2012年8月30日木曜日

都市の目標・都市の夢


 長野市は増加著しいさまざまな行政課題に的確かつ迅速に対応す
るために、この4月から副市長2人制を敷くこととなり、その一人
として選任されました。
長野市の発展のため、精励してまいりますのでよろしくお願いしま
す。

 私は1954(昭和29)年1月生まれで現在58歳です。生ま
れた家のあった場所は、長野駅前にある現在の南千歳公園の辺りで
しょうか。当時はまさに映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に出
てくるような雰囲気の街でしたが、その後の土地区画整理事業によ
り、随分と近代的な街に変貌を遂げたと感じています。現在はホク
ト文化ホールの近くで、妻と愛犬1匹と暮らしています。

 さて、思い起こしますと長野市役所に入庁して以来、さまざまな
経験をする中で、私に大きな影響を与えた事業に1998(平成1
0)年の長野冬季オリンピック大会の開催があります。
月日のたつのは誠に早いもので、大会の開催がイギリス・バーミン
ガムのIOC(国際オリンピック委員会)総会で決定してから20
年以上が経過し、大会そのものが終了してから、今年で14年とな
ります。
 大会の招致活動をしていた当時は、今とは異なり、IOC委員が
立候補都市を訪問することは比較的自由でした(アメリカ・ソルト
レークシティーのオリンピック招致に絡んだ買収事件などにより、
現在ではIOC委員の立候補都市訪問が禁止されるなど、委員の活
動は大変厳しく制限されています)。
 そのような中、市内の幼稚園・保育園の園児の皆さんや、「炎」
という文字を背中に染め抜いた法被を着た長野青年会議所の方々を
はじめとする市民の皆さんが、長野市を訪問した委員をにぎやかに
出迎えてくださった姿は、今でも強く印象に残っています。
 長野市民がオリンピック招致という具体的で大きな目標を共有し、
外に目を向けていた時代でした。市民の皆さんと共有できる価値の
ある目標を設定し、それに挑戦していくことは、都市に活気と一体
感とをもたらすということを実感できた機会でもありました。
 昨今は、2008(平成20)年のリーマンショックに続き、昨
年3月11日の東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の事
故、欧州債務危機など、暗い話題が多く、どうしても内向き思考に
なりがちなことは否めませんが、逆にこういう混沌(こんとん)と
した時代であるからこそ、都市の明確な目標や夢を語り、挑んでい
くことの大切さをあらためて感じています。

 では、都市としての目標・夢とは具体的にはどんなイメージでし
ょうか。
 例えば、2015(平成27)年春には新幹線延伸により、長野
市と約1時間で結ばれる予定の金沢市。加賀百万石の城下町として
有名ですが、江戸時代初期から400年、金沢市に住んできた人々
の積み重ねてきたたゆまぬ努力と研鑽(けんさん)の結果、現在で
も「アートフル(降る、full)金沢」として、文化を軸とした
街づくりを続けていらっしゃいます。NHK大河ドラマ「利家とま
つ~加賀百万石物語~」の中でも、加賀藩の藩祖・前田利家公の正
室である「おまつさん」が、「戦では負けたけれども、金沢を文化
で日本一の街にしましょう」と言うシーンのあったことを記憶して
います。
 金沢市は、街の風情を守るために日本で最初に景観条例を制定さ
れ、城下町文化を保護・振興するために、芸妓(げいぎ)さんなど
の育成によって金沢の伝統芸能を普及されたり、職人大学校を創設
されるなど、文字通り市民の皆さんとの協働で積極的に文化行政を
展開されています。
 今後も文化を守り育てることを軸に街づくりに挑戦され、さらに
それを観光・工芸などの産業につなげていく取り組みを展開される
のだろうと思います。この姿勢こそが人々を引き付ける街の魅力と
なっているのではないかと考えています。
 なお、長野市は金沢市と2007(平成19)年、市民同士の交
流を促進する目的で「集客プロモーションパートナー都市協定」を
締結しています。長野市の皆さんも、ぜひ、「文化」というコンセ
プトで街づくりをされている金沢市の雰囲気を味わっていただけれ
ばと思います。
 私も先日、就任のあいさつを兼ねて、金沢市、富山市、上越市の
各市役所、商工会議所、観光協会を訪ね、観光連携を中心に平成2
7年春の新幹線金沢延伸を見据えての意見交換をしてまいりました。
機会がありましたら、このときの話を書きたいと思います。

