料電池の日本の技術力
が評価されて国際標準に採用が決定した」という記事が掲載されて
いました。今後の経済回復への布石として、とてもうれしい話だと
思っています。

 話は変わりますが、サッカーチームAC長野パルセイロについて
です。4月11日、南長野運動公園の総合球技場で、北信越1部リ
ーグの今シーズン開幕戦が行われました。相手は、今期から1部リ
ーグに復帰したFC.上田ジェンシャン。結果は1対1の引き分け
でした。
 昨年は、全国地域リーグ決勝大会で九州まで大勢のサポーターの
皆さんが応援に行ってくださったのに、もう一歩のところで、悔し
い思いをしましたよね。市民の皆さん!今年もサッカー場をオレン
ジ色に埋め尽くして応援しましょう。今年こそJFL(日本フット
ボールリーグ)への昇格を果たすことを期待したい・・・これもみ
んなの気持ちを明るくし、素晴らしい活性化になりますよね。

 なお、御開帳終了後の市内では、6月に国際青年会議所のアジア
太平洋地域会議(ASPAC)長野大会、9月に全国商工会議所女
性会連合会全国大会が開かれるなど、大規模な会議が開催されるこ
とになっています。これらの会議の開催も市内の経済にとって明る
い材料になるはずです。