2005年10月21日金曜日

県教育委員会の高校再編案について



少子化の影響で、中学卒業者が平成17年と比べて平成31年には8割程度になるとし、
圧倒的に多い県立高校の再編についての議論が始まりました。
県内の高校は、県立は89校、市立は1校、私立18校(うち通信制2校)ということ
で、これだけ生徒数が減少すると、経営的な問題も勿論ですが、子供たちを教育する環
境や、子供たちのためにも、今のままでは成り立たないことは、事実であろうと思いま
す。

昭和30年代から40年代の高校生の急増期、県立だけでは足りなくて、私立高校にその分
を補ってもらったことは事実であり、以来、県教委は、高校入学者について、県立と私
立の定員の比率を一定に保って、共存を図ってきました。

その後、都市部では私立高校の躍進もあり、県立高も特色を出すために、英語科を設置
したり、総合学科を作ったり・・・だんだんにバラエテイーに富んだ形になってきまし
た。

しかし、そういう高校の工夫・努力にもかかわらず、少子化の流れは全ての高校が、存
在することは、難しくなり、ここ数年来、県教委はいろいろな検討をしてきたことは事
実でしょう。

高校に限らず、小中学校であっても、学校は地域にとっては大切な存在であり、地域の
中核になっています。
特にその学校の卒業生にとっては、青春時代の思い出がつまった場所、心の拠り所、と
言っても良いかもしれません。
生徒が減っても何とか学校を残そうというのは、地域の方々にとっては、当たり前のこ
とだと思います。

しかし、現在学んでいる生徒諸君とすれば、どうでしょうか?
あまりにも少ない生徒数の学校は、学校が社会へ飛び立つための準備の場と考えると、
仲間同士が切磋琢磨する機会が少なくなり、一生の友達に会えるチャンスも少ないなど、
学校が持つべき基本的な役割が不足することになるのではないでしょうか。
ましてや大人になってから、同窓会の楽しみをどうやってもてるのでしょうか・・・。

昨年から、検討委員会が何回も開かれ、県教委はそれに基づき今年6月、再編案を示し
ました。
長野市に関係のあることとすれば、松代高と長野南高を統合して、松代高の校舎を使う
 長野西高の通信制や長野商、長野工の定時制を坂城高へ移す 2点でしょうか。

県教委のお話しでは、この案はたたき台ということで、これから議論が始まるわけです
から、まだ結論的なことを申し上げるのは、遠慮させていただきますが、私なりに感じ
たことを申し上げてみたいと思います。

松代高・長野南、両校とも、定員割れを起こしているわけではなく、生徒の確保は出来
ている学校です。
そして特に長野南高は、県立高校としては市内で一番新しい学校で、現在長野市では住
民が増えている地域にある学校です。
この2校が再編する学校として適当かどうか大変疑問があります。
定時制高校を坂城高に移すというのは、定時制は働きながら学ぶ場と捉えた場合、人口
や働く場が多い長野市内から離れた場所に移すというのは、如何なものでしょうか?
通信制については、性格上どこにあっても大きな影響は無いかもしれませんが・・・・。


その外にも考える問題がありそうです。例えば、お隣の中条高(中条村)、犀峡高(信
州新町)は、小さな高校ですが、そこへ通う生徒の半分以上が、長野市からの生徒だと
いうことですし、北部高(飯綱町)も長野市からの生徒が多いと聞いています。

現段階、県教委から長野市の意見を求められていませんが、川中島地区、更北地区の市
民会議でも、心配した市民の方から質問が出ています。
現在は、長野市教委が、検討委員会の長野市から選出されている委員さんに、意見を入
れずに事実の数字だけをご説明に歩いている状況です。
本市が「高校改革宣言」を発表した、市立皐月高の問題とも関係がある話ですから、い
ずれ、県教委と市教委が話し合って、きちんとした意見を申し上げる機会があると思っ
ています。