市長選のマニフェストでも主張したことですが、本年度の施政方
ます。漠然とした表現ですが、意図することは理解していただける
と思っています。ただ、言うまでもなく、大切なことは具体策です。
昨年末、「長野市地球温暖化対策地域推進計画-低炭素社会アク
ションプラン-」をまとめ、発表しました。この計画は、8つの望
ましい社会像(望ましい姿)を実現するために必要な19の方針を
示し、それらの方針の下に66の施策を位置付けるという大変野心
的、具体的なものです。
鳩山前首相は昨年9月、国連気候変動首脳会合で2020(平成
32)年までに温室効果ガスを1990(平成2)年比で25%削
減するという思い切った数字を提示し、国際的には拍手喝采(かっ
さい)を得ました。しかし、国としての具体策、実現までの工程表
は、残念ながらまだ何も出てきていないようです。
長野市が策定した計画は、もちろん不完全な面もあるとは思いま
すが、具体的に事業を組み立てています。66もの施策があります
から、すぐにはご理解いただけないかもしれません。でも、ぜひ市
民の皆さんにも読んでいただきき、実行に向けてできることからご
協力いただきたいと考えています。
19の方針について、題目だけ書いてみます。
望ましい姿1 エネルギー地産地消の暮らし・事業活動
方針1 省エネ住宅・省エネビルの普及
方針2 自然エネルギーの利用
方針3 バイオマスの利活用推進
方針4 低炭素エネルギーへの転換
望ましい姿2
今ある技術を使った低炭素で効率的な暮らし・事業活動
方針5 緑を活かしたエネルギー消費の抑制
方針6 トップランナー基準を達成した機器の普及
方針7 分散型電源と燃料電池の普及
方針8 事業所での省エネ機器・設備の導入
方針9 二酸化炭素排出量の少ない事業活動の推進
方針10 二酸化炭素低排出車(エコカー)普及促進
望ましい姿3 地産地消・旬産旬消を取り入れた暮らし
方針11 地産地消・旬産旬消
望ましい姿4 環境保全意識の高い暮らし・事業活動
方針12 家庭及び事業所での省エネ活動の普及
方針13 環境教育・学習の推進
望ましい姿5 歩いて暮らせるまち
方針14 脱マイカー
方針15 自転車利用促進
方針16 公共交通の改善
望ましい姿6 緑を活かしたまち
方針17 都市部を中心とした緑化推進
望ましい姿7 低炭素で効率の良い省エネのまち
方針18 エネルギーの面的利用促進
望ましい姿8 森づくりの進むまち
方針19 森林間伐などの計画的推進
以上、19の方針をざっと書かせていただきました。行政の計画
は、漏れなくきちんとつくることが大切ですから、多少回りくどい
表現になっているかもしれませんが、計画の大意はつかんでいただ
けたと思います。
省エネ機器を使いましょう、ということについて私の体験をお話
しします。私も使ってみてびっくりしたのですが、最新型のトイレ
は、けた違いに使用する水の量が少ないのです。省エネ技術がいか
に向上しているかが理解できましたし、上下水道局で料金収入が上
がらないと嘆いている理由もよく分かりました。
望ましい姿を追求していくと、難しい問題もたくさん出てきそう
で心配もあります。一番は採算性ということでしょうか。
例えば、現在市では、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産
業技術総合開発機構)の支援を頂いて、エムウェーブに太陽光発電
設備を導入するための準備をしています。計画しているのは、県内
の公共施設としては最大の100キロワット規模の設備で、システ
ムの導入だけでも1億5,000万円ほどの費用が掛かります。
しかし、得られる電気は、エムウェーブ全体の電気使用量の2.
5%にも満たないというのです。この施設の電気使用量がいかに多
いかということでもありますが、こんな話を聞くと、ちょっと困っ
てしまいます。でも、長野市の象徴的な施設だから本市の取り組み
姿勢を示すためにもぜひやろうよ、と言っているのですが・・・苦
しい選択です。
これはちょっとオーバーな話かもしれません。しかし、地球温暖
化対策として今できることは、今実行していかなくてはいけない、
そういう時代だと思っています。