春、長野は花がいっぱいです。
4月3日、長野高専の松岡先生を会長とする実行委員会の皆さん
が、長野駅前広場に“ながのウエルカムガーデン”を設置してくだ
さいました。これは、善光寺御開帳の期間だけでなく、6月に開催
される国際青年会議所のアジア太平洋地域会議(ASPAC)の終
了までを視野に入れて、長野市にお越しくださる皆さんを花や緑で
おもてなししようと、つくって下さったものです。
実行委員会には、造園業界の方もいらっしゃいましたが、大学生
や高校生をはじめ、多くのボランティアの皆さんが結集して、メー
ンガーデンを中心に駅前を花いっぱいに飾って下さいました。幼稚
園の子どもさん、そして、横浜からバスで60人もの小中学生の皆
さんが来て、手伝って下さったとのことです。
このガーデン、設置期間が長いので、メンテナンスも大変だと思
います。そのためでしょうか、季節に合わせて装いも変えていくそ
うです。皆さんも、ぜひご覧ください。
恒例の“善光寺花回廊”も、期間は5月2日~4日と短いのです
が、ゴールデンウィークの中央通りを飾ってくれるはずです。長野
市中、花や木、そして、緑でいっぱいになり、素晴らしい春ですね。
今年の春は早くやってきました。桜の開花は約1週間も早まった
ようで、各地の桜の名所からは、一斉に花便りが報じられました。
近郊では上越市の高田城、伊那市の高遠などが有名ですが、私は以
前から、長野市には桜がとても多いと思っていました。特に最近は、
あちこちで桜の植樹が行われていますし、昔から有名な場所もたく
さんあります。“ながのの桜名所”は、もっと有名になっても良い
はず、と考えていました。
そこで今年は、ぜひ市内の桜の名所を見てみたいと考え、仕事の
合間に回ってみました。今回は、感想を含め、その報告をさせてい
ただきます。
第二地区 「城山公園」、「桜坂」、「雲上殿」は、長野市定番
の花見の場所として有名です。城山公園付近には、花見小屋など、
恒例のお店がたくさん出ていて、とてもにぎやかでした。
第三地区の「柳町公園」、吉田地区の「辰巳公園」、若槻地区の
「昭和の森公園」は、市街地、あるいは市街地に近い場所にある公
園ですから、市民の皆さんが大勢来ており、桜を楽しんでいました。
若槻地区では、山千寺の「信玄駒つなぎの桜」にも行ってみました。
これは枝垂れ桜で、大きな古木です。
芹田地区 アークスの「桜土手」は、まだ若木が多いのですが、
将来的には素晴らしい土手になると思います。
古牧地区 「南向塚」には、桜はそれほど多いわけではありませ
んが、名所の一つでしょう。この一帯は、長野市が都市公園に予定
している場所です。
安茂里地区 裾花川堤防沿いの「マルコメ味噌」敷地内は、きれ
いなピンク色の枝垂れ桜でいっぱいでした。遠くから眺めただけで
すが、「小市団地」の桜もきれいでした。
長沼地区 「桜づつみ」には、千曲川の堤防強化事業に併せて植
えられた桜が数多く並んでいます。まだ若木が多いのですが、数年
後には素晴らしい桜の名所になること間違いなしでしょう。
さらに、この堤防沿いに南下しますと、柳原地区の「村山自由広
場」、朝陽地区の「北屋島 権現様の桜」、そして「千曲川リバー
フロントスポーツガーデン」を過ぎて、大豆島地区の「東部浄化セ
ンター」、いずれもきれいに桜が咲いていました。それぞれ素晴ら
しい名所になりそうです。
芋井地区 「素桜神社の神代桜」(国指定天然記念物)は、国指
定というのがすごいですよね。昭和10年の指定で、樹齢は約
1,200年とのことです。ここから車で随分走り、「百舌原のカ
スミザクラ」(市指定天然記念物)まで行ってみましたが、まだ咲
いていませんでした。もしかしたら、この桜より、並んで生えてい
る市指定天然記念物のシナノキの古木の方が有名かもしれません。
小田切地区 「塩生のエドヒガン」(市指定天然記念物)、別名
“巡礼桜”には、巡礼桜保存会の皆さんが、桜の木の下で観桜会を
開催しているところへ伺いました。皆さんが本当にこの桜を大切に
しているのが、よく分かりました。
篠ノ井地区 「茶臼山恐竜公園入口」の桜は、私の一番のお薦め
スポット。まさに桜のトンネルです。「光林寺」では、階段を上が
ると素晴らしい桜がいっぱい。ここでも多くの市民の皆さんが楽し
んでいらっしゃいました。交通アクセスはあまり良くないのですが、
なかなかのにぎわいでした。「典厩(てんきゅう)寺」には、枝垂
