2009年9月25日金曜日

教育について



教育に関する分野は幅が広く、また、法的には教育委員会制度によ
って市長部局とのすみ分けがなされていますので、市長があまり差
し出がましいことを言うことは、好ましいことではありません。全
般的なことは、教育委員会に任せています。
ただ、教育委員の選任や教育予算の編成もありますので、長野市教
育のあり方について責任を持つ立場にあることは当然です。

教育分野については、快適で安全な教育環境を整備することや、不
登校対策、特別支援教育、学力向上への取り組みなど、さまざまな
思いがありますが、今回は、四年制大学を長野市に誘致したいとい
う私の思いを申し上げます。
長野市にある高等教育機関は、
・四年制大学・・・信州大学工学部、同教育学部、清泉女学院大学
・高等専門学校・・・長野工業高等専門学校
・短期大学・・・長野県短期大学、清泉女学院短期大学、長野女子
短期大学
(順不同です。そのほか、性格は違いますが、専修学校・各種学校
は数多くあります。)

これらの大学・短大に在籍する学生さんの数は、約5千人です。こ
の数字は、全国の中核市など、類似都市に比べ、非常に少ないと私
は感じています。
例えば、同じ中核市で、長野市より人口が少し多い金沢市(人口約
45万人)の学生数は、約2万人と言われています。熊本市(人口
約68万人)では、もっと多く、2万6千人ということですし、長
野市より人口が少ない高崎市(人口約37万人)でも、大学数、学
生数ともに長野市より多いようです。

また、長野市内の高校の卒業生で、大学進学を志す学生さんの多く
は、関東、中京圏等へ流出していますので、市内の20歳前後の人
口が少ないことも事実です。このことは、市内に活気がないと言わ
れる要因の一つになっているようにも思います。
東京へ学生を送り出すと、親御さんの負担は大変です。4年間で授
業料を含めれば、1千万円以上は掛かるでしょう。

私は、少なくとも長野市には四年制大学がもう一つ必要だと思うの
です。親御さんの負担の話だけではなく、学ぶために長野を目指す
学生さんがもっと増えてほしい、若い人にとっての長野の存在感も、
もうひとまわり大きくしたいのです。

「大学冬の時代」と言われています。学生数が減って、募集停止に
追い込まれている私立大学もあると聞いています。それは承知の上
で、あえて長野市のために、長野市の子どもたちのために、そして、
長野市に夢を求めてやってくる若人のために、さらには、優秀な人
材を求める長野市の企業のために・・・一流の学者を招き、小さく
ても良いので素晴しい大学をつくり、長野市で有為な青年をもっと
育てたい・・・私の強い想いです。

以上が、私が四年制大学を求める理由です。ただ、前述の「大学冬
の時代」を意識しますと、大学の数を増やすことは無理でしょうし、
厳しい状況が待っているように感じます。
そこで、「長野県短期大学を、四年制大学にしたらどうでしょうか」
と、長野県にお願いしています。「独立行政法人にしていただけれ
ば、長野市も相応の応援をさせていだきます」ということも申し入
れてあります。県で実施した包括外部監査にて、短期大学のままで
は将来性に疑問がある、との報告がされていることも、追い風にな
ると考えています。県短の良き伝統を活かしながら、新しい出発を
することが大切だと思っています。

2009年9月25日