 再び話題を「都市としての目標・夢」に戻します。
 昨年11月、大震災後の日本を訪問されたブータン国王ご夫妻の
ことをご記憶の方も多いと思います。その際に、国民の心理的幸福
などを指標とする「国民総幸福量(GNH)」という考え方が話題
になりました。ブータンでは国民へのアンケートに約9割の人々が
「幸福を感じている」と答えており、この結果は驚きです。
国民総生産(GNP)あるいは国内総生産(GDP)に代表される
経済的発展を求めるのではなく、国民が幸せを実感できることを全
てに優先させていくという国づくり。こういう国なら行ってみたい、
さらには暮らしてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
 幸福大国・ブータンというコンセプトは、インドと中国とに挟ま
れた小国として、生き残りを懸けて考え抜いた、極めて戦略的なも
ののようにも感じています。

 このような50年、100年の長期で取り組んでいく都市として
の目標、あるいは志といった方がふさわしい価値観をどう設定して
いくか。
 長い時間軸を前提に、長野市が持つ都市としての魅力や特性をさ
らに磨き上げることのできる目標・志とは何かについて考えてみた
いと思っています。

 ところで、今回初めてメールマガジンなるものを書きました。こ
れを毎週書いてきた鷲澤市長にはあらためて脱帽です。副市長のメ
ールマガジン配信は、黒田副市長と月ごとの交代となっています。
従って、2カ月に一度、私に書くチャンス(!?)が巡ってきます
ので、本日はこのくらいにしておきます。

 これからも、よろしくお願いします。

2012年8月23日木曜日

ようこそ長野市へ~全国のアスリートの皆さま


 学校が夏休みだからということもあるのでしょう。この時期は、
小学生・中学生・高校生が参加するスポーツ大会が盛んです。長野
市を会場とした全国大会も開催され、私も開催地市長として開会式
などに駆け付けています。

 7月28日・29日、「文部科学大臣杯第55回小学生・中学生
全国空手道選手権大会」がエムウェーブで開催され、開会式に参加
しました。会場に入ると、あの広いエムウェーブのアリーナが、選
手や競技関係者などでほぼ埋め尽くされていて、大会の規模の大き
さに驚きました。まだあどけない顔をした小学校低学年から、高校
生かと思うほど大きな体格の中学生まで、選手だけで約3千人とい
うことですから驚きです。スタンドを見渡すと、保護者や応援団の
皆さんでほぼ満席。大きな横断幕も数え切れないほど掲げられてい
て、その熱気に圧倒されてしまいました。長野市からも団体戦に
16組、個人戦に72人が参加されました。優秀な成績を収められ、
先日、出場結果の報告にお越しいただきました。

 高校生のスポーツ全国大会といえばインターハイ(全国高等学校
総合体育大会)です。今年は、新潟、富山、石川、福井、長野の北
信越5県で「北信越かがやき総体」として、7月28日から8月
20日にかけて開催されました。そのうち、相撲と卓球の競技は長
野市を会場として開催されました。

 相撲競技では、エムウェーブのアリーナ中央に土俵が作られまし
た。8月5日、閉会式に出席しましたが、試合の進行が遅れていた
こともあり、団体戦準々決勝から観戦することができました。大相
撲は何度か見ていますが、高校生の相撲を見るのは初めてでした。
仕切りの際の緊迫感、ぶつかり合ったときの激しい音、大きな声援。
そして土俵に上がる前の選手の気合が入った掛け声がアリーナ中に
響き渡り、会場は熱気に包まれていました。自分のため、チームの
ため、母校のために戦う選手たちに私も見入ってしまい、大変感動
を覚えました。試合に負けて、大きな体を震わせて泣いている選手
の姿が痛々しかったです。よくプロ野球よりも高校野球の方が感動
すると言う人がいますが・・・正々堂々、ここ一番の大勝負に青春
の全てを懸ける高校生の真剣な姿勢がそう思わせるのでしょう。

