2011年12月15日木曜日

市議会改選後、初の定例会


 9月の市議会議員一般選挙後初めてとなる市議会定例会が、11
月30日に開会しました。新たな議会構成となり、開会日の議場は
緊張した雰囲気が漂い、各議員さんが強い思いを持って臨まれてい
ることを感じました。理事者側も気を引き締めて対応するとともに、
代表質問、個人質問に対しては、市民の皆さんに分かりやすい議論
となるよう、簡潔な答弁を心掛けました。

 開会の私のあいさつの冒頭、11月5日に逝去された故伊藤將視
議員さんを悼み、ご冥福をお祈りしました。また、同月、本市の管
理職職員が飲酒運転の上、交通事故を起こしたことについて、お詫
び申し上げました。この場をお借りし、かじとり通信をお読みいた
だいている皆さんにもお詫び申し上げます。
 以下、あいさつで申し上げた主な内容です。

 国は、新年度予算編成について、先に閣議決定した「中期財政フ
レーム」に沿って、地方の安定的な財政運営に必要な財源総額は平
成23年度の水準を下回らないよう確保し、また、震災の復旧復興
支援では、被災団体以外の地方自治体の負担に影響を及ぼすことが
ないように、通常の歳入歳出とは別枠で整理し対応していくとのこ
とです(震災の影響で、地方予算が大きく削られることはなさそう
で、ホッとしています)。本市としては、健全財政の堅持および計
画的な行政の推進を念頭に置いて、市政の重要課題・懸案事項の着
実な改善・解消に向けて、積極的に取り組んでいきます。

 本市の新年度予算編成については、「予算編成方針」で、「エネ
ルギーの適正利用」「文化芸術活動への支援と文化の創造」「公共
交通機関の整備」の3つを優先施策とし、「小・中学校耐震化事業」
など8つの大規模プロジェクト事業に、必要な財源を重点的に配分
することとしました。
 また、将来にわたり鋭意取り組むべき市政課題である「都市内分
権の推進」「中山間地域の活性化」「防災対策の推進」「子育ち・
子育て環境の整備」、そして「魅力ある教育の推進」「スポーツを
軸としたまちの活性化」などについても、適切かつ必要な財源の配
分に留意することとしています。

 次に、本年度の主な施策・事業の動向についてです。
(1)都市内分権の推進について
 住民自治協議会が本格活動を開始して1年半余りが経過する中、
多くの住民自治協議会から事務局長設置に対する市の財政支援の要
望を頂いています。住民自治協議会が将来にわたり活動を継続し、
自立していくためには、事務局長のポストは大変重要であると考え
ていますので、今後前向きに検討していきます。

(2)公共交通機関の整備について
 長野電鉄屋代線の廃止に伴い、バス代替による地域の交通手段の
確保に向けて沿線地域の皆さんと十分な協議を行い、路線、停留所
およびダイヤ編成などの代替交通運行計画を11月2日の長野電鉄
活性化協議会で決定しました。また、屋代線跡地については、今後、
須坂市、千曲市と事務的な調整を行いつつ、沿線地域の皆さんや長
野電鉄と十分に協議し、地域の活性化のために有効に活用できるよ
う早急に検討を進めていきます。
 また、12月1日付けのかじとり通信でお知らせしました早稲田
大学と連携した電動バスの実証実験は、二酸化炭素を出さない交通
で地域づくりを進める「モデル」として、注目しています。

(3)環境対策の充実、エネルギーの適正利用について
 「再生可能エネルギー特別措置法」が成立し、再生可能エネルギ
ーで発電した電力の固定価格買取制度の導入が決定しました。これ
により再生可能エネルギーの普及が一層加速するものと考えられ、
今後、買取期間や買取価格の具体化に合わせ、再生可能エネルギー
の積極的な導入に向けた取り組みを進めていきます。

 また、商店会の要望により、9月市議会定例会で補正予算を可決
していただき、商店街街路灯のLED化などへの省エネ改修補助事
業を進めています。本年度実施予定は31商店会で、現在の進捗
(しんちょく)率は94%と、事業は順調に進んでいます。街路灯
は、商店街のにぎわいの創出や道路照明のほか、地域の防犯にも役
立っており、商店会の電灯料金負担軽減にもつながることから、引
き続き支援していきます。

(4)中山間地域の活性化について
 都市と農村との交流・活性化事業として、「小・中学生農家民泊
誘致受入事業」を実施しています。芋井、信里、七二会、信更、鬼
無里、大岡、中条地区において実施され、今年は7地区で合計31
校、何と4,203人もの小・中学生を受け入れました。こうなれ
ばもう一大産業です。日本の原風景ともいうべき豊かな自然に囲ま
れた農家での生活は、子どもたちにとって貴重な経験となるようで、
今後も、より魅力的で、かつ、安全な受け入れ体制を構築し、事業
のさらなる継続・発展を目指したいと考えています。

 中山間地域において大きな問題となっているのが、野生鳥獣によ
る農作物の被害です。防護柵の設置などを推進するとともに、捕獲
したイノシシなどの肉の処理施設建設を補助金により支援したいと
考えています。併せて、肉の消費拡大、販路確保についても、商工
会議所や農業協同組合と連携して取り組んでいきます。

