早いもので今年もあと1カ月を切りました。師走という声を聞く
だけで何かと気ぜわしさを感じますね。国政においても、第46回
衆議院議員総選挙が4日に公示され、慌ただしさを極めています。
市選挙管理委員会事務局も目が回るほど多忙のようです。今回の総
選挙は、民主党が与党として国民の審判を受けるわけで、政権奪回
を目指す自民党など既成政党のほか、新党が乱立し、短期間での離
合集散もあったことから、有権者は各政党の主張を十分に理解する
ことは極めて難しいと思われますが、くれぐれも棄権することなく、
投票することで政権選択を問うにふさわしい選挙となることを期待
しています。
市議会においても12月定例会が11月30日に開会し、本日か
ら一般質問が始まりました。開会のあいさつでは、現在の長野市の
動向として、都市内分権の推進、公共交通機関の整備、環境対策の
充実、エネルギーの適正利用、文化芸術活動への支援と文化の創造、
中山間地域の活性化、スポーツを軸としたまちづくりなどについて
説明しました。今回のかじとり通信では、この中から、最近の出来
事や具体的な施策、また、これまでかじとり通信でお伝えできなか
ったことについてお話ししたいと思います。
まずは、公共交通機関の整備のうち長野電鉄旧屋代線の関連資産
の活用についてです。昨年10月に長野電鉄株式会社から「一括無
償譲渡」の申し出を受け、沿線地域の活性化のための活用策につい
て、沿線の松代地区、若穂地区の皆さんの要望などを踏まえて検討
してきました。10月に活用方針の素案である「基本構想案」を沿
線地区へ提示するとともに、須坂市、千曲市および長野電鉄株式会
社とも協議を重ねています。近々、「基本構想」をまとめた上で、
沿線地区の皆さんと協議しながら、事業実施時期、概算事業費、維
持管理方法などの具体的な内容を示した「整備計画」を作成し、次
年度から順次、事業に着手する予定です。
中山間地域の活性化については、若穂地区において「若穂ジビエ
振興会」が、捕獲したイノシシなどを食肉として加工する施設の建
設に取り組んでいます。そのため、本定例会には、同施設の建設費
補助に係る補正予算案を提出しました。今後、同施設を活用するこ
とで、イノシシ肉などの有効活用による地域活性化や、捕獲促進に
よる有害鳥獣の被害防止を図り、有害鳥獣に負けない地域づくりを
目指します。
観光交流の推進の一つとして、現在、茶臼山公園一帯の整備を進
めています。先月、動物園北口から最寄りの駐車場をつなぐモノレ
ールの設置工事に着手しており、年度内の完成を目指しています。
自然植物園は、「緑育」を実践する場として整備を進めるとともに、
チューリップの植栽イベントなどを開催し、市民と共につくる植物
園として新たな魅力の創出を図り、茶臼山エリア全体の活性化を目
指しています。
スポーツを軸としたまちづくりのために、2010(平成22)
年に創設した「ながの夢応援基金」を活用し、冬季競技大会やオリ
ンピック記念イベントなどの開催に対して助成を行っています。今
月はスピードスケート競技のワールドカップや全日本スピードスケ
ート選手権大会、また、来年2月には、全国中学校スケート大会が
この基金を活用し開催されます。なお、全国中学校スケート大会に
ついては、2007(平成19)年度から10年連続での長野市開
催が決定しており、今回で6年目となります。11年目以降も、引
き続き長野市で開催できるよう、関係者と協議を進め、主催者に要
望していきたいと考えています。
また、南長野運動公園総合球技場の整備事業については、設計・
施工一体型のプロポーザル方式により事業者の選定を進めています。
10月に第1回選定委員会を開催し、応募要領、要求水準書につい
て決定しました。
中心市街地の活性化については、一つの取り組みとして権堂地区
で「10月、権堂、昭和のまち。」や「ごんバル」などの各種イベ
ントが開催されました。昭和の雰囲気を感じられる催しとして、映
画館で「ウルトラマン」が特別上映されたほか、射的などの懐かし
い遊びや食事が楽しめる「グルメ・縁日広場」などが開催されたそ
うです。これらは「権堂地区再生計画」に盛り込まれた提案事業の
実現のため地元組織である「権堂まちづくり協議会」との協働で実
施されたもので、多くの皆さんで街がにぎわいました。
また、先月から、権堂アーケード通りの東側、権堂地区東街区で
再開発事業が始まりました。権堂B-1地区市街地再開発組合が権
利変換計画の県の認可を経て、建物の取り壊しに着手したものです。
完成は、2014(平成26)年12月を予定しています。
保健福祉施策のうち高齢者福祉施策として、「おでかけパスポー
ト」のICカード化の手続きが始まっています。10月27日から
バス共通ICカード「KURURU(くるる)」の運用が始まり1
カ月が経過しましたが、おかげさまで順調なスタートを切ることが
できました。これまでご愛用いただいた「おでかけパスポート」は
ICカードに交換することになりますが、既に約4万人の申し込み
を頂いています。「引換交換会」は、来年の2月21日まで、市内
全域の62カ所で延べ101回開催します。実際にバス車内でのI
Cカードの読み取りを体験することもできますので、ぜひお出掛け
ください。私も、ICカードに交換しました。
市民の皆さんの「生命、身体および財産」を守る消防救急体制に
ついては、11月1日に中央消防署東部分署がエムウェーブ西側の
第二東部工業団地に開署しました。化学消防車や大型水槽車などを
配置し、特殊災害にも対応できる防災拠点となります。また、中山
間地域における救命率向上のため、中央消防署七二会分署で医師の
指示の下で救急救命処置が可能な高規格救急車の運用を開始しまし
た。
最後に、新市役所第一庁舎および新長野市民会館の建設について
です。両施設については、来年度の本体工事着工に向け、現在、実
施設計において詳細図面の作成などを進めています。本体工事に当
たっては、本年3月議会において、市内企業への発注および受注機
会に配慮した工区割りを求める請願が採択されたことなどを受け、
地域全体への経済効果を考慮し、市内企業の参画の機会を極力確保
できるよう方針を決定しました。具体的には、建築主体工事は2工
区に分割し、大ホールなど複雑な施工が求められる第1工区はJV
(建設企業共同体)の代表として一定の市内企業も応募できる形態
とし、庁舎棟となる第2工区は代表を含むJVの全てを市内企業へ
の発注としました。また、設備工事は適切な工種ごとに分離して市
内企業を含むJVなどに発注することとしました。
今後、2014(平成26)年度の竣工(しゅんこう)に向けて
準備を進めていきますが、全体工期の関係から、本体工事(着工は
来年6~7月ごろ)前に施工する土留め壁工事については、本年度
中に準備を行い4月から着工できるよう、関連する補正予算案を本
定例会に提出しました。
現在、玄関棟の解体工事が行われています。新しい建物の完成ま
での間、ご来庁の皆さんにご不便をお掛けすることのないよう、職
員が積極的な声掛けやご案内をするよう努めます。
本定例会の会期は、12月18日までの19日間です。議員、市
民の皆さんに分かりやすい答弁を心掛けることはもちろんのこと、
市政発展のための議論の場となるよう、精力的に取り組もうと気持
ちを引き締めています。閉会日を迎えると、いよいよ年の瀬です。
忙しい中にも、私はスキーでリフレッシュするのが楽しみです。今
年は12月15日に戸隠スキー場が、22日には飯綱高原スキー場
がオープン予定です。雪に恵まれ、両スキー場が、まさに順調な
「滑り出し」となればいいなあと願っています。