2011年3月17日木曜日

未曽有の大震災


 いよいよJFL(日本フットボールリーグ)18チームの激戦が
始まりました・・・と、先週すでに書き始めていたのですが・・・
11日の午後に発生した東北・関東地方を中心にした大地震と大津
波、そして原子力発電所の事故の影響で、JFLの開幕戦9試合は
全て中止になりました。翌12日未明には、長野県北部でも地震が
あり、栄村を中心に被害が出ています。

 いずれにしても、サッカーどころではありません。先週末予定さ
れていたスポーツ大会やイベントのほとんどは中止になったようで
す。このような時には、あらゆる機能を使って、まずはこれ以上の
被害が出ないような手当て、被害を受けた方々への支援を最優先す
ることは言うまでもありません。さらに復興へ・・・当分の間は、
一丸となって被災者支援に全力を挙げなければなりません。

 現段階で、私たちにできることは限られているのが現実ですが、
長野市としては、消防局の職員が地震の起きた日の夕刻、すなわち
11日の段階で、総務省消防庁からの要請により被災地へ向けて出
動しました。
 消防局では、県内の13消防本部とともに長野県緊急消防援助隊
を編成し、宮城県多賀城市と七ヶ浜町、塩釜市において行方不明者
の捜索や救急活動に当たっています。報道などを通じて目にしてい
るように、大津波による被害はすごいことになっているようです。
 11日に1次隊として長野市から出動したのは24人。その後、
交代要員を順次派遣しており、15日の朝には、3次隊23人が、
被災地で不足している毛布と水を積み込んだ車両とともに出発しま
した(毛布と水は多賀城市にお届けしたのですが、昨日、市長さん
からお礼のお電話を頂いてしまいました)。

 このほか、12日の午前中に栄村へ給水車2台と上下水道局職員
4人を派遣。翌13日には給水車2台と職員6人が岩手県に向かい、
14日から同県山田町で給水活動をしています。15日には、栄村
で被災建築物の応急危険度判定に当たるため、建設部職員4人を派
遣しました。
 原子力発電所の被害も広がっています。電力不足を少しでも軽減
できるよう市としても節電に努めていますが、現段階では、それ以
外に直接手を出すことはできそうにもありません。

 なお、12日未明に発生した長野県北部の地震を受け、東北地方
へ向かっていた兵庫県と奈良県の緊急消防援助隊(総勢345人)
が、急きょ目的地を変更し、長野県の応援に入ってくれました。一
時、エムウェーブなどで待機していましたが、救援活動は不要だと
の判断により、その日のうちに福島県へ向かったとのことです。

 こんな時に大切なのは、司令塔がしっかりしていることでしょう。
そして、その指揮の下で、全ての支援部隊が機能的に動くことでし
ょう。すでに懸命な活動をされていますが、最も機動力を持ち、指
揮命令から人員体制、装備、後方支援に至るまで、自己完結力を持
っている自衛隊が主力部隊として活躍していることは心強いところ
です。
 海外からも多くの支援の手が差し伸べられています。この支援の
力を最大限発揮してもらうためにも、司令塔が果たす役割は非常に
大きいと思っています。

 地方行政として今、そしてこれから何ができるか、一生懸命考え
ています。支援策として、現在、長野市が行っていることは以下の
とおりです。
(1)義援金
  現金:市役所と各支所、市社会福祉協議会で受け付け中です。
  口座振込み:八十二銀行長野市役所支店 
        普通 口座番号242417
        「長野市東日本大震災義援金」
        (八十二銀行本支店窓口にて、指定書式で手続き
        されますと、振込み手数料が免除になります)

(2)救援物資
  本日17日午後5時まで、長野運動公園陸上競技場前駐車場で、
  被災地から要請があった以下の物品のみを受け入れます。
   毛布・タオル(新品限定)、紙おむつ(大人用・子ども用)、
   粉ミルク、水(ペットボトル)、トイレットペーパー、
   生理用品(全て未開封の物)
  22日からは、長野市民会館集会室で受け入れます。詳しくは、
  市ホームページなどでご確認ください。

(3)災害ボランティア
  市社会福祉協議会で登録のみを受け付けし、現地の受け入れ態
  勢が整い次第、順次派遣する予定です。

 そして、どうしてあんなに大きな災害が発生したのか、それを防
ぐ手段をどうすべきか・・・長野市で、あのような大きな災害が起
きたらどうするか、対処するための手段を持っているか、あらゆる
点から再検討していく必要もありそうです。

 幸いにも長野市内では、今回の地震による被害はほとんどありま
せんでした。それだけに被災地を支援する義務があると思うのです。
 阪神・淡路大震災の際、当時の長野県建設工業新聞社の伊澤社長
が、水が出なくなった神戸市の野村海浜病院で風呂の提供を始め、
長野オリンピックボランティア推進会議(チーム98)の会長をし
ていた私にも支援を求めてこられました。病院の中庭に風呂おけを
設置し、現地に用意したバスを宿泊所代わりに利用。新聞社の社員
やボランティアの皆さん、市内外の企業の皆さん、NAOC(長野
冬季オリンピック組織委員会)の職員などと当番制で、連日長野か
らタンク車で水を運んで風呂を沸かして提供し、利用された周辺の
住民の皆さんに喜んでいただいたことを思い出しています。

 復興段階になれば、ボランティアの活躍、募金活動も大切でしょ
う。しかし、まず現段階で大切なのは、被災された方の救出作業や
援助に向けて、国がきちんと対処し、その上で各自治体に向けても
必要な指示や要請を出すことでしょう。
 もう一つは、ねじれ国会で政治闘争を繰り広げるのではなく、大
災害に対処する政策をきちんと決めて行動することでしょう。それ
には、大連立以外にないと私は思います。すなわち挙国一致内閣の
成立です。災害対応を第一義に取り組み、バラマキ政策をやめて、
財政再建にも取り組んで、たとえ国民に不人気であっても、また、
結果的に国民や自治体に我慢を強いることになっても、必要な政策
に取り組む、という姿勢を示すことが大切だと思っています。自治
体としても、そのような政策を受け入れる心構えをしておく必要が
あるでしょう。

 被災された方々には、心からお見舞い申し上げますとともに、犠
牲になられた方々とご遺族の方々に対し、深くお悔やみ申し上げま
す。先例のない事態の中、長野市としても被災された方々に対し、
できる限りの支援をしていきたいと考えています。

市ホームページ:
http://www.city.nagano.nagano.jp/pcp_portal/contents?CONTENTS_ID=22683