 長野市からは団体戦に更級農業高校が出場し、予選を勝ち上がり
決勝トーナメントに進出しましたが、残念ながら1回戦敗退でした。
この悔しさ、経験をバネにしてこれからも頑張ってほしいと思いま
す。

 ちなみに、節電のために、私は積極的にクールビズを心掛けてい
ますが、相撲は国技ということもあり、開閉会式にはスーツにネク
タイ着用が基本とのことでした。また、試合に勝って、思わずガッ
ツポーズをする選手がいましたが、これも相撲道に反するというこ
とでしょうか、注意を受ける場面がありました。

 審判員の指示に従い土俵の砂を掃き整えていたのは、長野市少年
相撲クラブの中学生で、受付や会場案内などを担当していたのは市
立長野高校をはじめとする市内高校のバレーボール部やバスケット
ボール部などの皆さんでした。こうしたボランティアの皆さんの協
力もあり、大会は成功裏に幕を閉じました。

 卓球競技は、8月1日から5日までホワイトリングで開催され、
約千人の選手が参加しました。長野市からは、長野商業高校の男子
が出場。団体戦では2年連続での出場になりました。大会前に出場
報告に来ていただきましたが、トップレベルの成績を継続して収め
ることは、大変素晴らしいことで、地元の強みを生かしてぜひ頑張
ってほしいと激励しました。結果は、ダブルスでベスト16でした。
ベスト8が目標だったそうですが、素晴らしい成績です。今後さら
に飛躍してほしいと思います。
 
 長野市が会場ではありませんでしたが、陸上競技では女子400
メートルハードルに出場した県立長野高校の瀧澤彩さんが県・大会
新記録で見事2連覇を果たしました。昨年、かじとり通信でも世界
ユース陸上競技選手権大会に出場した瀧澤さんを紹介させていただ
きました。優勝の知らせを聞いて、世界ユース後も順調に成長して
いるんだなあと思いましたが、新聞記事によると、故障に苦しみ、
フォーム改造に取り組むなど、平坦な道のりではなかったようです。
今回の優勝は、とても意味のあるものだったに違いありません。大
きく成長されることを期待します。

 スポーツは青少年の健全な心と体を鍛え、スポーツを通して学ん
だことは将来の人生の糧となります。また、今回ご紹介した大会だ
けでも参加選手は4千人を超え、競技関係者や保護者、応援の人も
含めると、長野市を訪れた人は相当数に上ります。宿泊も伴います
から、経済的な効果は絶大です。株式会社エムウェーブでは、こう
した大きな大会を積極的に誘致し、ながの観光コンベンションビュ
ーローや長野市開発公社と連携した取り組みも行っています。世界
に誇るオリンピック施設がある長野市は、こうした全国規模の大会
を開催するのにうってつけの場所です。この強みを今後も最大限に
生かしていきたいと考えています。
 選手の皆さんが、長野市で思い出をつくり、またいつか「昔、こ
の会場で試合をやったなあ」と懐かしさを感じながら、長野市を訪
れてもらえればうれしいです。

2012年8月16日木曜日

戸隠キャンプ場と戸隠牧場がリニューアルオープン


 パワースポットとして一躍注目度が高まった戸隠高原には、今年
も全国から大勢の皆さんがお越しになっています。一昨年、県を主
体とする行政とJR各社、そして観光事業者が展開した「信州デス
ティネーションキャンペーン」では、戸隠神社奥社の杉並木を女優
の吉永小百合さんが歩くCMを放送したこともあり、その効果は絶
大なものがありました。昨年、今年も効果は継続しているようです。

