新年を迎えたかと思ったら、もう1月が終わってしまい、早くも
2月です。月日のたつのは早いものだと昔からいわれていますが、
年齢のせいでしょうか、今年は特に早く感じます。
今年の1月は、新春を祝う新年会がいつもの年より多かったよう
に感じています。
新しい政権が生まれたためではないのでしょうが、景気が良くなる
兆しが見えたせいでしょうか、あちらこちらで、新年を寿(ことほ)
ぐ声が元気に響きました。私もいろいろな会にご招待いただきまし
た。日によってはいくつかの新年会が重なってしまい、一番極端な
例では、一日に5つの会にお呼びいただき、それも会場が市街地で
あったり篠ノ井であったりしたため、市内を行ったり戻ったりで・
・・いささか疲れました。
先月14日の話ですが、国指定史跡である松代地区の旧文武学校
で、素晴らしい場面に立ち会わせていただきました。松代地区育成
会剣道クラブの皆さんの初稽古にお呼びいただいたのです。当日は、
東条育成会少年剣道クラブの皆さんも参加され、ちょうど私がお伺
いした時は、少年・少女の皆さんが袴(はかま)姿で文武学校の槍
術場(そうじゅつじょう)などの掃除を一生懸命行っていました。
これは、松代町の貴重な文化財を知り、郷土の誇りを伝統とともに
後世に伝えていくことを目的とした稽古の一環として、2009
(平成21)年度から実践されている「文化財保護活動」だと伺い
ました。冷たい板の間を裸足(はだし)で、それも足を真っ赤にし
ながら掃除をする姿に感動しました。指導者の皆さんも立派です。
子どもたちと一緒になって裸足で、号令を掛けて指導しておられま
した。
1962(昭和37)年に「松代町防犯協会剣道部」として発足
した松代地区育成会剣道クラブは、本年度、創部50周年という輝
かしい節目を迎えられました。クラブの卒業生は、これまで各種剣
道大会で輝かしい成績を残されていて、昨年も全日本剣道選手権大
会や全国高等学校総合体育大会(インターハイ)、全国中学校剣道
大会などに出場されています。
また、長年にわたる青少年の健全育成、心身の鍛錬、礼儀作法の
習得を目的とした活動が高く評価され、昨年は全日本剣道連盟の
「少年剣道教育奨励賞」を受賞され、初稽古の前にお祝いの式典も
行われました。あらためて心からお祝いを申し上げます。
なお、この栄えある受賞は、主任指導員を務めておられる大木敏
正(おおき としまさ)先生のご功績によるところが大きいもので
す。大木先生は創部以来、半世紀にわたりご指導に当たられ、90
歳を迎えられる現在も元気に稽古に通っておられるそうです。その
熱意に対し、併せて敬意を表したいと思います。
旧文武学校は、江戸時代、松代藩の藩士・子弟の学問・武芸を奨
励するため、今から158年前の1855(安政2)年に開校した
藩校で、文学や武術のほか、西洋の軍学も教えており、極めて先進
的な教育が行われていたとのことです。
この旧文武学校において、地元の小さな剣士たちが、稽古や清掃
を通して伝統や歴史を肌で体感していただくことは大変意義深いこ
とであり、長野市が目指す「文化財の利活用」の基本方針にも相通
ずるものです。
しかし、旧文武学校は、「昭和の大修理(昭和48年度から6年
間実施)」から30年以上の時がたち、屋根や土壁を中心に劣化が
進行しています。そのため、予定では、「文学所」は今年の7月か
ら次年度にかけて、「槍術所」は2014(平成26)年度、「剣
術所」は2015(平成27)年度以降に、それぞれ保存修理工事
など「平成の大修理」を行いたいと考えています。この間、剣道ク
ラブの皆さんをはじめ、利用者の方にはご不便をお掛けすることに
なりますが、地域の皆さんに愛されているこの旧文武学校が、子々
孫々まで受け継がれるための工事だということをご理解いただけれ
ばと思います。
2月3日は、節分です。節分は季を分けるという意味があるそう
で、本来、春夏秋冬と四節あるのだそうですが、そのうち春だけが
残ったということを教えていただきました。
節分といえば豆まき。今年も、善光寺と権堂地区の秋葉神社の豆
まきにお招きいただきました。
まずは、善光寺です。豆まきに招待された年男や年女の皆さんと
大本願明照殿に集合。そこで行われた開会式では、今年の特別来賓
として女優の大地真央さん、信濃グランセローズ・AC長野パルセ
イロの監督・選手の皆さんなどが紹介され、それから善光寺木遣
(きや)りに送られて、本堂に向かって大勢のお練りが始まりまし
た。沿道では、いろいろな皆さんに声を掛けていただきました。善
光寺の境内は、福を求めて善男善女がいっぱいでした。本堂内で両
導師の先導で一山式衆の般若心経があって追儺式が行われ、堂内豆
まき、そして回廊に出て大きな声で「福は内、鬼は外」と豆をまき
ました。
その後向かった権堂地区の秋葉神社でも、豆まきの前に追儺祭が
神社内で行われ、権堂地区の顔役の皆さんが総出で頑張っておられ
ました。秋葉神社では、境内に設けられた舞台の上からの豆まきで、
来賓も含めて「福は内、鬼は外」と大きな声を上げ、豆をまきまし
た。こちらにも大勢の皆さんが、福を求めて詰め掛けていました。
今年の豆まきはいつもより人出が多いというのが、豆をまいてい
た人たちの感想でした。
今週末の9日から17日まで「長野灯明まつり」が善光寺を中心
に開催されます。長野市の冬の風物詩として、すっかり定着した灯
明まつりは今年で10回目を迎えます。
世界で活躍されている照明デザイナー・石井幹子(もとこ)さん
による、毎年好評の「善光寺・五色(ごしき)のライトアップ」に
加え、山門の上から、灯明に照らされた参道を一望できる「善光寺
山門夜間特別拝観」が期間中、毎日行われます。また、表参道から
中央通りまでの石畳には、「ゆめ灯り絵展」として数多くの灯籠が
展示され、情緒あふれる雰囲気を醸し出します。これらは、「平和」
をテーマに市民の皆さんなどから応募いただいた切り絵作品を張り
付けたもので、750基にもなるそうです。姉妹都市であるアメリ
カ・クリアウォーター市の皆さんからは今年も応募いただき、中国
・石家庄市からの語学研修生の作品もあるとのことです。そして今
年は、有名な画家でいらっしゃる小布施町出身の中島千波(ちなみ)
さんと新進気鋭のアーティストで坂城町出身の小松美羽(みわ)さ
ん、信州大学美術部の皆さんが作製した1畳ほどの巨大なアート
「ゆめ大灯籠」も展示されるそうです。
灯明まつりに併せて、16日にはトイーゴ広場で「長野市民平和
の日のつどい」を開催します。当日は、子どもたちが作った平和を
祈る「折り鶴」の展示とメッセージ展、オブジェ作りワークショッ
プ、「平和を祈るコンサート」や、ロンドン・パラリンピックの陸
上競技男子5000mで5位に入賞され、昨年12月に長野市民栄
誉賞を受賞された堀越信司(ただし)さんをお招きしてのトークシ
ョーなどが行われます。「灯明まつり」と同時開催される相乗効果
により、平和の祭典オリンピックを開催した、ここ長野市から「平
和」や「命の大切さ」を発信し続けていくことが大切だと感じてい
ます。
寒い冬の夜かもしれませんが、大勢の皆さんにぜひお出掛けいた
だき、長野ならではの冬のイベントをお楽しみください。