 本年度から実施している「新規就農者支援事業」は、農業政策の
目玉事業です。これまで12人の皆さんが助成金の交付対象者に決
定しており、このうち、現在市内の里親農家や長野県農業大学校な
どで就農に向けた研修をしている人が8人、研修を修了し就農して
いる人が4人です。来年1月に3回目の募集を予定しており、今後
も広くPRし、県内のみならず県外からも農業の担い手の確保・育
成に努めます。

(5)スポーツを軸とした活性化について
 昨年創設した「ながの夢応援基金」については、ご寄付を頂いた
皆さんへの感謝の気持ちを表すため、寄付者のお名前を記した銘々
板(めいめいばん)をJR長野駅東西自由通路に設置しました。こ
の基金を活用し、スピードスケート競技のジュニア選手育成プログ
ラムの実施などにより、ウインタースポーツの拠点づくりに向けて、
オリンピックムーブメントの推進と冬季スポーツ選手の育成・強化
に取り組んでいきます。引き続き、多くの皆さんのご支援・ご協力
をお願い申し上げます。

(6)権堂B-1地区の再開発事業とセントラルスクゥエアについ

 前回の長野市都市計画審議会では、計画案の再検討が求められま
した。現在、案の見直し作業を進めており、再度、審議会へ諮問す
る予定です。
 また、中央通り沿いのセントラルスクゥエアに計画している表参
道長野オリンピックメモリアルパークの整備については、来年4月
のオープンに向け、12月中旬に工事着手、年度内の完成を目指し
ています。解体・撤去するステージの跡地は、試験的に大型バス駐
車場とし、善光寺を訪れる観光客に中心市街地を歩いていただくた
めの課題などを調査する実証実験に着手します。

(7)市役所第一庁舎および長野市民会館の建て替えについて
 両施設の設計者については、公募プロポーザル方式により選定を
進めた結果、世界的にも著名な建築家である槇(まき)文彦氏を代
表とする株式会社槇総合計画事務所を選定しました。また、同社と
設計共同企業体を構成する、地元企業の育成と参画の観点から設け
た市内企業枠には、長野設計協同組合を承認し、基本設計に着手し
たところです。今後、市民ワークショップなどの意見も参考にしな
がら、建設基本計画に基づいて設計を進めていきます。
 また、旧長野市民会館の解体工事は、内装の撤去などがほぼ終わ
り、外壁の解体に着手したところです。
 なお、先日閉会した臨時国会に合併特例債の活用期間を5年間延
長する法案が提出されましたが先送り(継続審査)となりました。
延長自体は東日本大震災を踏まえた適切な措置であると考えていま
すが、耐震化・老朽化対策は喫緊の課題であることから、市役所第
一庁舎・長野市民会館の建設については、当初の計画に沿った着実
な整備を進めていきたいと考えています。

 この他、子育ち・子育て支援の推進として下氷鉋保育園の運営委
託や「長野市版放課後子どもプラン」の状況、長野広域連合が計画
するごみ焼却施設の建設、12月2日から2回目の受け付けを開始
した住宅リフォーム補助事業、長野駅善光寺口駅前広場整備、長野
駅東口の(仮称)複合交通センター用地を観光バスなどの乗降場・
待機場とするための暫定整備、エムウェーブ西側の第二東部工業団
地の好調な契約状況、東日本大震災関連の本市の取り組み、AC長
野パルセイロのJリーグ準加盟申請に当たり、南長野運動公園総合
球技場改修の検討などを記載した長野市の支援文書提出などについ
てもお話ししました。

 そのパルセイロは、12月10日に今シーズンの全日程を終了し、
最終戦のSAGAWA SIGA FCとの対戦は、1対2で残念
ながら負けてしまいましたが、準優勝という見事な結果を残しまし
た。12月4日のホーム最終戦では、詰め掛けた3,000人を超
す観客の期待に応えてFC琉球を3対1で破り、試合は大変盛り上
がりました。ちょうどその日、ライバルの松本山雅FCは念願のJ
リーグ昇格を決定付ける勝利を収め、12日のJリーグ理事会で昇
格が正式決定しました。ここまでの道のりは長く険しいものであっ
たことを新聞記事などからあらためて知ることができましたが、や
はり平均観客数約7,500人というサポーターの力は大きかった
と思います。心から祝福の拍手を送りたいと思います。
 12月市議会定例会でも、多くの議員さんからパルセイロを応援
すべきとの心強いご意見を頂いています。市では、Jリーグ基準を
満たすスタジアム整備に向けた検討を行いますが、パルセイロには、
“GO to J”の掛け声の下、さらにチームの実力と魅力を高
め、サポーターや観客をもっと増やす取り組みを進めてほしいと願
っています。

 初当選された議員さんが、一般質問で市議会デビューされる中、
議会の雰囲気が少し変わったなあと感じる場面もあった12月市議
会定例会ですが、補正予算や条例に係る審議を行い、16日に閉会
します。そうすると、いよいよ年の瀬といった感が強まります。そ
して、待ちに待った本格的なスキーシーズンの到来です。既に真っ
白な志賀高原、白馬、菅平の山々を見るたびに、そして各地から一
足早いスキー場開きの便りを聞くたびに、居ても立ってもいられな
い気持ちになります。早く滑りたくて毎日うずうずしているのです。
17日に戸隠スキー場と飯綱高原スキー場がオープン予定ですが、
オープン日には、雪が降り積もり、素晴らしいスキー日和となるこ
とを期待しています。