 平成21年度から、国、県の財政的支援を得て、戸隠キャンプ場
と戸隠牧場の再整備事業を進めてきました。キャンプ場では老朽化
した施設を更新し、安全性と快適性を高めるとともに、キャンプサ
イトを拡張し、戸隠牧場を含むエリア全体の魅力を高めることを目
指しました。このたび3年にわたる工事が全て終了し、夏休みでキ
ャンプ場が最盛期に入る7月28日に、地元や関係機関などの多く
の皆さんにお集まりいただき、竣工(しゅんこう)式を開催しまし
た。私も子どものころからお世話になっているキャンプ場ですので、
見事に生まれ変わった姿を見て、本当にうれしかったです。

 遺憾なこととして、建設中の新管理棟において、これまで数回に
わたり不審な火災があり、地元の皆さんをはじめ、多くの市民の皆
さんにご心配をお掛けしました。工事が終わり、市が建物の引き渡
しを受けましたので、今後は施設を管理する市開発公社と協力して
厳重な警備態勢を取っていきます。ご安心ください。

 キャンプ場の再整備事業では、オートキャンプ区画サイト50区
画、トレーラーサイト8区画、ログキャビン33棟、トイレ、シャ
ワー棟それぞれ2棟を新設するなどしました。総面積も12.7ヘ
クタールから22.5ヘクタールにほぼ倍増し、日本最大級のキャ
ンプ場として生まれ変わりました。
 また、予約することなく好きな場所にテントを張ることができる
広大なオートキャンプエリア(350台以上の駐車が可能)があり、
これも大きな売りとなっています。

 隣接する戸隠牧場も視察しました。ゴルフ場から頂いたという、
ちょっと古い電動カートに乗って牧場の奥へ案内してもらい、行き
着いた場所は黒姫山の麓に広がる牧草地のど真ん中。その美しさと
雄大さに驚きました。牛や馬がのんびり草をはんだり、寝転がった
り、動き回ったり・・・。きれいでおいしい空気を体いっぱい吸い
ながら散策できる、素晴らしい場所です。
 
 おかげさまで、お盆のこの時期、キャンプ場は予約でほぼいっぱ
いだそうです。夏の楽しい思い出をたくさんつくってもらいたいと
思います。

 戸隠連峰の足元に位置する雄大なロケーションにあるキャンプ場
や牧場に多くの皆さんにお越しいただき、ここをベースにして戸隠
の自然豊かな風土や景観に接し、戸隠の魅力を堪能してほしいと思
います。
 そして、今回の整備により、戸隠神社の奥社に代表されるような
霊験あらたかで厳かなイメージや魅力に加え、若者や家族が集う、
にぎやかで活気あふれるパワーにより、戸隠がますます発展する予
感を強く持ちました。

 戸隠高原のお隣、飯綱高原では、7月21日に「飯綱ダービー」
が開催されました。飯綱高原乗馬倶楽部のメーン行事で、小さなお
子さんから年配の人まで、大勢の皆さんが参加される、なかなか素
晴らしい乗馬の競技会です。私もジムカーナという競技に出場する
ように誘われているのですが・・・いつのことになるのやら、分か
りません。
 9月8日には最長で80キロメートルもの距離を走るエンデュラ
ンスという競技も開催され、全国から馬とそのオーナーが集まるそ
うです。いずれは、100キロメートルの競技もやりたいと、クラ
ブの皆さんは頑張っています。乗馬も飯綱高原の有力な観光資源に
なればいいなあと期待しています。

 今、長野市では、観光資源の有効活用の一つとして、飯綱高原、
戸隠、鬼無里の3地域が連携し、お互いの魅力を高め合う「いいと
き(飯・戸・鬼)構想」を進めています。鬼無里には、本州随一の
ミズバショウの群生地として有名な奥裾花自然園があります。また
「伝説の里」といわれるほどたくさんの言い伝えが残る地域で、約
1400年前の白鳳年間に、天武天皇の遷都計画により鬼門の守護
神として創設されたという白髯(しらひげ)神社や、遷都計画を妨
げるために鬼が一晩で築き上げたといわれている一夜山、さらに鬼
女紅葉伝説にまつわる松巌寺などの史跡があります。

