2007年11月1日木曜日

市制施行110周年記念式典


 10月27日、長野市制施行110周年の記念式典が行われまし
た。
 明治30年に人口約3万人で市制が施行されてから110年、今
や人口38万人余りの地方中核都市に成長したわけですが、多くの
先輩市民の努力によって、この日を迎えることができたこと、本当
に感無量です。

 100周年という大きな節目では、長野市はオリンピック・パラ
リンピック冬季大会を開催することができました。以来、長野市は、
毎年一歩一歩前進し、存在感を増しています。

 100周年からの10年間の大きな出来事といえば、(1)中核
市への移行、(2)スペシャルオリンピックス(SO)の開催、そ
して(3)4町村との合併でしょうか。いずれをとっても、地方都
市とすれば、大変なことですが、長野市民にとってはオリンピック
の記憶・存在が大きいが故に、影が薄いと感じられるかもしれませ
ん。

 中核市になったことはいろいろなメリットがあります。例えば市
の保健所を設置しましたが、今では市民の健康に無くてはならない
もの、また身近な存在になったと思います。SO開催はオリンピッ
ク・パラリンピックの開催と合わせ、三つの大会を開催した世界で
唯一の都市として、世界に“NAGANO”を発信しました。また、
4町村との合併は、長野市の将来に向けて無限の可能性を与えてく
れたと思っています。

 以下は、私が式典で述べさせていただいた式辞です。少し長いで
すが、全文掲載させていただきます。

 式辞
 長野市制110周年記念式典を挙行いたしましたところ、ご多用
中にもかかわらず、御臨席を賜りました国会議員並びに長野県知事
をはじめとする御来賓の皆様、市民の皆様とともに、かくも盛大に
記念式典を執り行うことができ、心から厚く御礼申し上げます。

 長野市は季節ごとに美しい表情を見せる北信濃の山並みに囲まれ、
県の東部山梨県境に源を発する千曲川と日本アルプスに源を発する
犀川が合流する肥沃な地に善光寺の門前町として栄えてまいりまし
た。豊かな自然と歴史が織りなす伝統と文化に彩られ、多くの貴重
な文化財を持つ緑豊かなまちであります。

 明治30年(1897年)に人口3万人で市制を施行して以来、
市域を拡大しながら、人口38万人余を擁する県都として、また、
政治、経済、文化が集積され総合機能を備えた地方中核都市として、
発展してまいりました。市制100周年に当たる平成10年2月に
は、世紀の祭典であるオリンピック、3月にはパラリンピックの開
催都市として、大会史上最多の国と地域の参加のもと大成功を収め、
スポーツを通じての友好平和のメッセージとともに「NAGANO」
の名を世界に発信いたしました。そして本年、110周年の記念す
べき年を迎えたのであります。

 本年は、長野市の歴史の節目を記念して、いくつもの記念事業を
企画・実施いたしております。
 まず、「善光寺の森」造成事業として5月に浅川三ツ出の市有林
で、「善光寺の森」植樹祭を行いました。善光寺などの文化財の保
存修理に使う木材を地元から供給できるよう、市民の皆様との協働
によりサワラとヒノキ4,500本を植樹いたしました。

 9月には「環境調和のまちづくり推進市民大会」を若里市民文化
ホールで開催し、環境保全に取り組む意識の高揚を図りました。

 また、市内全地域の魅力再発見事業の一環として、本日は、記念
式典に合わせて、30地区から選考・推薦された地域資源「地域の
魅力・お宝」を映像で紹介し、併せて写真パネル展を開催しており
ます。

 さらに、来月20日には、長野市城山分室に長野市公文書館が開
館するなど、さまざまな事業を展開しながら、記念の年の盛り上げ
を図っております。

 ここで、長野オリンピック・パラリンピックが開催された100
周年から10年間の長野市の歩みを振り返ってみますと、平成11
年4月には県内唯一の中核市に移行し、併せて長野市保健所を開設
するなど、より多くの行政事務を市が直接行うこととなり、市民サ
ービスの一層の向上が図れることとなりました。

 平成12年には、中心市街地の核でありました二つの大型店が相
次いで閉店となるなど、地元経済とまちづくりに少なからぬ影響を
与えたわけでありますが、平成15年6月には、閉店した大型店を
再活用して、子ども広場などを備えた「もんぜんぷら座」がオープ
ンし、中心市街地のにぎわいを取り戻す新たな拠点として期待を集
めました。

 平成17年1月には、近隣の4町村である豊野町、戸隠村、鬼無
里村、大岡村と合併を行い、面積がこれまでの約2倍となる738
平方キロメートルとなり、人口38万人余の新長野市が誕生いたし
ました。

 2月には、スペシャルオリンピックス冬季世界大会が開催され、
長野オリンピック・パラリンピックと同様、世界的に大変高い評価
をいただくとともに、多くの友好の輪が花開きました。

 平成18年9月には、長野市の中心市街地最大の再開発事業とし
て長野市生涯学習センターを含めた複合施設トイーゴが完成オープ
ンし、「もんぜんぷら座」に続く中心市街地の新たな顔となりまし
た。

 本年4月には、平成28年度までの市政運営の骨格となる第四次
長野市総合計画を策定し、将来に向けた新たな歩みを始めたところ
であります。

 また、本年は、国宝善光寺本堂再建300年にも当たるため、い
くつもの記念行事が開催されたほか、NHK大河ドラマでは風林火
山が放映中で、ゆかりの地や市立博物館の特別企画展に県内外から
大勢の皆様が訪れるなど例年以上に活気のある年となり、市制
110周年に一層花を添えていただいたと思っております。

 さて、100周年から10年を経た今日、社会は、少子高齢化に
加えて、いよいよ人口減少の時代に入ってまいりました。一方で、
市町村合併による広域化や地方分権の推進など、これまでのさまざ
まな枠組みが大きく変化する中で、住民ニーズもこれまで以上に多
種多様化してきており、市民生活に密着した基礎自治体である市の
役割はますます大きくなっております。

 こうした時代の中で、将来への「まちづくり」について思いをは
せるとき、市としての行財政改革への取り組みはもちろんでありま
すが、地域の皆様による自主的・自立的なまちづくり、すなわち都
市内分権の推進が最も重要であると考えます。地域の課題を迅速、
かつ、効果的に解決していくためには、そこに住む地域の皆様お一
人お一人が主役となり、「自分たちの地域は自分たちでつくる」と
の気概を持って地域の「まちづくり」にお取り組みいただくことが
何より大切であります。現在、その核となる住民自治協議会の設立
を各地区で進めていただいておりまして、市においてもその支援体
制を強化しているところであり、市民の皆様と市のパートナーシッ
プによる「まちづくり」を一層築いてまいりたいと思います。

 市民の皆様と協働で策定いたしました「第四次長野市総合計画」
では、新たな長野市の将来像を「~善光寺平に結ばれる~人と地域
がきらめくまち“ながの”」といたしました。今後も、市民の皆様
とともに長野らしさを生かした希望溢れるまちづくりに向けて一層
取り組み、人が、地域がきらめく素晴らしいまちを次の時代にしっ
かりと引き継いでいく決意であります。

 ここに御来賓の皆様、市民の皆様の御健勝、御多幸と本市の限り
ない発展を祈念申し上げまして式辞といたします。

 以上が、式辞の全文です。
 この110周年を契機に、市民の皆さんとのパートナーシップに
より、さらに都市としての風格、存在感が増すようなまちづくりを
していきたいと考えています。