2009年4月2日木曜日

新年度スタート


 4月、長野の元気な新年度がスタートしました。
 まもなく、7年に一度の盛儀、善光寺御開帳が始まります。
 松代では、3月28日、回向柱御奉納前日祭が松代城二の丸広場
で行われ、翌29日に文武学校前を出発。市内、末広町交差点から
中央通りを通り、善光寺まで、総勢1,000人にも及ぶ回向柱奉
納行列が繰り広げられました。善光寺木遺り、真田十万石行列、真
田節舞踊隊などの行列もにぎやかに、そして華やかに行われました。
 回向柱は、明日の3日、善光寺本堂前に古式豊かに建てられるこ
とになっています。4日には前立本尊御遷座式が行われ、5日の開
闢(かいびゃく)大法要でいよいよ御開帳が始まります。たくさん
のお客さまで、長野のまちも大いににぎわうことでしょう。

 次に、平成20年度末、区切りがついた幾つかの公共事業などに
ついて報告させていただきます。

 まず、3月21日、若穂中央公園の主要な部分が完成して、開園
式が行われました。この公園は私が市長に就任した翌年に事業化し
たもので、7年の歳月を経て、野球やサッカーのできる多目的広場
やテニスコートができあがりました。多目的広場には天然の芝を張
っています。これは、地球温暖化対策にもなりますし、転倒しても
けがをしにくいこと、そして砂ぼこりも防げることなどから、試み
として採用したものです。

 3月22日、赤坂橋が完成し、開通式が行われました。この橋は、
一般県道松代篠ノ井線の千曲川に架かる橋で、大切な道路です。
 旧赤坂橋は、昭和31年に従前の木橋(昭和5年完成)から鉄橋
に架け替えられましたが、川の本流部のみの架橋で、河川敷を通行
する形態となっていたため、増水時には、水が引くまで通行止めと
なってしまうなど、多くの弊害が生じていたのです。
 昭和49年に多くの関係者で「赤坂橋建設促進期成同盟会」を設
立し、恒久的な橋の早期完成に向けて活動を行ってきました。その
結果、県には、平成11年度から事業に着手していただき、順次工
事が進められ、難工事もあったのですが、長年待ち望んだ新橋がよ
うやく開通したものです。
 この橋は、篠ノ井地区と松代地区を結ぶ要として、両地区はもと
より市域全体の発展に寄与する大きな役割を担うと感じています。

 3月23日、3月市議会定例会が終了しました。新年度予算、合
併関係議案など、提出した議案はすべて議決いただきました。話題
を呼んだ「定額給付金」と「子育て応援特別手当」の給付も含め、
プレミアム付き商品券「ながの“きらめき”商品券」についても決
定いただきましたので、張り切って新年度の事業執行に取り組んで
まいります。

 なお、この市議会で合併関係議案を議決いただいたことを受けて、
3月27日に、信州新町の中村町長、中条村の久保田村長と一緒に、
村井県知事に合併の申請をしてきました(信州新町、中条村の各議
会では、18日に議決されました)。法律的には、「廃置分合」の
申請をした、ということになるのですが、申請したのは、平成22
年1月1日から信州新町と中条村を廃して、その区域を長野市に編
入したい、という内容です。今後、県議会での議決、総務大臣の告
示を経ることが必要ですが、これで、来年3月の新合併特例法の期
限までに合併できる見込みとなりました。

 3月31日、善光寺前の「駒返り橋」道路の電線地中化と道路美
装化工事が完成しました。電線が地中化されるたびにいつも感じる
ことですが、街の眺めが一変しますね。
 “駒返り”というのは、源頼朝が参詣した折に、ここで駒(馬)
のひづめが敷石に挟まってしまい、仕方なく馬を返して徒歩で本堂
に向かったという伝説に由来しているのだそうです。
 そう言えば戦後、天皇陛下が長野に行幸された際にも、駒返り橋
でお車からお降りになった、というようなことを、祖母や父母が話
していたことを記憶しています。