 それぞれの地域が持つ魅力を最大限に生かし、それらを発信し結
び付けることにより、新たな観光振興を展開していきたいと日々考
えています。

2012年8月9日木曜日

がんばれニッポン~ロンドンオリンピック開催中


 スポーツの祭典「ロンドンオリンピック」が真っ盛りです。金メ
ダルは幾つ取れるのか・・・。取れそうで取れない、取れなそうで
も取れる。いろいろでしょうね。

 大会前の7月10日、シンクロナイズドスイミングのチーム競技
に出場する長野市出身の箱山愛香(あいか)選手が、コーチの内山
まゆみさんと共に出場報告に来てくれました。
 箱山選手は、市立三陽中学校、長野日本大学高等学校を卒業され、
現在、日本体育大学3年生です。176センチメートルという長身
(シンクロ界のスカイツリーと呼ばれているそうです)を生かした、
海外選手にも負けないダイナミックな演技が持ち味で、水泳競技と
しては県内で初めてオリンピックに出場します。シンクロで日本代
表に選ばれるのは、これまで練習施設に恵まれた東京や大阪など大
都市圏出身の選手が中心で、地方からオリンピック出場を果たすの
は大変な快挙といわれています。箱山さんは、長野冬季オリンピッ
クではアイスホッケー会場として使われ、現在は屋内プールとして
人気のアクアウイングで練習を積み重ねてこられたそうです。
 また、コーチの内田さんも長野市出身で、高校まで長野を代表す
る選手として活躍され、現在は長野商工会議所に勤務しながら全日
本チームのコーチを務めています。箱山選手を小さいころから指導
されていて、まさに長野市の師弟コンビがオリンピックに出場する
わけです。
 試合は、日本時間の本日9日と明日10日の午後11時から行わ
れます。箱山選手をみんなで応援しましょう。

 長野市出身ではありませんが、長野市に関係のある選手もご紹介
します。総合馬術の佐藤賢希(けんき)選手は、小川村の出身で、
ご実家は代々続く曹洞宗のお寺です。7歳で出家し、長野日本大学
高等学校を卒業され、中条地区にあるお寺の住職を務められている
「僧侶騎手」としても話題を集めています。
 試合は、残念ながらまさかの落馬で失権(走行中止)。人馬一体
と言いますが、人間と馬の連携競技ですから、やはり難しいのでし
ょう。

 もう1人、カヌーの矢澤一輝(かずき)選手は、長野市にある山
田記念朝日病院に勤務され、北京オリンピックに続き2大会連続で
の出場です(出身は飯田市です)。スラローム男子カヤックシング
ルで決勝戦まで進み、歴代の日本勢では最高位となる9位に入りま
した。今後が期待されます。

 これまでの大会を振り返ると、体操男子個人総合で内村航平選手
が金メダル、競泳400メートルメドレーリレーで男子が銀メダル、
女子が銅メダル、バドミントン女子ダブルスが銀メダル、卓球女子
団体で銀メダルを獲得するなどの朗報もあれば、お家芸である柔道
では、男子がついに金メダルを取れず(残念でした・・・)、競泳
男子平泳ぎでも北島康介選手の3連覇の夢が絶たれるといったこと
もありました。また、サッカー女子は、準々決勝の好条件を得るた
め、1次リーグ最終戦を引き分けに持ち込むなど、そこにはさまざ
まなドラマがあるのでしょう。

 8日現在で日本のメダル獲得数は、金2個、銀12個、銅13個
です。金メダルまでもう一歩のところで勝ち切れない弱さが指摘さ
れる半面、銀と銅メダルはこれまでを上回る勢いだそうで、競技の
裾野が広がり、競技レベルが確実に上がっているといえるでしょう。
スポーツ界が盛り上がり、スポーツの話題が増えることは、素晴ら
しいことだと思います。

