長野市には、これまで3つのスキー場があったことは、皆さんご
存じの通りです。
スキーシーズンが終了するに当たり、それぞれの利用状況につい
てご報告します。
(1)戸隠スキー場
営業期間:平成21年12月19日~平成22年4月4日
(107日間、前年度比5日増)
利用者数:11万598人(前年度比6,922人減)
今シーズンから社団法人長野市開発公社が指定管理者として運
営しています。また、シーズン当初より、株式会社東急リゾート
サービスから支配人など2人のスタッフ派遣を受け、民間の専門
的見地から経営改善や顧客サービスの向上に努めてきました。
さらに施設面では、老朽化して危険になっていた中社第二リフ
トの架け替え、コース改良、シャルマン戸隠の改修などを行い、
利便性を高め、頑張ってきたつもりです。
利用者が約7,000人も減少してしまった原因ですが、各地
で豊富な積雪に恵まれたことにあると考えています。昨シーズン
は、暖冬による雪不足で、年末にかけて営業できなかった近隣の
スキー場が多かったようです。そのため、積雪に恵まれていた戸
隠スキー場に利用者が集中し、シーズン序盤に大きく利用者が増
加しました。
しかし、今シーズンは、12月中旬から各地に降雪があり、近
隣のスキー場も営業できました。その分、戸隠の利用者が減少し
てしまったようです。また、シーズン最盛期の2月以降、週末に
気温が上昇して雨が降るなど、天候不順も利用者が伸びなかった
原因の一つでしょう。
(2)飯綱高原スキー場
営業期間:平成21年12月19日~平成22年3月20日
(92日間、前年度比21日増、本来は3月22日ま
で営業する予定でしたが、大雨により2日短縮して
営業を終了)
利用者数:5万5,978人(前年度比2万458人増)
平成18年度から、長野市開発公社が指定管理者として運営し
ています。
今シーズンは、閉鎖していた「里谷多英コース」などを復活さ
せ、稼動リフトも増やしました。
昨シーズンは、戸隠スキー場と反対に雪不足により営業できな
い日が多く、大きく利用者数を減らしてしまいました。
一方、今シーズンは、オープンの日から豊富な積雪に恵まれ、
ほぼ予定通り営業できましたので、その分、利用者が増えていま
す。特にシーズン最盛期には、大雪で他スキー場への道路状況が
悪い中、市街地からのアクセスが容易であることも幸いしたので
しょうか。また、里谷多英コースの復活も誘客につながったよう
だと報告を受けています。
(3)聖山パノラマスキー場
営業期間:平成22年1月2日~2月25日
(55日間、前年度比34日増、本来は12月19日
から3月22日まで営業する計画でしたが、雪不足
によりシーズン途中でオープン、シーズン途中で営
業を終了)
利用者数:5,398人(前年度比4,586人増)
平成19年度から聖山高原リゾート共同企業体を指定管理者と
して運営してきましたが、スキー場の営業は、今シーズン限りで
終了です。そのため、今シーズンは“さよならキャンペーン”を
展開しました。
飯綱高原スキー場と同様に、昨シーズンは雪不足により、利用
者数を大きく減らしてしまいした。21日間しか営業できなかっ
た昨シーズンに対し、今シーズンは55日間も営業できましたの
で、一応、利用者数は増えています。
また、“さよならキャンペーン”でリフト券を格安に提供した
ことも誘客に大きな効果があったようです。
以上が3スキー場の利用状況です。
聖山パノラマスキー場については、標高が低いことに加え、地球
温暖化の影響もあるのでしょうか、近年、雪不足が際立っています。
一昨年、このままで継続することは難しいと地元の皆さんが判断さ
れ、スキー場の廃止を決断していただきました。しかし、今後の後
利用をどうするか、課題は大きいと感じています。
戸隠と飯綱高原のスキー場は、一体的に考えていく必要があると
考えており、両スキー場共に運営に当たる指定管理者は、長野市開
発公社になっています。赤字を抱えている施設ですから、いろいろ
工夫が必要ですし、温暖化の進行が続くと厳しい局面もあるかもし
れませんが、工夫によってまだまだ伸びる余地はありそうです。
しかし、結局は、スキーヤーやスノーボーダーの数を全体的に増
やさないと、スキー場の隆盛は図れないということになるのでしょ
う。そのための工夫、サービスを考えなくてはいけません。そして、
宿泊して滑りに来てくださる利用者も大切にしたいですよね。指定
管理者の長野市開発公社、今シーズンの経営指導を依頼した東急リ
ゾートサービス、それと地元の観光協会、旅館組合、地域の皆さん
などで、いろいろ相談していく必要があります。
県内には数多くのスキー場がありますが、今後、伸びる所と、廃
業に追い込まれる所と二極化していくのでしょう。戸隠・飯綱高原
は必ず伸びる方向にいくと感じています。これからも長野の冬は、
スキーやスノーボードなど、スポーツでお客さんをお呼びしていき
たいものです。
そして、キャンプ場、牧場を中心としたグリーンシーズンの取り
組みも重要でしょう。自然散策、トレイルラン、グラススキー、乗
馬のエンデュランス競技、キャンプもたいへん人気があるそうです。
例えば、キャンプエリアの拡張やバンガローの改築、牧場の観光牧
場化で誘客を図る・・・あるいは、ハンググライダーなどもどうで
しょうか。
また、そろそろ、外国人観光客を誘致する“インバウンド”にも
力を入れなければならない時期かもしれません。
いろいろ雑談的にアイデアを並べましたが、私とすれば、長い時
間をかけて、飯綱、戸隠、そしてそこに隣接する鬼無里を加えたエ
リアを高級リゾート的な場所、世界中の人のあこがれの地にしたい
・・・そんな夢も見ています。
最後に、私のことについても報告させていただきます。
今シーズンも、土・日曜日の仕事の合間を縫ってスキーに行って
きました。中には、2~3時間だけ、などという日もあったのです
が、戸隠スキー場を中心に、市外のスキー場にも足を伸ばすことが
できました。実感したのは、やはり戸隠の雪質はいい、“魔法の粉
雪”と宣伝させていただいているだけのことはあるということです。
そして、私がスキーを再開してからずっと苦しんできたカービン
グスキー。一緒に滑ってくれる仲間に言わせれば、「格段の進歩」
だそうです。5月の連休がありますので、あと何回かはスキーに出
掛けたい気持ちですが、無理でしょうかね・・・。