 同日、三輪保育園の運営引継ぎ式を行い、運営委託という形によ
り民営化された三輪保育園が、4月1日からスタートしています。
「民間活力の導入」は私の歴史的使命であると、市長就任以来申し
上げてきましたが、公立保育園の民営化についても、平成15年か
ら保護者の皆さまなどにご説明し、ご理解いただけるよう努めてき
ました。
 三輪保育園では、一昨年、地域の有志の皆さんが設立した「社会
福祉法人ミツワ会」が委託先に決まり、昨年4月から市の保育士と
ミツワ会の保育士による引継ぎ保育を実施してきました。今回は、
区切りの意味から、引継ぎ式の開催となりました。

 保育園の関係では、あさっての4日に塩崎保育園のしゅん工式が
行われることになっています。これまでの塩崎保育園の園舎は、昭
和44年に建設された建物で老朽化していました。加えて、敷地や
駐車場が狭かったことから、送迎時の事故なども心配されていまし
たので、平成18年度から移転改築を進めていたものです。新しい
園舎は、市内の公立保育園としては初めて太陽光発電を取り入れる
など、環境に配慮した建物となっています。

 また、3月31日には、退職辞令を交付しました。毎年のことで
すが、今年も、長いことご苦労いただいた職員に心から感謝して辞
令を渡しました。
 そして、4月1日には、新規採用職員や、昇任・異動する職員に
対し辞令を交付しました。私から交付したのは管理職など、一部の
職員だけですが、新しい気持ちで取り組むよう訓示しました。

 桜の季節はもうすぐです。春の話題について詳しくは、御開帳と
合わせて、稿を改めさせていただきますが、一つだけ、長野電鉄で
「お花見列車」を運行しますので、宣伝させていただきます(乗車
券はすでに売り切れてしまったようです)。
 今年は温暖化の影響か、各地からは、かなり早く桜便りが聞こえ
てきていますが、長野も平年より6~8日ほど早いようです。長野
電鉄では、毎年お花見列車を運行しているとのことですが、今年も
4回ほど運行するそうです。長野駅を夕方6時半ごろに出発して、
須坂駅を経由、屋代線を通って松代駅へ。松代城跡で花見をして
(多分お酒と料理もあると思います。電車の中でもあるのでしょう)、
また電車に乗って長野駅まで帰るという行程です。途中は須坂駅
と権堂駅に停車するとのことで、長野駅には8時半過ぎに帰着との
ことです。

 屋代線というのは長野電鉄の一番古い線だそうですが、正直に申
し上げますと、私は乗ったことがありません(学生時代、帰省する
ため上野駅から国鉄のディーゼル列車に乗車して長野に向かい、眠
ってしまって、屋代駅から河東線(現屋代線)に入って須坂駅で気
が付く、という失態をしたことはありますが)。
 屋代線の応援を兼ねて、私も市の職員に声を掛けながら、仲間と
一緒に乗ることにしました。楽しみです。松代城跡の桜も見事なは
ずです。皆さまもお出掛けください。

 松代の話題が出たついでに、昨年、真田十万石まつりの際、松代
城管理事務所で鎧兜(よろいかぶと)を着けて身支度している時、
事務所の職員から面白い文章を見せてもらいました。どこから手に
入れたのか、誰の文章なのか、聞きそびれてしまいましたが、とて
も参考になる処世訓だと思いましたので、最後に書かせていただき
ます。

  ええ年寄りになりなはれ

 ぼけたらあかん 長生きしなはれ

 泣きごとに 人の陰口 ぐち言わず 他人のことはほめなはれ

 いつでもアホで居りなはれ
  若い者には花もたせ 一歩さがっておることだ

 いずれお世話になる身なら
  いつも感謝を忘れずに どんな時でも へえおおきに

 お金の欲は捨てなはれ 
  生きてるうちにばらまいて 山ほど徳を積みなはれ

 昔のことは忘れなはれ
  自慢ばなしに「わしらの時は」は 鼻もちならぬ忌言葉

 わが子に孫に世間さま
  どなたからでも慕われる ええ年寄りになりなはれ

 ボケたらあかん そのために
  何か一つの趣味もって せいぜい長生きしなはれや

 以上、もう少したつと、私もこんな心境になれるかどうか、でも
その通りだなあと感じています。
 なお、文章中の段落と「」は、私が勝手につけたものです。