 いよいよロンドンオリンピックも終盤戦です。なでしこジャパン
が金メダルに王手をかけています。サッカー男子にも、なんとして
でも銅メダルを取ってほしい。バレーボール女子もメダル圏内で、
楽しみがたくさんあります。4年に一度の大舞台で繰り広げられる
感動のシーンに期待しています。

 スポーツの話題といえば、去る7月23日に開催されたJリーグ
理事会で、AC長野パルセイロのJリーグ準加盟が承認されました。
本年2月、いったん「審査継続」とされていたもので、約5カ月を
経て今回承認となりました。J2昇格の条件の1つ、Jリーグの基
準を満たすスタジアムの確保については、現在、南長野運動公園総
合球技場の改修に向けて、基本プランの検討業務を進めていて、8
月中には概要がまとまる予定です。   
 今後、できるだけ早く、スタジアム改修に要する事業費やその財
源、全体スケジュールなどを詰め、早期に実施設計に着手できるよ
う準備していきたいと考えています。

 そして現在、AC長野パルセイロはリーグ首位を快走しています。
6月下旬の試合から勝ち続け、7連勝を懸けて7月28日にアウェ
ーでホンダロックSCと対戦しました。結果は、残念ながら0-1
で負けてしまい、8月4日のツエーゲン金沢とのアウェー戦では2
-2の引き分けでしたが、それでも勝ち点45でリーグトップは変
わらずです。これからも勝ちを積み重ね、リーグ戦での優勝はもち
ろんのこと、パルセイロが力のあることを証明するためにも、Jリ
ーグのチームが出場する天皇杯で、今年はぜひ勝ち上がってほしい
と思います。スタジアムの改修やホームゲーム1試合平均観客数
3,000人の確保などJリーグ昇格には解決しなければならない
課題があるため、まだ昇格はできませんが、多くの皆さんにホーム
ゲームが行われる南長野運動公園総合球技場に足を運んでいただき、
パルセイロのJ2昇格に向けた盛り上がりを更に大きくしてほしい
と思います。私もホームゲームは全て応援に駆け付けています。

2012年8月2日木曜日

暑い夏~熱い祭りの季節です


 九州北部で、「これまでに経験したことのないような大雨」が降
り、甚大な被害が続いたと思いましたら、長野市(長野地方気象台
のある箱清水での観測)でも7月20日の夕方に3時間の降水量が
過去最高の73mmを記録する大雨が降りました。市街地である古牧
地区の一部に、長野市では今年初めての避難勧告を出したほどでし
た。幸いにも人的被害はありませんでしたが、床上浸水11棟、床
下浸水107棟の被害があり、4世帯6人の皆さんが近くの中学校
に避難されました。被害に遭われた皆さんにお見舞い申し上げると
ともに、出動いただいた消防団員や関係の皆さんに深く感謝します。
やはり気象が変化しているのでしょうか。地球温暖化が心配です。
さらに、30度を超える暑い日が続いていますので熱中症も心配で
す。自分は大丈夫と油断するなかれ。早め早めの水分補給など十分
注意し、この夏を乗り切りましょう。

 そんな暑い夏、今年も各地で夏祭りが開催されていて、長野市は
夏祭りシーズン真っ盛りです。私が出席させていただいた祭り、あ
るいは参加予定の祭りなどを紹介します。

 7月15日、中心市街地の各町の屋台が長野駅から善光寺までの
善光寺表参道などを練り歩く「ながの祇園祭 御祭礼屋台巡行」に
参加しました。かつては日本三大祇園祭の一つとも称された祭りで
したが、最近は善光寺御開帳の年にのみ行われていました。
2009(平成21)年の御開帳から3年ぶりに開催された今年は、
権堂町、南石堂町、新田町、元善町の屋台が引き出され、北石堂町
の置き屋台とともに、古式豊かに長野のまちを彩りました。絢爛
(けんらん)豪華な屋台行列とともに、おはやしに合わせた踊りや
勇壮な獅子舞なども披露され、門前町長野の良さを実感しました。
お先乗りを務めた小学校6年生の倉石佳長君も立派でした。権堂町
ほか年番町の皆さんは、来年以降も毎年開催したいと張り切ってい
ます。

