新年あけましておめでとうございます。希望に満ちた新春を迎え
るに当たり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。皆さんにお
かれましては、健やかに新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
また、日ごろは市政に対する温かいご理解とご協力をいただき、心
から感謝申し上げます。
本年は、長野冬季オリンピック・パラリンピック大会から10周
年を迎え、2月には記念式典をはじめとして各種記念事業が開催さ
れます。北京オリンピック大会の開催年でもあり、4月26日には
「北京2008オリンピック聖火リレー」が国内で唯一、長野市で
実施されます。また、長野かがやき国体スケート競技会や全国中学
校スケート大会も開催され、スポーツによる華やかな話題から始ま
る年となりそうです。
オリンピック開催都市として、次代を担う子どもたちに、スポー
ツによる平和と友好の大切さを継承し、夢と希望を与えていくこと
は大切な使命です。
昨年、エムウェーブとスパイラルが、国のナショナルトレーニン
グセンターの競技別強化拠点施設として指定されましたが、ウイン
タースポーツの聖地を目指す本市としましては、非常に大きな財産
であり、今後のスポーツ振興の発展に寄与するものと考えています。
これからも、オリンピックで培われたスポーツ文化をはぐくみ、
誰もがスポーツに親しめる環境を整備し、「スポーツを軸としたま
ちづくり」を進めてまいります。
また、4月には、いよいよ長野市立長野高等学校が開校します。
「男女共学」「単位制総合学科」を導入し、県内唯一の市立高校と
して、市立ならではの特色ある高校としてスタートします。
信州大学などの高等教育機関や各種市民団体、企業経営者など
「地域の教育力」の応援をいただき、「スポーツ・健康」「国際・
人文科学」「環境・情報」「福祉・生活科学」の分野で大いに学び、
豊かな人間性をはぐくみ、個性と能力を伸ばし、社会に貢献する力
を身に付けていただくことを期待しています。
さて、昨年を振り返りますと、突然安倍前首相が退陣し、福田首
相の誕生など混迷した国政、年金問題、相次いで起きる食品表示の
改ざんなどによる「食の安全」をゆるがす事件、公務員の不祥事な
ど、社会責任や倫理観について深く考えさせられた年でした。
また、能登半島沖地震、中越沖地震は甚大な被害をもたらしまし
た。建物の耐震化、高齢者などの援護体制づくり、避難所の対応な
ど「防災都市」に向けた早急な整備の必要性を改めて感じています。
本市においては、市制110周年を節目とした記念行事の開催や
NHK大河ドラマ「風林火山」の放送に合わせた川中島合戦ゆかり
の地観光推進事業と、戸隠イヤーとして戸隠集中観光キャンペーン
の実施、国宝善光寺本堂再建300年記念行事など、全国の注目を
集め、多くの観光客で活気にあふれた年でありました。また、もん
ぜんぷら座の未利用階には、NTTコールセンターが入居し一部業
務を開始されました。中心市街地に新たなにぎわいが生まれ「コン
パクトなまち」の実現に資するものと期待しています。
早いもので、私が市長に就任して二期目の折り返しが過ぎました。
この間、国の経済は、長期にわたる低迷から、緩やかに回復基調に
転じてきているものの、国と地方の財政状況は、これまでの経済対
策などによる膨大な長期債務により逼迫(ひっぱく)した状況にあ
り、国・地方共に財政の健全化に向けた改革が喫緊の課題となって
います。また、少子・高齢化の進展や団塊の世代の大量退職、三位
一体改革をはじめとした国と地方との関係の見直しなど、人口構造
や社会構造が大きく変化してきています。
私は、時代の変革に呼応しながら、常に長野市の発展と市民福祉
の向上を念頭に置き、「民間活力の導入」と市民の目線に立った
「わかりやすい市政」を理念とし、市民の皆さんとのパートナーシ
ップによる簡素で効率的な行政運営に取り組んでまいりました。
そして、昨年からは「まちづくりの設計図」といえる第四次長野
市総合計画をスタートさせ、10年後の都市像である「~善光寺平
に結ばれる~人と地域がきらめくまち“ながの”」の実現に向け着
実に実行に移しています。
その中で本年は、「都市内分権」の推進と「財政の健全化」に向
けた取り組みはもとより、特に「中山間地域の活性化」に力を入れ
て取り組んでまいりたいと考えています。
「限界集落」という言葉がクローズアップされていますが、中山
間地域は、交通機関や道路、医療機関など生活環境が未整備な点に
加え、後継者不足など社会的な共同生活の維持が難しくなっている
状況が生じています。
われわれは山や河川から「きれいな水と空気」の恵みを享受して
います。その山や河川が荒廃し、災害の恐れが増え、美しい景観が
失われることは、中山間地域だけではなく、市全体で考えていかな
くてはならない課題であると考えています。
一朝一夕に解決策を見いだせるものではありませんが、中山間地
域で元気を出して暮らしていけるよう、市農業公社や住民自治協議
会、森林組合などと協働して、新しい中山間地域活性化の長野モデ
ルを構築していきたいと考えています。
そのほか、子育ち・子育て支援、教育環境の整備、企業立地の推
進、環境対策などの重要課題にも積極的に取り組んでまいります。
平成26年度末には、長野新幹線が上越を通って富山・金沢まで
営業区間が延伸します。長野以北の平行在来線存続問題のほか、単
なる通過駅とならないよう、沿線市町村との連携のもと、長野の歴
史・文化、山や高原の素晴らしさ、おいしい食べ物など、さまざま
な地域資源に付加価値を高め、「ぜひ長野を訪れてみたい」と思っ
ていただけるような「魅力と存在感のあるまち」を築いていかなけ
ればなりません。
昨年、首都圏で活躍されている本市に縁のある27人の著名なメ
ンバーによる「ふるさとNAGANO応援団」を設立いたしました。
高度な専門知識、豊かな経験、広い人脈を基にした産業振興などに
お力添えをいただき、都市の魅力を高めてまいりたいと考えていま
す(広報ながの1月1日号の特集記事となっていますので、ご覧い
ただけたらと思います)。
「任重くして道遠し」でありますが、地域の力・市民の力を結集
していただき、「人と地域がきらめく」活気ある魅力的なまち“な
がの”の実現に向け、勇往邁進(ゆうおうまいしん)の精神で努め
てまいります。
この一年が市民の皆さんにとりまして幸多い年となりますことを
心からお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。