パワースポットとして一躍注目度が高まった戸隠高原には、今年
も全国から大勢の皆さんがお越しになっています。一昨年、県を主
体とする行政とJR各社、そして観光事業者が展開した「信州デス
ティネーションキャンペーン」では、戸隠神社奥社の杉並木を女優
の吉永小百合さんが歩くCMを放送したこともあり、その効果は絶
大なものがありました。昨年、今年も効果は継続しているようです。
平成21年度から、国、県の財政的支援を得て、戸隠キャンプ場
と戸隠牧場の再整備事業を進めてきました。キャンプ場では老朽化
した施設を更新し、安全性と快適性を高めるとともに、キャンプサ
イトを拡張し、戸隠牧場を含むエリア全体の魅力を高めることを目
指しました。このたび3年にわたる工事が全て終了し、夏休みでキ
ャンプ場が最盛期に入る7月28日に、地元や関係機関などの多く
の皆さんにお集まりいただき、竣工(しゅんこう)式を開催しまし
た。私も子どものころからお世話になっているキャンプ場ですので、
見事に生まれ変わった姿を見て、本当にうれしかったです。
遺憾なこととして、建設中の新管理棟において、これまで数回に
わたり不審な火災があり、地元の皆さんをはじめ、多くの市民の皆
さんにご心配をお掛けしました。工事が終わり、市が建物の引き渡
しを受けましたので、今後は施設を管理する市開発公社と協力して
厳重な警備態勢を取っていきます。ご安心ください。
キャンプ場の再整備事業では、オートキャンプ区画サイト50区
画、トレーラーサイト8区画、ログキャビン33棟、トイレ、シャ
ワー棟それぞれ2棟を新設するなどしました。総面積も12.7ヘ
クタールから22.5ヘクタールにほぼ倍増し、日本最大級のキャ
ンプ場として生まれ変わりました。
また、予約することなく好きな場所にテントを張ることができる
広大なオートキャンプエリア(350台以上の駐車が可能)があり、
これも大きな売りとなっています。
隣接する戸隠牧場も視察しました。ゴルフ場から頂いたという、
ちょっと古い電動カートに乗って牧場の奥へ案内してもらい、行き
着いた場所は黒姫山の麓に広がる牧草地のど真ん中。その美しさと
雄大さに驚きました。牛や馬がのんびり草をはんだり、寝転がった
り、動き回ったり・・・。きれいでおいしい空気を体いっぱい吸い
ながら散策できる、素晴らしい場所です。
おかげさまで、お盆のこの時期、キャンプ場は予約でほぼいっぱ
いだそうです。夏の楽しい思い出をたくさんつくってもらいたいと
思います。
戸隠連峰の足元に位置する雄大なロケーションにあるキャンプ場
や牧場に多くの皆さんにお越しいただき、ここをベースにして戸隠
の自然豊かな風土や景観に接し、戸隠の魅力を堪能してほしいと思
います。
そして、今回の整備により、戸隠神社の奥社に代表されるような
霊験あらたかで厳かなイメージや魅力に加え、若者や家族が集う、
にぎやかで活気あふれるパワーにより、戸隠がますます発展する予
感を強く持ちました。
戸隠高原のお隣、飯綱高原では、7月21日に「飯綱ダービー」
が開催されました。飯綱高原乗馬倶楽部のメーン行事で、小さなお
子さんから年配の人まで、大勢の皆さんが参加される、なかなか素
晴らしい乗馬の競技会です。私もジムカーナという競技に出場する
ように誘われているのですが・・・いつのことになるのやら、分か
りません。
9月8日には最長で80キロメートルもの距離を走るエンデュラ
ンスという競技も開催され、全国から馬とそのオーナーが集まるそ
うです。いずれは、100キロメートルの競技もやりたいと、クラ
ブの皆さんは頑張っています。乗馬も飯綱高原の有力な観光資源に
なればいいなあと期待しています。
今、長野市では、観光資源の有効活用の一つとして、飯綱高原、
戸隠、鬼無里の3地域が連携し、お互いの魅力を高め合う「いいと
き(飯・戸・鬼)構想」を進めています。鬼無里には、本州随一の
ミズバショウの群生地として有名な奥裾花自然園があります。また
「伝説の里」といわれるほどたくさんの言い伝えが残る地域で、約
1400年前の白鳳年間に、天武天皇の遷都計画により鬼門の守護
神として創設されたという白髯(しらひげ)神社や、遷都計画を妨
げるために鬼が一晩で築き上げたといわれている一夜山、さらに鬼
女紅葉伝説にまつわる松巌寺などの史跡があります。
それぞれの地域が持つ魅力を最大限に生かし、それらを発信し結
び付けることにより、新たな観光振興を展開していきたいと日々考
えています。