 7月20日から8月7日までは、権堂アーケードで「長野七夕ま
つり」が開催されています。毎年行われている恒例行事ですが、今
年は市内の若手芸術家が七夕飾りの制作に参加するなど、新しい趣
向を凝らしているようです。皆さんも浴衣を着て、楽しみに出掛け
てみてはいかがでしょうか。

 7月28日の夕方から夜にかけて、「若穂ふれあい踊り」「篠ノ
井合戦まつり」そして「大豆島甚句まつり」に参加しました。私に
とって毎年恒例となった「夏祭り3連チャン」です。
 「若穂ふれあい踊り」は、湯島天満宮とその周辺道路で盛大に開
催され、毎年参加者が増えています。祭りでは、若穂中学校陸上競
技部や若穂ジュニアバレーボールクラブといったスポーツの全国大
会に出場した(出場する)若穂地区出身の選手の皆さんが表彰され、
素晴らしいことだと思いました。
 次は「篠ノ井合戦まつり」です。翌日まで続く「しののい祇園祭」
とともに開催される祭りで、夏の一大イベントとして定着しており、
踊り手の皆さんも、観客の皆さんも、毎年楽しみにしています。
「若穂ふれあい踊り」と「篠ノ井合戦まつり」は、長野びんずると
ともに1971(昭和46)年に始まり、今年で42回を数え、大
変な盛り上がりでした。
 最後に訪れたのは「大豆島甚句まつり」です。かつては善光寺平
一円でうたわれていた甚句ですが、現在甚句が残っているのは一部
の地区で、その中で大豆島地区は江戸時代の歌詞が完全な形でうた
い継がれており、民俗学的にも貴重であることから、1980(昭
和55)年に大豆島甚句を市の無形文化財に指定しました。
 この指定を記念して始められた「大豆島甚句まつり」ですが、今
年で33回を数えています。地区内の狭い道路から広い大豆島公園
に会場が移されて4回目の開催ですが、甚句踊りを継承してこられ
た皆さんに、心から敬意を表します。
 
 明日8月3日と明後日4日には、いよいよ「長野びんずる」が開
催されます。市内最大の祭りと言ってよいでしょう。市民総参加・
総和楽を掛け声に1971(昭和46)年に初めて開催され、その
時に初めて中央通りが歩行者天国になりました。私も祭りの創設に
携わったため、当時のことを懐かしく思い出しています。

 8月5日は「豊野ヨイショコまつり・サマーフェスティバル・納
涼大煙火大会」です。合併してから知った祭りですが、年々にぎや
かになっているように感じています。

 8月10日は「飯綱火まつり」で、今年で45回目を迎えます。
始めたころには主催者の皆さんが大変苦労されたようですが、大座
法師池の水面に華やかな花火が映えて、年を追うごとに素晴らしい
祭りになってきています。なお、大座法師池では、昨年、池の水を
全て抜いて外来魚のブラックバスを退治し、伝統のワカサギ釣りの
復活を目指しています。

 8月15日は、信州新町地区の「ろうかく湖とうろう流しと花火
大会」です。昨年初めて参加させていただきましたが、花火の美し
さはもちろんのこと、信州新町とうろうの会の皆さんが中心になっ
て一つ一つ手作りされた約千基のとうろうが、水の上にただ浮かん
でいるのではなく、文字通りゆったりと流れていく幻想的な光景は、
県内有数の美しさです。本当に奇麗で素晴らしいですよ。

 このほかにも、私の知らない祭りも含めて各地にはたくさんの祭
りがありそうです。
 大小の違いはあっても、祭りは地域に活力を与え、地域の連帯感
を深めます。皆さんも、ご家族、友人と一緒に、ぜひ夏祭りにお出
掛けください。