れ桜が多くありました。枝垂れ桜は一本だけある場所が多いのです
が、ここにはまとまってあります。
松代地区 長野電鉄のお花見電車に乗って、須坂駅経由で「松代
城跡」へ行って来たのですが、松代城の夜桜、こんなに素晴らしい
とは思いませんでした。もっと宣伝して、城山公園のように屋台の
お店などが出たら経済効果が出るかなあと感じました。「真田邸」
は、まだ保存修理工事中です。完成すると新しい名所になるでしょ
う。「善徳寺」には、お寺の背後の斜面に桜がありますので、立体
的に桜が楽しめます。「松代桜堤公園」の一部は、長野マラソンの
コースです。
若穂地区 「清水の諏訪社」の枝垂れ桜を眺めながら「蓮台寺仁
王門」の桜へ。蓮台寺境内にはアジサイの木、太郎山のトレッキン
グコースのスタート地点もありました。照明器具もありましたから、
夜桜もきれいなのでしょう。その後、「大本願ユートピアわかほ」
の桜を見て、山新田の「見晴らし公園」へ。藤棚はまだ早過ぎまし
たし、「馬場の桜」もまだでした。地元の皆さんが設置された説明
板によりますと、この桜には、なかなかの歴史があるようです。
また、高速道路の脇に、菱田の「観音寺」というとても格好の良
いお寺があるのですが、すぐ横の「菱田公園」も含め、一帯は桜が
ぎっしり。満開を過ぎていたせいか、ものすごい桜吹雪で、公園一
面、花びらで埋まっていました。
そして、「永保荘」の桜。たくさんの桜の木があって、なかなか
見事でした。お風呂に入る方もいらっしゃったと思いますが、屋台
のお店も出て、多くの皆さんが楽しんでいらっしゃいました。こち
らにも桜を照らす照明がありましたので、夜もきっとにぎわうのだ
と思います。
更北地区 「八幡原史跡公園」では、公園の中を少し歩いてみま
した。素晴らしい花日和で、子ども連れの方や、お年寄りの方など、
多くの皆さんが楽しんでいました。
豊野地区 「荒古の桜」(市指定天然記念物)は、桃の花で有名
な丹霞郷の隣のような場所にあります。リンゴ園のど真ん中できれ
いに咲いていました。そばには、ツツジで有名な“つつじ山”もあ
り、お花の秘境のようなところです。ただ、アクセス道路が厳しい
状況でした。
戸隠地区の「建代神社の枝垂れ桜」(市指定天然記念物)、鬼無
里地区の「金刀比羅神社神代桜」(市指定天然記念物)、「高橋の
枝垂れ桜」(市指定天然記念物)、「財又の枝垂れ桜」、「山角の
枝垂れ桜」は、鬼無里イヤーの開祭式に出席した際に見せていただ
いたのですが、まだつぼみの状態で、花を見ることはできませんで
した。
鬼無里の3つの枝垂れ桜は、“鬼無里の三大枝垂れ桜”として売
り出したいとのことで、今年はバスツアーもあるそうです。いずれ
も風情のある観音堂などのそばにひっそりと立っており、咲いたら
きれいだろうなと感じました。なお、「建代神社」と「金刀比羅神
社」へ続く道も狭く、車でそばまで行くのにひと苦労・・・でした。
大岡地区 「天宗寺の合掌桜」(市指定天然記念物)は、大岡支
所から少し上がったところにあるお寺の境内にありました。二本の
桜が手を合わせている形に見えることから、”合掌”という名前が
ついたとのことです。
今回は、以上のような市内の主な桜の名所を訪ねてきました。ま
だまだありそうですし、有名ではないようですが、遠くから見ても、
素晴らしい花があちこちにあることがよく分かりました。本当は、
もう少し時期がずれてくれると長く楽しめるのに・・・今年は一気
に気温が上がって一度に咲いてしまって、ちょっともったいなかっ
たなあと思っています。
いずれの桜も歴史を持った名所ですが、これらを大きく分けると、
城山公園や松代城跡のように、たくさんの桜が咲いている場所と、
神代桜のように、単独で咲いている古木の桜とに分けられるようで
す。単独で咲いている桜は、枝垂れ桜が多いと感じましたが、ソメ
イヨシノ、エドヒガンなどもありました。単独の古木は、それぞれ
の地域で昔から名前があって、皆さん大切にして楽しんでいらっし
ゃるなと感じさせられました。
また、桜だけでなく、少し時期が変わりますが、梅、アンズ、桃
などの花もあります。長野マラソンのときは菜の花がきれいに咲き
誇っていました。この時期、長野はまさに花の都ですね!
来年は、ホームページを充実させて、皆さんに花の見ごろの時期
をお知らせできれば、もっともっと多くの皆さんの興味を引くだろ
うなあ、と考えています。