長野市は現在、豊野町及び大岡村・戸隠村・鬼無里村と任意合併
協議会を開催していることはご存じと思います。それと並行して、
5月末から7月にかけて、合併に関する市民の皆さんの意見をお聴
きするために、「市町村合併に関する市民会議」を市内11か所で
開催し、1か所平均100人前後の皆さんにご出席をいただきまし
た。
会議では、最初に私からプロジェクターを使い市町村合併の概要
について説明をさせていただき、その後、出席者からの質問にお答
えし、約一時間半で終了させていただく形式で行いました。なお、
終了後、出席された皆さんにアンケートにお答えいただくことをお
願いしました。
ご説明した内容は
1.近隣の町村と長野市は、通勤・通学・買物・通院・消防・救急
等で、すでに広域圏を形成し、長野市と事実上一体となってい
ます。さらに、周辺市町村から長野市へ多くの方が転入して来
られたことによって、今の中核市としての機能を有する長野市
が形成されてきています。その意味では地域のリーダー都市と
して周辺住民の総合的な福祉を考えていくことが大切ではない
でしょうか。
2.人口は現在の約36万人から約2万人しか増えないけれど、市
域は現在の404平方キロから738平方キロに増えます。効
率面からいえば厳しいかもしれないが、その中には素晴らしい
自然と文化、そして歴史があり、“ながの”を上回るブランド
力と考えられるものもあります。こういう地域が合併すること
によって、長野の魅力が一段と高まるのではないでしょうか。
都市部と山間部の共生を考えたいと思います。
3.財政の問題は、総体的に考えた場合、合併をしてもしなくても、
現在の長野市にとっては大きな違いはありません。もちろん借
金は多少増えますが、収入もあるわけで、長野市の財政力から
いえばたいしたことはないと断言できます。国の三位一体の改
革の中で、税源移譲をするということは、地方分権の本旨に照
らして望ましい方向ではありますが、何の税源を移譲するのか
がはっきりしません。今後の流れを見守る必要があるけれど、
国の財政状況からいえば、厳しい話しが出てくることは間違い
ありません。その時、小さな町村は多分問題になるでしょう。
地方分権の受け皿たるべき市町村の行財政能力を上げておくこ
とが、一番大切であり、合併はその手段である。地域みんなで
力を合わせましょう、ということでしょうか。
4.新市の名前は「長野市」、事務所の位置も長野市役所の場所、
合併の形式も昭和41年の大合併とは違い「編入合併」(対等
に合併する場合は新設合併と言います)ということが、任意合
併協議会の場で了承されています。
5.市民に対するサービス及び市民の負担については、約2,500
項目の事務事業について、現在、調整を行っています。基本的な
方針は、「一体性の確保・サービス水準の維持・財政の健全性の
維持」ということで、原則として長野市の水準が高い場合には、
長野市の制度に統一する。町村の水準が高い場合には、財政負担
等を勘案して、調整するという方針です。全般的には長野市の水
準が高いのですが、部分的には町村の方が住民に手厚くしている
部分があり、それを全て長野市に適用すると、大変な負担になる
ものもあるようです。
6.新市の建設計画は、任意合併協議会の下に、公募委員も含めて
設置された建設計画策定委員会で現在策定中ですが、法定合併
協議会に移行するまでには計画案を定める、ということで議論
をお願いしています。要は、合併特例債を使ってどんな事業を
やるか、国や県の補助金が厳しくなる中で、住民の皆さんがど
んなまちづくりを望んでいるのか、慎重に考えています。公共
事業はいらないと言う方もいらっしゃいますが、地域の皆さん
の要望は結構多いようです。私は、もう箱物はほとんどいらな
いと思いますが、道路は一体性確保の意味でも必要と思ってい
ます。いずれにしろ、合併特例債があるから全て使うというの
ではなくて、必要な公共事業は実施していくという考え方で進
めたいと思います。
以上のようなことを、皆さんにご理解いただけるように、プロジ
ェクターを使って説明をさせていただきました。
来週は、この「合併に関する市民会議」を通じて寄せられたご意
見やアンケートの回答の内容などについてお伝えしたいと思います。