善光寺御開帳で市内はにぎわっています。長野商店会連合会が知
恵を絞って企画した「善光寺御開帳記念小判」の売り上げも上々の
ようで、不況の中ではありますが、善光寺さんのご利益は今のとこ
ろあらたかのようです。
一方、今年は“善光寺イヤー”とともに、“鬼無里イヤー”も展
開しています。長野市では、年度ごとに地域を決めて集中的な観光
キャンペーンを行っており、今年は「善光寺界隈(かいわい)」と
「鬼無里」がキャンペーンのエリアです。
このようなキャンペーンを行うことにより、地域の素材を生かし
た体験型観光や、グリーンツーリズムといった新たな視点から交流
人口の拡大を図り、地域ブランド化を推進することで「多軸型観光
都市ながの」の形成を目指したいと考えています。
善光寺に来られた参拝客に足を延ばしていただき、鬼無里を訪問
していただきたい、さらに、戸隠神社の式年大祭も行われています
から、たくさんのお客さまをお迎えできれば幸いです。
鬼無里イヤーのキャンペーンタイトルは「おでやれ鬼無里」です。
「おでやれ」とは、「どうぞおいでくださいませ」という意味の鬼
無里の方言だと聞いていますが、観光事業者だけでなく、約30も
の住民グループも担い手になるという体制で、まさに「住民総参加
で心を込めてもてなしたい」という意気込みで取り組んでいただい
ています。
実行委員会では、昨年から一年間かけて精力的に事業企画の検討
を行い、本年を迎えたとのことで、先日、私も参加させていただい
た開祭式のフォーラムでも、いろいろな計画が発表されています。
水芭蕉、ブナ原生林、精巧な彫刻が施された屋台、おやき、えご
ま・・・そして、鬼無里には伝説がたくさんあります。もう一つ、
私は、鬼無里へ行っていつも感じることですが、“鬼無里びと”の
優しさも格別です。どうぞ、皆さんも鬼無里へお出掛けください。
鬼無里に関係する道路が一つ完成しました。
長野市街地と鬼無里・戸隠地区を結ぶ重要道路は、一般国道
406号です。この道路は、大町市を起点に長野市を東西に横断し、
須坂市、菅平などを経由して、群馬県の高崎市を終点とする、県内
延長約80キロメートルの路線です。まだまだ、整備しなくてはな
らない個所が多くある路線なのですが、そのうちの1カ所、百瀬~
茂菅バイパスが4月26日に完成しました。
このバイパスのうち、茂菅大橋は平成15年度に完成していまし
た。その後、県当局には、頼朝山トンネルと裾花川に架かる松島橋
の工事を連続的に実施していただきましたので、短期間で完成に至
ったものです。これにより、乗用車のすれ違いにも困難があった茂
菅地区などの交通事情が解決できたことは、とてもありがたいこと
で、安全性も高まったと思っています。
何年後になるかはわかりませんが、この国道406号の改良が完
成すると、県境を越えた広域的な産業や経済、観光に多大な効果を
もたらすはずです。そして、何よりも地域においては、生活基盤と
して通勤・通学で有効利用されることになる大切な道路です。
特に、鬼無里地区にとっては長野市の中心部につながる唯一の道
路で、その必要性、重要性にはとても大きなものがあります。これ
からも国・県に改良をお願いしなくてはなりませんが、ひとまず、
今回の完成が鬼無里イヤーに間に合ったことは、大変良かったと思
っています。
そういえば、同じ国道406号ですが、須坂市と長野市を結ぶ村
山橋の第2期工事が完成して、昨年12月22日に開通式が行われ
ました。長野電鉄が走る鉄道橋も、本年度中には完成する予定との
ことです。改良が必要な場所は、まだ多いのですが、国道406号
は便利になりつつあります。
公共事業の話題をもう一つ。長い名前ですが、県営広域営農団地
農道整備事業上水内北部地区の豊野幹線の工事が進み始めました。
2月6日、この工事の「再開」起工式が行われました。本当の起
工式は、かなり前に行われていたのですが、前知事が中止してしま
ったため、地元が困って陳情を繰り返し、村井知事が登場されて、
このたび、ようやく「再開」されることになったのです。
この広域農道整備事業は、平成4年に事業採択され、以降、平成
16年12月までに、県営ふるさと農道三水地区を含めた信濃幹線
全線と、豊野幹線のうち国道117号立ヶ花交差点から国道18号
まで、総延長約12キロメートルが無事完成していました。工事期
間12年、蟹沢トンネル、戸草大橋など大型構造物などがあって、
難工事だったとのことです。
これに続いて、豊野幹線の未完成区間の工事が当然行われるもの
と思っていたのですが、平成15年12月の県議会で、前知事が突
然、豊野幹線の整備を実質的にやめる発言をされ、事業が休止して
しまいました。
豊野幹線は、沿線にリンゴ団地など有益な資源が存在しますので、
地域経済の活性化、農業振興につながる道路になりますし、上信越
道の信州中野インターチェンジから長野市の北の玄関口である豊野
地区を通って長野市街地へ向かいますので、善光寺と志賀高原方面
を結ぶ重要な幹線になります。
用地買収はほぼ終了し、橋台が建設されたまま放置される状況に、
地元は大変困惑し、心を痛めていました。
その後、あらためて本事業について1,000名を超える地域の
皆さんのアンケートによる意見集約があり、村井知事誕生直後から、
信濃町長、飯綱町長、長野市長の3名で、一刻も早い事業再開のお
願いもしてきたのです。
今回、ようやく願いがかない、豊野幹線の工事が「再開」される
ことになりました。
この豊野幹線と同じように一時中断し、「再開」が決まった浅川
ダムについても、先日、県の建設部からダムの形状や大きさなどの
説明がありました。昨年から進めていた詳細設計がまとまったとい
うことで、県では今後、地域の皆さんへ説明会を開催し、本年度中
にはダム本体工事に着手したいとのことです。私からは、下流域の
内水対策についても検討を進めてほしいと申し上げておきました。
いずれにしても、停滞していた浅川の治水対策が大きく進むこと
になり、良かったと思っています。
振り返ってみると、豊野幹線も浅川ダムも、これまで随分無駄な
時間を費やしたものです。